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コロナに想う~時代に左右されない本質的なスキルセット•マインドセットとは?

このノートの背景

VUCAと呼ばれる混沌とし、変化の激しい世の中の到来が叫ばれて久しいが、その変化がコロナ禍で加速しているように思える。どんなに変化が起ころうと特に経営においてはその時々で正しく考え、正しい答えを見出し、生きていかなければいけない。そんな不確かで右に行くのか左に行くのかも分からない世の中だからこそ、時代に左右されない本質的なマインドセットスキルセットとは何かを考えるいい機会だと考え、本ノートを作成した。
その結果、(あくまでこのタイミングでの考えとして)“好奇心×知性×{構造化×(図解化 and/or 言語化)}×継続力”が時代に左右されないスキルセット•マインドセットだという考えに至った。

①正しい答えとは

結論からすると世の中に正解はない。だから自分で答えを考えなければいけない。自分なりに考え続け、答えを追い求めることが重要で、その答えが正しいかは周りが結果をもって判断してくれる。ただし正解は多数決の先にはない。だから自分にとって正しく考え、答え合わせを助けてくれるメンターを持つべきである。

②重要なのは”知識”ではなく”知性”である

正しい(と考えられる)答えを出すのに必要なのは知識ではなく知性である。知性は”知識”と”理性”の掛け算でありどちらとも掛けてはいけないものである。知識だけの判断は周りの共感を得ないし、理性だけの判断は正しい事実に基づかないことが多い

◆理性には相手のことを“思いやる心(EQ”)と正しい(と思うこと)をつらき続ける“義を貫く”継続力が欠かせない。何事も1人では成し遂げられないが、理性や義のないところに共感は生まれない。

◆知識があれば正しい解を考えられるのわけではないとはいえ、知識に基づかない考えは局所的で近視眼的な判断を生みがちであることから、質の良い解を生み出すためには、質の良いインプット(知識)が絶対的に不可欠であることも事実だと考える。ただし知識にはその時々で必要となる”時代が必要とする知識”と”古今東西不変の知識”がある。夫々を理解しバランスよく身につけることが重要である

(時代が必要とする知識)
前者の知識は移ろいゆくものであるからこそ、一時的にその時に必要な知識を身につけてそのおかげで成功したとしても、その知識にあぐらをかいているとあっという間に過去の栄光へと成り下がってしまう。しかも新たな知識は多くの場合、背後に土台となる複数の知識から成り立っている。気づいたときにはキャッチアップが非常に難しくなるからこそ、継続的に学び続けなければならない。また時代に求められる知識は時と共に変化し、いつかの時代の白が次の時代で黒になるようなものである一方で社会構造などマクロの変化を捉えた知識のいくつかは後者の古今東西必要となる知識になっていく。時代を生き抜くためには時代が必要とする知識を身に付ける必要はあるが、時間は有限だからこそ、鳥の視点を持ちながら身につけるべき知識を吟味することが重要である。

(古今東西不変の知識)
後者の知識を身につけるには古くから伝わる古書、歴史書、哲学書、文化書などを読むことが良い。ビジネスにおいても長年にわたり支持されている良書と呼ばれるものを読むことが重要である。それらの本は”倫理学・心理学・哲学”など人間の本質を捉えたものが多く、かつ前者(現代が求める知識)の源流になっているものも多い。100年以上も前から受け継がれて来ているものはここ数年で変わるようなものではなく、これからを生きるためにも必要な知識であると考えられる。ドイツの宰相ビスマルクの「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」という言葉はこの後者の知識の重要性を捉えた秀逸な言葉だと感じる

③伝える力~構造化力、言語化力、図解化力

正しく考えた内容は正しく周囲に伝えて、共感の輪を広げていく必要がある。その際に必要となるのが構造化力、言語化力、図解化力である。

まず重要なのが物事を構造化して考えることである。構造化は膨大な洋服を夏物・冬物というカテゴリや、シャツ・ボトムスなどのカテゴリごとに分類し洋服ダンスにしまっていくのと同じく、様々な知識・経験を整理し、必要な時にすぐに取り出せるようにするために不可欠な能力である。特に抽象性や複雑性の高い内容において、構造化し理解することは言語化・図解化の前提となる能力であると考える。

そして構造化したのち、相手に口頭でコミュニケーションをする際には構造化したものを言葉にして伝える”言語化力”、書面やスライドなどど可視化して伝える際には”図解化力”が必要になる。言語化力においては左脳的に理解をしてもらうために論理だって簡潔に伝えていく力に加えて、そのトピックの意義、理由、価値を伝え右脳的に理解してもらうためのストーリー力が不可欠である。一方で特に複雑性や抽象性が高いトピックにおいては言語コミュニケーションだけでは全体像が伝わりづらいため図解化し可視化することが重要である。それにより議論が宙に浮いたり議論を本題からずれることなく理解してもらうことが出来る。

④入り口と出口としての”好奇心”と”継続力”

 そして何よりも不可欠なことは“好奇心”と“継続力”である。そもそも好奇心がなければ”正しい答え”を探す旅に出ることすらできないし、継続力がなければ旅の目的地にたどり着くことが出来ない。
まず新しいこと、特に自分の知らないことに対して“なぜ?”という好奇心を持つことがすべての出発点である。”知の探索(Exploration)”も“知の深化(Exploitation)”も好奇心が出発点となる。前者は自分の専門分野外の知らないことに対する好奇心“why”が出発点であるし、後者は自分の専門分野における好奇心”why”から始まる。また構造化すること際にも“なぜなぜ”を繰り返すことで物事の因果関係の整理や真理にたどり着くことが出来る。
また同時に答えを探す旅に出たとしても、何事も一朝一夕では成し遂げられないため、荒波の中でもオールを漕ぎ続ける継続力が不可欠である。グリット(やり切る力)という言葉が一時期流行ったが、必ず何かに取り組めば何かしらの壁にぶつかる(逆にいうと壁にぶつからない取り組みは既に誰かやっているし、陳腐化されている)。壁に直面した際に、自分の好奇心を拠り所に壁にハンマーを振り下ろし続けられなければ、どんなにいい知性があっても、構造化、言語化、図解化が出来ても、実現にはたどり着かない

⑤まとめ

上記の考えから、(あくまでこのタイミングでの考えとして)“好奇心×知性×{構造化×(図解化 and/or 言語化)}×継続力”が不安定な時代だからこそ必要となる、時代に左右されないスキルセット•マインドセットだという考えに至った。ここで重要なことはすべてのファクターが掛け算でつながっており、一つが0だとすべてがゼロになるということである。日々これらのスキル・マインドを意識して生活・自己研鑽していくことが今後の世の中で生き残るためには不可欠であると考える。

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