たまくまきょうこ

青森から三浦へ移住。三浦半島を中心に森の案内をしています。17歳の時に1本の樹木に一目ぼれして以来樹木が好きです。 いつか世界中の樹木に会いに行ける日を夢見ながら、今ここで出会った樹木達のことを書き綴っていきます。

たまくまきょうこ

青森から三浦へ移住。三浦半島を中心に森の案内をしています。17歳の時に1本の樹木に一目ぼれして以来樹木が好きです。 いつか世界中の樹木に会いに行ける日を夢見ながら、今ここで出会った樹木達のことを書き綴っていきます。

マガジン

  • 精霊のすむ森を探して

    精霊がすむような美しい森をみつけ、紹介していきます。

最近の記事

水が湧き出るところに精霊がすむ

三浦市の水間神社は地域の方々に「水間様」と 呼ばれていて、湧き水で知られています。 家から徒歩圏内にあるので 3年前に引っ越してきてから度々訪れています。 昔は田んぼが広がっていましたが あるときから儲かる野菜畑へ。 農薬も使われるので 嫌がってこなくなった人もいるようですが、 今でも地元の方々が水を汲みに訪れるところです。 私も実際飲んでみて、そのまろやかさにびっくりしています。 この水でコーヒーを入れると美味しくなるのです。 水間様の裏手にはこんもりした小さな山が

    • 羽黒山の参道で感じられるもの

      精霊がすんでいる とはちょっと違うのかもしれないけれど、 羽黒山の参道をあるいたときに感じた感覚は 「何かがいる」と感じられるものでした。 見えないもの達の力と 人々の信仰心によって守られている。 優しくも厳かな神様の声、祖霊の声、自然からの声。 いろんな声との対話ができる、 そんな不思議な感覚を体感できる場所でした。 10月中旬、実家青森からの帰り道、 日本海側を南下し、羽黒山に立ち寄りました。 羽黒山は8月に亡くなった友人と いつか行きたいねと話していた場所でした。

      • 精霊のすむ森を探して

        ふりかえると、無意識のうちに 精霊のすむ森を探していたのだと思います。 だけど、「精霊」と口にするのは なんだか恥ずかしい。 はっきりみえるわけではなく 感じるだけだし。 一応、 エビデンスが必要な仕事をしているし、 怪しい人って思われたくなくて、 わかってくれそうな人や 身内にだけ話していました。 でも、 本音で生きることを決めた時、 言葉にしていきたいなって思いました。 そんな想いから会いに行く 森や自然の記事を 書き溜めることにしました。 3年前、 青森から神奈川

        • 「樹のミュージアム」から得たもの

          図書館にて、 樹木と最初に出会った時の気持ちを思い出す本をみつけました。 「樹のミュージアム:樹木たちの楽園をめぐる」 編集者としての実績を重ねてきた著者が、 樹木の美しい写真たちと偉人達が遺した言葉を 集めてまとめた本です。 樹皮や葉としての木 単体としての木 森・林としての木 様々な樹木の魅力を 美しく時に面白く 魅力的な写真と共に 森林の成り立ちや人との関係性を綴り 樹木について人類がつづってきた言葉達が 紹介されていました。 樹木の生き様、人の樹木への想い

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        • 精霊のすむ森を探して
          3本

        記事

          「あの樹に会いに行く」をはじめたきっかけのこと

          昨年から 「あの樹に会いに行く」という名前で 紹介したい樹木に会いに行くツアーを企画しています。 この名前で企画するようになったのは、 まさしく「あの樹に会いに行く」 という本との出会いがあったことからはじまりました。 細川剛さんという写真家が書いた本です。 八甲田山中に生育するブナ達から1本の木を選び、 その木のもとに12か月、春夏秋冬通い続け、 その時感じたことや気づきをまとめたエッセイです。 この本に出会ったのはもう随分前のこと。 とても感動しました。 私がひとり

          「あの樹に会いに行く」をはじめたきっかけのこと

          樹木におしえてもらった10のこと①

          樹木の写真を整理していた時のこと。 写真越しにあの時感じたことがよみがえってきました。 あ、こんなインスピレーションをもらったな、とか、 この木の下でこんなメッセージが下りてきてはっとしたな、とか。 よみがえってくる樹木との時間。 どこにいたって私の中から消えてなくなったわけではない。 樹木が好きになってから教えてもらったこと。 人生の先輩から教えてもらうことは人だけじゃない。 優しく、ひそやかに、でもしっかりと教えてくれたこと。 いつだってちゃんと覚えていられるように 書き

          樹木におしえてもらった10のこと①

          山梨県の巨樹のこと

          7月23~24日、山梨県北杜市からの帰り道、 一般道路を通って、 気になる巨木や神社に立ち寄りながら帰る ドライブを楽しんできました。   山梨県北杜市から、笛吹市を経由して河口湖へ そして山中湖を経て太平洋側へ出るコース。 山梨県、静岡県、神奈川県の3県をまたがる 長距離ドライブでした。   調べてみて、山梨県は巨木がとても多いことがわかりました。 しかも、北国でみられるような山地性の樹木が多いので あれもこれもと迷ってしまいます。 1本目は、

          山梨県の巨樹のこと

          函南の森にて

          先日、函南原生林に行ってきました。 函南原生林は、 「不伐の森」として知られ、 この森を源流とする来光川下流域の人々の 水源涵養林として江戸時代から保護されてきた場所です。 何度も伐採の危機にあい、 実際一部は開発の手にあったものの、 「箱根山禁伐林組合」により、守られてきたのでした。 そして、その森を学習の場として後世に伝えるべく、 国と県により生活環境保全林として整備し現在に至っているようです。 今回は箱根側から入ろうと試みましたが 道が悪く、その日に限って車の調

          真鶴半島の樹木のこと

          先日、真鶴半島に行ってきました。 真鶴半島は江戸時代、 大火により大量の木材が必要になったことから、 萱野だった場所に植林された場所。 明治時代には皇室の御料林として 大切に保護されるようになりました。 明治37年「魚付き保安林」に指定され 真鶴半島周辺の漁場を支える役割を 担ってきました。 昭和20年代には国有林に、 そして真鶴町に払い下げられ クスノキやスダジイが入り混じる 独特の植生を有した混交林として存在しています。 県立自然公園であり、魚付き保安林であり、

          真鶴半島の樹木のこと

          故郷青森の自然のこと

          6月9日から10日間、故郷青森に一時帰省していました。 自然観察会や植物仲間との会合、 関東地方からいらっしゃったお客様のご案内と、 10日間めいっぱい青森の自然を楽しみました。 そんな中でも、 お客様をご案内した八甲田の森の素晴らしさに 自分自身が心癒され、 満たされるような瞬間がありました。 森が成熟していることの大切さ。 わかっていたつもりだったけれど、 こんなにも大事だったんだ。 自然の中にただ樹木があればいいのではない。 どんな過程で どのくらいの歳月をかけ

          故郷青森の自然のこと

          神武寺の森と巨木

          ここ2週ほど、神奈川県逗子市にある 神武寺周辺を歩いています。  山岳信仰の場として、 また鎌倉幕府の信仰が厚かった神武寺。 三浦半島特有の森を残す場としても知られています。 イタヤカエデやエンコウカエデ、 サルナシと嬉しい植物との出会いが楽しめる森です。 また林内は湿気が多いため シダの宝庫でもあり、様々なシダに出会えます。 ミツデウラボシなど、まるで普通の葉っぱのような シダもいるのはまた面白いものです。 私がこの場を気に入っているのは巨木が多いこと。 信仰の場

          神武寺の森と巨木

          緑覆われる廃墟と暖地性の植物たち

          三浦半島の東端には観音崎があります。 県営の公園なのですが、 観音崎灯台や旧日本陸軍が 明治時代に建設した砲台や弾薬庫跡が多く残る場所、 ということもあり、 特に興味もなく後回しにしていて 昨年の秋にはじめていきました。 実際行ってみると、 シダの宝庫であることや 1年を通して観察を続けている人もいることから、 それ以来、 四季を通じて観察しておきたい場所に変わりました。 ということで、 今の季節の観音崎の自然をみるために行ってきました。 昨年は砲台跡地を避けていたこと

          緑覆われる廃墟と暖地性の植物たち

          村上浅間神社の巨木達

          4月末、富士静養園でのリトリートの帰り道、 村上浅間神社に寄ってきました。 県指定天然記念物に指定されている樹木がある、 と聞いたので寄ってみたのですが、とても由緒ある場所でした。 神仏習合の施設として富士山興法寺とよばれ、 神と仏と末代上人を祀る3つのお堂として知られてきた場所でした。 今でも富士山開山の祭りでは水垢離や護摩焚きなど 修験の儀式が行われるそうです。 浅間大社にも寄ってきたのですが、 そこはどちらかというと 観光地化された華やかな場所でした。 訪問者が多

          村上浅間神社の巨木達

          富士静養園で出会った植物たち

          4月29日~30日の1泊2日、 朝霧高原にある富士静養園にて 雑草の魅力を20年以上伝える活動を続けてきた かわしまようこさんの雑草リトリートに参加してきました。https://www.mt.fuji-seiyoen.com/?p=1562  リトリートということもあり、進行はとても緩やか。 1日目は雨だったこともあり、 体と心をほぐすワークをゆっくり行い、 肩の力が抜けた状態で 2日目のワークに臨むことができました。 2日目は朝から快晴。 富士山のご来光をいただいた後

          富士静養園で出会った植物たち

          常緑樹の芽吹きから気が付いたこと

          春は、 多くの植物にとっては芽吹きの季節。 芽から伸びている姿は 「これから伸びるぞ~!」という エネルギーに満ち溢れていて みるたびに元気をもらいます。   特に今年は、 常緑樹の芽吹きに注目しています。 常緑樹の落葉は5~6月、 そしたら新芽はきっとその時期だろうな、 くらいに思っていました。 (なんてアバウトな、、、)   でも、 どうやら芽吹きは落葉樹と同じよう。 落葉樹も2回にわけて芽吹くものがいるので 常緑樹もそうなのかもしれませ

          常緑樹の芽吹きから気が付いたこと

          タブノキの巨木との出会い

          神奈川県に引っ越してきてからも 密かに楽しみで続けていることがあります。 それは「巨樹古木に会いに行くこと」。 今年も この目標を達成させるべく動き始めました。 その日は雨でしたが、目標達成だ! ということで藤沢市の巨樹古木を2本みてきました。  一つ目は常光寺の巨木林に。 境内に入ると、対の大きなクスノキがお出迎え。 静かな空間が広がっていました。 お墓の間に樹木たちが立ち並びます。 お墓の中に立つカヤの木は市指定天然記念物に指定されていました。 根は伸びづらい環境に

          タブノキの巨木との出会い