記事一覧
『クライマーズ・ハイ』に怒りを込めて
#読書の秋2022 『クライマーズ・ハイ』(横山秀夫 文藝春秋)を読み終えたとき、最初に沸き上がったのは怒りだった。 主人公「悠木」は地方新聞社の全権デスクとして…
拝啓 これから絶望と希望の境目に立つあなたへ
あなたは明後日、人生に一度しかない(間違いなく一度しかない)出来事を迎えるのでしょう。
あなたはその時どう思うのでしょうか。地獄の淵に立った?それとも希望の始まりを見た?どっちにしたって極楽ではないでしょう。ええ、わかっていますとも。あなたはそこまでポジティブではないし、生半可な選択はしないでしょう。
しかし、それを抱え込んではいけません。なぜって?それはこの先もずっと続くからです。絶望はその
ひとりぼっちのノスタル紀行 第二話
前回
でかい・・・
駅のホーム、左右に伸びているエスカレーター。不思議な形をしている天井。いくら日本の一大観光都市と言えど夏の、それも平日となれば、予想していたよりも人込みは少なかった。
建物を出て振り返る。快晴の空。その7割ほどを支配する巨大な建物。真ん中に堂々と描かれた「京都駅」の文字。
「あっつ・・・」
汗をぬぐいリュックから取り出した水を飲む。うまい。やはり水はアルプスのものに
雑記10(エキセントリックはつづく)
久々に書いてみようと思う。久々すぎてタイピングもおぼろげだ。
本当は全然書く気など起きていない。しかし、他に行き場所もないので、とりあえず書いてみることにする。
少しの間私は書いていなかった。ここに書いていなかったということは、当然他のことに力を注いでいたことになる。そう。確かにその通りである。
はっきり言って、ここしばらく劇的な出来事は起きていない。しかし、緩やかに、おだやかに生活は変化して
ひとりぼっちのノスタル紀行 第一話
天気の中でどれが好きかと言ったら、私は断然曇りだ。晴れている日ももちろん好きだが、ときどき怖くなる。青空はどこまでも広がっていて、世界がどこまでもつながっている気がする。その雄大さは、私の手に負えるものではない。だから怖い。
その点曇りはいい。世界が小さなジオラマになったようだ。箱の中にギュッと閉じ込められているような感覚。
こうして朝からのバイトで大失敗した帰り道でも、青空は嫌味なくらい広が
なんでNOTEを書くのか(第四版)
前回までの記事
(2023年2月7日)
最近、自分のNOTEを見返して気づきました。まずはこちらのマガジンをご覧ください。
こちら二つは、自分の運営しているマガジンになります。上がコトバについて書いた記事です。NOTEを始めたとき、書きたかった記事はこっちになります。
したのマガジンは絵空事です。これは創作したものをまとめています。これは割と最近になって書き始めました。
・・・が、
いまさらアレを読んでみる『ジキルとハイド』編
さて、今回は二重人格小説の傑作『ジキルとハイド』(ロバート・L・スティーブンソン著 新潮文庫)を読んでみました。
ド頭からいきなり重大なネタバレをしてしまいました。実際小説の中でも終盤犯人の告白として解離性同一性障害が明らかになります。もっともこの本の場合、いわゆる解離性同一性障害とは少し違うのですが。
まあ、この本はそのジャンルの傑作として有名になっていますから、きっとこの本をご存じの方はそ