見出し画像

【読書】10分でおもしろい源氏物語

 2024年9月2日(月)、『10分でおもしろい源氏物語』を読了しました。記録を残します。

■はじめに

 本書は、世界文化社から、2023年12月15日に発行された本です。著者は時海結以さん、監修は山本淳子さんです。
 源氏物語54帖が、6つの章に分けられ、それぞれの章が10分程度で読めるぐらいに要約されています。いわゆる入門書で、本の帯にも「小学校高学年からの古典入門」と記載されています。

 2024年は『源氏物語』の年と思い、私も荻原規子さんの現代語訳を手にとっていました。
 しかし、全7巻のうち、光源氏の生涯の骨子をまとめた『紫の結び』の3巻で止まっていて、宇治十帖や、中の品の女性についてまとめた巻は未読です。全体像をつかまないと、挫折してしまいがちな私は、堪え性がないのでしょうか☺。
 今回は、一番短くまとめられていそうな本書を読みました。読んで良かった点を、少し記載します。

■感想(読んで良かった点)

①骨子を掴める

 上記したように、私も他の現代語訳を途中まで読んでいますが、それを踏まえると、今回の本は、話を大幅に削ることなく、丁寧にまとめているように思いました。
 例えば、夕顔が亡くなる場面など、私は、毎度、唐突感があるように思ってしまいがちだったのですが、今回は、余韻を感じつつ読むことが出来ました。

 また、初めて読む巻のあたりは、自分としても大づかみしすぎだなと反省しつつ、既読の巻のあたりは、「このように取り出し、このようにまとめるのか」など、感嘆する部分もありました。
 現代語訳を全部読んでから、おさらいとして読むのも面白いかもしれません。

②コラムなど

 章の間にコラムがありました。あまり抜粋するのはまずいですが、私が「おおっ!」と思ったのは以下のところです。

夕顔がいた五条は庶民の町で、六条は郊外の高級別荘地という感覚だったようです。

81ページのコラムより抜粋。

 平安京の地図を目にすることはあったのですが、京都に住んだことのない私は、いつも「う〜む。」と唸る形で、こういった本書コラムのような解釈がついていると、大変嬉しいです。
 この部分だけでも「本書を読んでよかった」と思いました。そして、もう少し解説本など読んでみようと意欲が湧くことにも繋がりました。

③その他

 最後に、未読の玉鬘十帖や、宇治十帖の大枠を掴むことが出来ました。
 これまでも話に聞くことはあったので「噂には聞いていたが、このような展開なのか。」と思いつつ、読み進めました。それぞれ作品として、(本編といってよいかもありますが)本編とは、また一味違った雰囲気を感じます。これから読む楽しみが増えたと思って、また、荻原規子さんなど現代語訳を手にとってみたいです。

■最後に

 冒頭の画像は、「京都」で検索し、コノハ@写真と言葉さんの画像を使用させて頂きました。現代の京都です。ありがとうございました。
 いつか私も、京都に住んでみたいものです。

 本日は、以上です。

〈追加画像〉

『10分でおもしろい源氏物語』

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集