お財布の味方「イタリア風ひよこ豆のサラダ」のビーガン風アレンジ
イタリアではひよこ豆をこんな風に調理したものを「ひよこ豆のサラダ」と呼びます。
でもイタリアではサラダはセコンド=メインの後に頂きますが、これは前菜に向く一品です。
日本でならお酒のおつまみにも良いでしょう。
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最近私の身の回りにもビーガンが何人かいてメニューに頭を痛めることが時々あります。
招待する人が食べられないと分かってるものをまさか出すわけにはいきません。
私自身はビーガンでもヴェジタリアンでもありませんが、子供の頃からのお豆好きと合わせて、地球環境のこと、また動物の飼育環境などを考え過ぎることもあり、近年日常にはお肉の代わりのタンパク質源にお豆料理が増えて来ました。
一方経済面では昨年からの物価の急上昇。
私の住んでいるミラノはそれでなくてもイタリアで最も物価の高い町。
1年で必要不可欠な食品が20%から100%急騰しました。
イタリア伝統の「ひよこ豆のサラダ」は本来、ひよこ豆、ツナ、チポロッティと呼ばれる小葱(?)で作るものですが、ツナも30ー40%くらい値上がりし、スーパーの棚に手を伸ばすのを躊躇することもしばしば。
ウクライナの戦争の影響のエネルギー危機などで生産コストの上昇によるやむを得ない値上げは仕方ないと思うのですが、イタリアは通貨がリラだった時代に「儲かった気分」になるために毎年1月になると「年間値上げ」と何の理由もなく物価が上がり、定期的に通貨を暴落させて外貨とのバランスの帳尻を合わせてきた国。
2002年にユーロ通貨が導入されて通貨を暴落させられなくなってもそのメンタリティーは消えることなく、何か口実を見つけては搾取的便乗値上げをする輩が多いのです。
このレシピはそんな輩にぼったくられるのは嫌だ!というささやかな消費者の抵抗でアレンジしたお豆料理で、ツナの代わりにドライトマトを使ったお財布の強い味方です。
チポリーナ草はベランダで育てているので一人前30セント弱=50円弱で出来ます。
ちなみに物価上昇の例を挙げると、ミラノの公共交通機関の初乗りは1989年には800リラでした。つまり今の40セントユーロ。
現在の初乗り料金は2.20ユーロ 34年間でとはいえ550%になっていることになります。
比較にならないほど市内を地下鉄が網羅しているパリが1.90ユーロなのに何でミラノが2.20ユーロなの?!しかも来年また値上げをするとかしないとか。。。もう、やんなっちゃいます。。。
では経済的で美味しく、
ビーガンの友達にも出せ、
ツナより色のコントラストが綺麗なドライトマトを使った、
「イタリア風ひよこ豆のサラダ」のビーガン風アレンジです。
味は伝統的なツナのものと比較し 「良い勝負」という感じ。
<材料> 2人分
・乾燥ひよこ豆 100 g 既に茹でてあるものを使う場合は
・オイル漬けドライトマト 5-6切れ
*ドライトマトは既にオイル漬けになっているものもありますが、私はドライトマトから作り置いておきます。
方法はレシピの後に簡単に追記します。今度作るときにちゃんと写真入りで掲載しますね。
・チポリーナ草(玉ねぎ草) 数本
・チポロッティを使うなら1、2本
*チポリーナ草、チポロッティなど他イタリアの一般的な長ネギの種類はブログのこちらのリンクをご覧ください。
https://cucina-kajorica.blogspot.com/2023/11/blog-post_29.html
<調味料>
・エキストラヴァージンオリーブオイル
・塩は少々 ドライトマトがしょっぱいので注意して加減します。
<作り方>
1・ひよこ豆は水から茹でて沸騰したらスープ用の魔法瓶に移し蓋を閉めます。
食事の2、3時間前で大丈夫。優秀な日本製品のスープジャーを愛用。
*・ひよこ豆の下準備は、イタリア料理では通常前の晩から12時間水に漬け2時間煮るというのがスタンダードです。が、スープジャーを使うと2、3時間前でちょうど良い歯応えのひよこ豆が出来上がります。エネルギーの節約にもなります。
2・ひよこ豆が柔らかくなったらオイル漬けドライトマトを適当な大きさに切ります。
3・チポリーナ草もドライトマトの長辺くらいの長さに切ります。
4・1、2、3を混ぜて、エキストラヴァージンオリーブオイルとお塩で調味します。
*・ドライトマトがしょっぱいので塩を入れすぎないよう注意。
器はアールデコ期のバカラのエクセルジオールを選びました。
現物を見るととてもグレード感のある良い品なのですが、写真では良さが伝わりにくいのかあまり動きの良くないアイテムなのです。。。
エクセルジオールのガレリアカジョリカのブログリンクはこちら。
http://galleria-kajorica.blogspot.com/2018/01/baccarat-excelsior.html
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<ドライトマトの戻し方>
ドライトマトは我が家の下に週二回立つマルシェでこんな感じで売られています。
これは私のお気に入り屋台。
珍しいドライプチトマトがあるだけでなく、とても美味しいオリーブや干し鱈なども揃えています。
干し鱈などは、わざわざ市外から買いに来る人もいるほど。
このドライトマトの戻し方はこの夫婦経営の屋台の奥さんに教わりました。
1・小さめの鍋に
・・水2:白ワインビネガー1 を沸騰させます。
・・量は戻すドライトマトが浸る程度。
2・1が沸騰したら火を止めドライトマトを入れ5分待ちます。
(*ドライプチトマトの場合は1分で十分。)
*火を止めドライトマトを入れるというのがポイントです。
多くのお料理の本には1に乾燥トマトを入れ5分煮込むと書かれてありますが、これでは風味を壊します。ドライトマトは「煮ない」こと。
沸騰した水と白ワインビネガーの火を止めてから入れるのが重要。
3・2をザルにあげ重ならないようにして乾かします。
*水が残っているとオイルに漬けた後色が黒ずんでしまいます。
4・3の水が十分に切れたらオリーブオイルに漬け込みます。
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