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かぼちゃ種オイルの発毛効果を示した臨床研究

ハロウィンの季節ですが、ハロウィンといえばカボチャですよね。
今回はカボチャに関連して、カボチャの種から抽出されるオイルが、男性型脱毛症(AGA)に対する発毛効果を報告した臨床研究を紹介します。
カボチャの種のオイルに、AGAの原因である5αリダクターゼを阻害する成分が含まれていて、実際にAGAに対する治療効果があることが臨床研究で示されています。

紹介論文

Effect of pumpkin seed oil on hair growth in men with androgenetic alopecia: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24864154/

かぼちゃ種オイルとは

その名のとおり、かぼちゃの種から抽出されるオイルです。

かぼちゃそのものも栄養素が豊富ですが、種もビタミンEやβカロテンなど、美容に良い成分が豊富なため、美容やアンチエイジングの分野で最近注目されています。

ナッツのような香ばしい香りや風味が特徴で、サラダなどのドレッシングや風味付けに使われることが多く、普通に調味料として美味しいようです。

かぼちゃ種オイルは、男性ホルモンを産生する5α-リダクターゼを阻害する

かぼちゃ種オイルには、植物性ステロールという成分が多く含まれています。
植物性ステロールは、男性型脱毛症(AGA)や前立腺肥大症の原因となる、5α-リダクターゼという酵素を阻害する作用を持つことがわかっています。

5α-リダクターゼは、男性ホルモンであるテストステロンを、より強力な活性をもつジヒドロテストステロンに変換する酵素で、この酵素の働きが活発だと男性ホルモンが多く産生され、AGAや前立腺肥大症が進行していきます。

この酵素の働きを抑える薬として、フィナステリドという薬がありますが、医薬品であるため、常に副作用にも注意しなければなりません。

薬ではなく、自然の食品で、5α-リダクターゼの働きを抑えることができれば、より安全にAGAや前立腺肥大症を治療できるかもしれません。

かぼちゃ種オイルのAGAへの有効性を示した臨床研究

今回紹介する研究は、韓国で行われた臨床研究で、下記のような概要で実施されています。

・ランダム化2重盲検プラセボ対照比較試験
・76名のAGAを持つ男性患者を対象
・かぼちゃ種オイル400mg投与群(37名)と、プラセボ群(39名)に割付
・24週間(6ヶ月間)にわたって毎日摂取
・評価項目は、髪の成長度(医療者による観察、患者自身の評価、髪の強度、髪の数、から評価)

かぼちゃ種オイルを24週間投与した結果、

プラセボ群に比べて、かぼちゃ種オイル群で、実際に髪の本数が統計学的に有意差を持って増えていることが示されています。

投与開始前に比べて、約40%、髪の本数が増えたという結果が示されています。

また、患者自身の評価と満足度も、プラセボ群に対してかぼちゃ種オイル群で有意に高いこと報告されています。

なお副作用について、両群で明確な差はありませんでした。

よってかぼちゃ種オイルは、実際にAGAへの治療に有用であることがこの研究から示唆されます。

まとめ

✅ かぼちゃ種オイルに含まれる植物性ステロールが、5α-リダクターゼを阻害する
✅ かぼちゃ種オイルは、実際に臨床研究でAGAへの有効性が示されている

以前も、ノコギリヤシのAGAへの有効性を示した研究を紹介しました。

ただ、まだまだこういった自然食品やサプリメントの効果を実際に検証した研究は少ないので、エビデンスとしてしっかり確立されるためにも、今後も臨床研究報告がもっと出てきて欲しいところです。

以前ご紹介したノコギリヤシのAGAへの有効性を検証した研究の紹介記事はこちら↓



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