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なぜ、馬が人に自信を与えてくれるのか?~馬は、本当のあなたを映す鏡~

はじめまして。JICA海外協力隊の研修で、1月から岩手県釜石市に来ています。江原崇裕(えはらたかひろ)と申します。

背景は富山県にある環水公園(世界一美しいスタバで一躍有名に!)

鳥取県米子市の出身で、高校生の時はサッカーをしていました。そして、高校サッカーの新人戦大会では、県内3位になっております!
※人口が、全国で128年連続最下位の鳥取県は出場する高校が少なく、1度勝てばベスト16、2度勝てばベスト8ですが、、。


ここからは、全国的に最もレア(人口が少ないだけ)な県民が、研修先である三陸駒舎で、馬や子ども達と、ともに過ごして感じたことを正直に伝えます。見てくださっている皆様が、三陸駒舎のあたたかな雰囲気を感じ、ホースセラピーに興味関心を持つきっかけづくりをしたいと思っています。よろしくお願いします。


ホースセラピーとは、いったい、、、

岩手県釜石市の沿岸部から西に20km進んだ地。
釜石市橋野町にある一般社団法人「三陸駒舎」

ここ三陸駒舎には、1月24日より研修で、受け入れて頂いています。

私たちが提供するホースセラピーは、「馬の暮らし型セラピー~ Equine Centered Form of Life ~」と呼んでいて、馬を中心とした暮らしによって、生きることに困難を感じる人々の成長を支援するものです。身心両面に効果があり、欧米では、ホースセラピーに対して保険が適応されている国もあり、身体的な機能の回復・成長のみならず、メンタルヘルスやトラウマのケアなどにも馬の力が活用されています。

一般社団法人三陸駒舎ホームページより

馬から学ぶコミュニケーションとは

私が「馬のことを理解したい」と言った時、スタッフの方から「引き馬をしてみようか。」と提案されました。
皆さんは、引き馬と言われたら、どんなことを思い浮かべますか?その名の通り、「えっ?馬を引くことじゃないの?」と思われますよね。その通り、引き馬は馬を引く行為です。ですが、ただ馬を引いているだけではありません。何気なく馬を引いているように見えるその光景の裏側には、馬と人間の、目には見えないコミュニケーションがあります。馬はとても繊細な生き物で、人の気持ちが伝わると言われています。今まで、馬に触れたことの無い人は「本当に?」「そんなことあるの?」と思われたことでしょう。私もその1人でした。
ここからは、「馬には、気持ちが伝わる」ということに半信半疑だった私が、馬と触れ合い、何を感じたのか、実体験を元にお伝えします。

牧草を食べる、道産子のアサツキ(左)とピーナッツ(右)

馬は、本当のあなたを映す鏡!?

私が、引き馬をする時に、スタッフの方が数名、馬場(馬の運動場)に集まりました。その時、「どれ、初心者がどのくらいやるのか見てみよう」という雰囲気を感じた私(被害妄想)は、「絶対に馬を動かして、スタッフの方たちを驚かせよう!」と心の中では沸々と熱意を燃やし、意気込んでいました。

いざ、引き馬始め!

私が、第一歩を踏み出し、前に進むと、アサツキ(馬)は、、、動かない。
リードを引っ張ってみるが、アサツキは、、、動かない。
「なんで動かないんだ。自分は確かに前に出ているのに。」と訳が分かりませんでした。スタッフの方が引き馬をすると、自然に動いているのに。だからこそ、そんなに難しくないのではと高を括っていました。スタッフの方からは、「馬は絶対に動くと信じて自分が動くこと」や「自分がどう動きたいのか伝えること」をアドバイスされましたが、そのことを意識しても、アサツキは、全く動きません。
しかし、その時、心の中で、「動いてくれないな。」と不安に思っている自分がいたのは確かでした。そして、「まさか、この思いが伝わっているから、馬は動かないのだろうか。」と不思議な感覚に陥りました。

こちらを見つめる馬の目

私は、以前、食品メーカーで営業として働いていました。先輩から教えて頂いて、今でも大切にしている言葉に「人は、鏡」という言葉があります。

―相手に好意を持って、相手の為に動けば、自分に好意で返ってくるけれど、相手を苦手だと思って関われば、必ず相手も自分を苦手だと思って接する。ネガティブな感情を持って接すると、絶対に良好な関係は築けない。―

この考えを大切に行動すると、私とお客さんの関係性は良くなり、自然と、営業成績も上がりました。今回の場合に置き換えると、馬は、自分のネガティブな考えを感じ取り、自分に対してネガティブな感情を返したのだと思いました。だから、一緒には動いてくれなかったのか。「馬も鏡」だと感じた日でした。逆に言うならば、馬との関係性がうまくいけば、人との関係性はうまくいくのでは無いだろうか!?

あなたが、自信を持てているか知るには

引き馬はうまくいきませんでしたが、「馬には人の気持ちが伝わる」と言われることは、五感が感じ取り、とても腑に落ちました。そして、自分の心のあり方が、馬という動物の行動に目に見えて表れることの面白さを感じました。自分に自信が持てたかどうかは、馬が教えてくれます。

今の時代は、子ども・大人を問わずに、自分に自信を持てている人が、果たしてどのくらいいるでしょうか。もし、この文章を読んで、「自分は馬を動かせないかもしれない」と感じた人がいれば、チャンスです。馬に自信の持ち方を教わりに行きましょう。三陸駒舎では、高校生以下の子ども達を対象にして放課後デイサービスを行っており、月に延べ200名の子ども達が馬との触れ合いを通して、成長しています。皆さんのお住まいの地域でも、調べれば、馬を飼っている施設が意外と近くにあるかもしれません。是非、馬と向き合い、自分自身と向き合う体験をして欲しいなと思います。私もこれに懲りず、引き馬に取り組みます。ともに心の成長を目指しませんか。

馬と触れ合ってイキイキした表情を見せる三陸駒舎に通うお子さん

次回のコラムについて

次回は、引き馬の2回目についてお届けします。果たして、私は、自分に自信を持つことが出来るのか。そして、馬の動きに変化はあるのか。次回をお楽しみに。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

(JICAグローカルプログラム研修生 江原崇裕)

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