正しい知識をインストール。
ワイ「鬱です。」
助手「どこが?」
ワイ「心が。」
助手「ワインレッド?」
ワイ「それは安全地帯ですよ。」
助手「アナタと会話してると鬱になりそう。」
ワイ「うつ病って他人からは理解してもらいづらいです。」
助手「けれど今の世の中、だいぶ理解が進んできたんじゃない?」
ワイ「確かにそうですね。しかしまだまだだと思います。」
助手「心って見えないものだから難しいのかな。」
ワイ「心の病気だと思ってらっしゃる?」
助手「だって心の病気って言うじゃない?」
ワイ「心ってものは体内には存在しませんよ。思考や感情を司るのは脳ですから、正しくは脳の疾患と考えるべきです。」
助手「そうなの?」
ワイ「脳内にある大脳皮質に問題があるか、神経伝達の部分に問題が生じていると言われていますね。後者の説が有力です。」
助手「神経伝達?」
ワイ「刺激を脳に伝えて、脳から行動・思考にリレーする部分のことです。」
助手「へー。」
ワイ「私が萌え女子を見つけて、追いかけようとするのも脳の仕業。」
助手「脳に責任転嫁。」
ワイ「ちなみに神経って一本の線ではないんですよ?」
助手「繋がってんじゃないの?」
ワイ「線と線が途中で途切れてるんです。その切れてるところを補う役目をするのが神経伝達物質です。よく耳にする名前としてはアドレナリンやドーパミンが有名じゃないですかね。」
助手「アドレナリンは聞いたことある。」
ワイ「それらの物質が少ない状態がうつ病の原因と言われています。」
助手「そうなんだ。」
ワイ「抗うつ剤って神経伝達物質を増加させる効果がありますからね。」
助手「増やすといいんだ。」
ワイ「増やしすぎても症状が悪化するみたいですよ。不安とか恐怖が助長されるらしい。」
助手「アナタと喋ってるときの私みたい。」
ワイ「そうなんですか?」
助手「だって不安と恐怖でいっぱいだもの。」
ワイ「ひどいですね。」
助手「事実を述べたまでよ。」
ワイ「うつ病とかを心の病と表現するのはあらためた方がいい気がします。」
助手「なんで?」
ワイ「脳疾患または神経疾患だと言われると理解が進みやすくないですか?心の病気と呼ぶから理解がしづらいのだと思います。」
助手「なるほどね。」
ワイ「同じく脳の疾患である認知症は、今や多数の認知を得ています。」
助手「確かにそうだね。」
ワイ「ただ、第三者からは分かりづらいのも事実です。」
助手「難しいよね。」
ワイ「ちなみにうつ病とうつ状態って違うんですよ。ご存知でしたか?」
助手「何が違うの?一緒だと思ってんだけど。」
ワイ「うつ病は一つの精神疾患ですが、うつ状態は他の原因で起こっている症状をいいます。」
助手「詳しく。」
ワイ「うつ状態になっている原因がうつ病とは限らないって意味です。それこそ認知症や統合失調症・適応障害が原因である可能性もあるのです。」
助手「あくまで状態であって原因はうつ病と限らないってことね。」
ワイ「そうです。『もしかしてうつ?』って思ったら、まずは正しい情報を得て知識を高めた方がいいですね。知識の無さが原因で不安が増すことにもなりますから。」
助手「その上で専門医に診て貰えばいいんだね。」
ワイ「そうです。事実を正しく伝えて正しい判断を仰ぎましょう。」
助手「ところでアナタはなんで鬱なの?」
ワイ「鬱蒼とした世界で憂鬱を抱えながら鬱積した思いを抱えているからに他なりません。」
助手「鬱鬱言い過ぎ。鬱陶しい。」
ワイ「鬱憤を晴らしたい?」
助手「アナタをサンドバッグにして鬱散したい。」
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