いうえお
「ノスタルジック研究」から派生して、長めのお話を書いてみました。
なんの展開もない。なんの関係性もない。そんな雑記。
フィクションの話をまとめました。
私はオカルト研究会の一員として、森の奥深くにある洋館へと向かった・・・
ちょっと試してみたくなったことを集めました。
天気の中でどれが好きかと言ったら、私は断然曇りだ。晴れている日ももちろん好きだが、ときどき怖くなる。青空はどこまでも広がっていて、世界がどこまでもつながっている気がする。その雄大さは、私の手に負えるものではない。だから怖い。 その点曇りはいい。世界が小さなジオラマになったようだ。箱の中にギュッと閉じ込められているような感覚。 こうして朝からのバイトで大失敗した帰り道でも、青空は嫌味なくらい広がっている。道行く人は、それぞれの事情を抱えて歩いている。私の失敗や憂鬱なんて知っ
あなたは明後日、人生に一度しかない(間違いなく一度しかない)出来事を迎えるのでしょう。 あなたはその時どう思うのでしょうか。地獄の淵に立った?それとも希望の始まりを見た?どっちにしたって極楽ではないでしょう。ええ、わかっていますとも。あなたはそこまでポジティブではないし、生半可な選択はしないでしょう。 しかし、それを抱え込んではいけません。なぜって?それはこの先もずっと続くからです。絶望はその存在を否定するより深い絶望と出会い、希望はこの先も届くことのない希望であり続けま
前回 でかい・・・ 駅のホーム、左右に伸びているエスカレーター。不思議な形をしている天井。いくら日本の一大観光都市と言えど夏の、それも平日となれば、予想していたよりも人込みは少なかった。 建物を出て振り返る。快晴の空。その7割ほどを支配する巨大な建物。真ん中に堂々と描かれた「京都駅」の文字。 「あっつ・・・」 汗をぬぐいリュックから取り出した水を飲む。うまい。やはり水はアルプスのものに限る。 ひとりぼっちのノスタル紀行を決意した日、私の目に留まったのは京都であっ
久々に書いてみようと思う。久々すぎてタイピングもおぼろげだ。 本当は全然書く気など起きていない。しかし、他に行き場所もないので、とりあえず書いてみることにする。 少しの間私は書いていなかった。ここに書いていなかったということは、当然他のことに力を注いでいたことになる。そう。確かにその通りである。 はっきり言って、ここしばらく劇的な出来事は起きていない。しかし、緩やかに、おだやかに生活は変化している。これまで別世界だと思っていたものが、ゆっくり私の人生に入り込んできている。
博人はパソコンの整理をしていた。なにかきっかけがあったわけではないのだが、予定のないゴールデンウイークを埋めようとやることを探した結果、パソコンの整理にたどり着いたのである。 クラウドストレージを開く、一覧で表示される膨大な量のファイル。博人はファイルに細かく分ける癖があった。 さて、と腕まくりしたところで一つのファイルが目に入った。 「大学」 開くと2つのメモが入っていた。一つ目のメモを開く。 【 最初は何となくスタートしていたと思う。広大なキャンパスの中に人がご
市内にある山の頂上には、奇妙な洋館がある。人の気配はしないのだが、妙にきれいな扉などは、人以外の何かがいるようにも思えた。 私は、その洋館が妙に気になっていた。そのおり、オカルト研究会の次のターゲットが件の洋館になった。その調査員にもれなく私・・・のみが選ばれた。 ドアを開ける。中に入ると最奥に続く長い廊下の左右に、部屋が二つづ並んでいた。 各部屋の前には表札が立てかけてある。右手前の部屋の表札を見ると「1」と書かれている。左手前の部屋は「2」だ。おそらく、その他の部屋
こんにちは。すこし不安定ですが始めていきましょう。ある程度安定した変化が観測できるかと思います。 10:08 N1 ぢううつ ぜろよけそきうにがと ひぜきすう ちうなれぢに どやにい ぴゅなかやうてうちはぎ さろにがぢやは さろぎらもとうれたさはいにち ざけわえしが らめまえや やつわがちうほがぢこば きけまえひたはにがびうや ちうほがにがぢら 10:58 N2 みる むつまぎくせつ ばゆ まぎくひびおえふ くんれぬえは むかひぐりやなろへにふ ぐぎぶわぶ りやなえろ
こちら、とあるお題に向けて書いていたのですが、間に合いませんでした・・・今度から、ちゃんと期限を確認します・・・ただ、このまま葬り去るのももったいないので、書き上げてそっとあげておきます。 コロナ禍に入り、アルコール消毒を使う機会が増えました。帰宅後はよく手を洗います。 そのせいか、変な潔癖症になってしまいました。へやのほこりとかは気にならないのに、人の触ったものとかは気になるのです。まあ、さすがに触れないほどではないのですが、定期的に手を洗いたくなってしまいます。 こ
前回までの記事 (2023年2月7日) 最近、自分のNOTEを見返して気づきました。まずはこちらのマガジンをご覧ください。 こちら二つは、自分の運営しているマガジンになります。上がコトバについて書いた記事です。NOTEを始めたとき、書きたかった記事はこっちになります。 したのマガジンは絵空事です。これは創作したものをまとめています。これは割と最近になって書き始めました。 ・・・が、なんとこのマガジンに収録されている本数。「コトバの話」が15本、対して「絵空事」
前回までの一筆書きエッセイ やります。 「一筆書きエッセイ」ルールは以下の通り ①お題に合わせて書いてみる ②時間は5分間 ③一切文字を消去してはいけない 今回のお題は「手袋」 以下本文 さきん手袋をつける機会が増えた。もちろんサム体。しかし、手袋はどうも好きになれない。手にまとわりついている感じがする。 じゃあ、手袋をつけなければいい。そうだ、そうなのだけど。どうしても必要なのだ。いや、どうしても必要なわけでもない。「ほぼ」どうしても必要なのだ。こういう物って結
「うーん・・・」 「『あなたはまるでモナリザのように』・・・いや、こんな陳腐なことは言えないか・・・」 健四郎は机に突っ伏していた。夏の日差しが彼の右腕を輝かせる。 小説家が何をもって小説家と名乗っているのか。それはたぶん、本が売れたかどうかだ。アナログでもデジタルでも、とにかく自分の紡いだコトバが誰かの欲求に届いたのならば、そしてそれがお金へと変化したならば、その瞬間そいつは小説家といえるだろう。 小説家は多くの人が使える言葉から金を生み出すのである。小説家が使う言葉は
雨の中、先輩は独り歌っていた。 毎年夏に行われるバンドサークルの合宿。いつもは宿舎についているプールや山でカブトムシ取りなんかをするのだが、この雨ではどうしようもない。ゲームをする者、自分のベッドで動画を見る者、トランプをワイワイ見る者などさまざまだ。 曲がりなりにもバンドサークルなので、当然スタジオで練習する者もいる。スタジオは事前予約制だ。そして、ほとんどのスタジオにガラス窓がついており、中が見えるようになっている。 オマケにそのスタジオ付き宿舎は結構年季が入っていて、
いきさつは覚えてないが、子供たちを集めてカードゲーム大会をすることになった。私は8歳の子供と妻と一緒に友人の家へと向かった。 どうやら私たちは最後に到着したようだ。妻と友人の妻が会話をしている。 「あれ、ご主人はどうされたんですか?」 「ああ、うちの夫は自室にこもっています。ほら・・・いつもの・・・」 「ああ、そうですか・・・」 友人は職業作家を営んでいる。しかもいわゆるノンフィクション作家で、未解決事件などを題材に書いている。 しかし、警察が解決できなかった問題
最近美容院に行きだした。元々は近所の床屋に行っていたが、そろそろおしゃれをした方がいいだろうということになりはるばる東京へ髪を切りに行っている。 結果から言えばなかなかいい感じの髪形になった。これならもっと早くいけばよかったと思う。 いつもそうだ。毎度毎度考えれば絶対にやるべきなのに変なためらいが生じる。そしてあり得ない遅さでやりだして、そののんびり具合に後悔する。やるのは遅い癖に後悔は早い。 ただ、一点だけ問題がある。元々通っていた床屋だ。その床屋はご主人一人で営んで
さて、今回は二重人格小説の傑作『ジキルとハイド』(ロバート・L・スティーブンソン著 新潮文庫)を読んでみました。 ド頭からいきなり重大なネタバレをしてしまいました。実際小説の中でも終盤犯人の告白として解離性同一性障害が明らかになります。もっともこの本の場合、いわゆる解離性同一性障害とは少し違うのですが。 まあ、この本はそのジャンルの傑作として有名になっていますから、きっとこの本をご存じの方はそれもセットで知識になっているでしょう。(実際新潮文庫の背表紙には思いっきり書かれ
#読書の秋2022 『クライマーズ・ハイ』(横山秀夫 文藝春秋)を読み終えたとき、最初に沸き上がったのは怒りだった。 主人公「悠木」は地方新聞社の全権デスクとして「日航機墜落事故」に取り組んでいく。 その中で主人公は二つの側面を見せる。 一つは周りに反対されても決行する決断力。もう一つは、直前でやめてしまう臆病さ。どちらも周りの人を巻き込み大事になっていく。 自分はこの主人公にたまらなく怒りを覚えた。なぜそこでやめるんだ。小説の主人公とは思えないその精神的弱さ。そして