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【書評】創造的な授業の在り方とは?~『クリエイティブ・クラスルーム』を読んで~
詰め込み教育ではだめだ。でもじゃあどんな授業をして、何を教えればいいのか。この悩みは、いつまでたっても消えることがありません。
楽しくわかりやすい授業をして、生徒も楽しんでくれていたとしても、結局テストが終われば忘れられてしまう授業内容。
以前の記事で引用したように、押しつけを楽しさで覆い隠したところで、それは押しつけに変わりはないのかもしれない。
『クリエイティブ・クラスルーム』は、この悩みに答えを出すためのヒントをくれる一冊でした。
〈印象に残った言葉〉
「『生産的失敗』についての研究によれば、生徒はすぐに正解に達するよりも、間違いからの方が効果的に創造的な知識を学べます。」
「失敗は成功のもと」とはよく言ったものですが、これを研究として明らかにした「生産的失敗」という概念があることは初めて知りました。
この言葉自体も生徒に知ってほしいですし、「生産的失敗」をさせるための授業構成を考えたいとも思いました。
「答えのわかっている質問は、詰め込み教育の授業によく見られます。…教育研究者の間では『働きかけ(Initiation)-応答(Response)-評価(Evaluation)』、略してIRE戦略として知られています。」
IRE戦略を使った似非「対話的な授業」を、たくさんしてきてしまったな、と恥ずかしくなりました。
IREでリズムよくやり取りをして、生徒も楽しんでくれているように見え、自分も「対話の多い授業ができている」と思いあがってしまっていた気がします。
まさにデューイの言う「覆い隠した押しつけ」でしょう。生徒の答えに自由度のある問いでないと、本当の対話とは呼べないのだと、再認識させられました。
〈疑問〉
「歴史における創造的知識」が示されていました。
具体的に示してもらえるのは本当にありがたいですし、暗記科目と思われがちな歴史でも創造的知識を学べるのだとわかったことは、とても嬉しい物でした。
ただ、ここに示されたものでは「歴史学」の授業になってしまわないかと心配になりました。
僕が教えるのはあくまで「社会科」。歴史学を詳しく教える科目ではありません。「社会科」における創造的知識とは、どんなものなのでしょうか。
〈紹介した本〉
書 名:クリエイティブ・クラスルーム
著 者:キース・ソーヤー
出版社:英治出版
出版年:2021/11/20
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