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かどみなかずき
2024年1月31日 19:56
詩です。わたしがこのように筆を執ることは後にも先にもこれきりになるだろう。わたしはおまえに独立心を強く持ってほしいので、口うるさく言うことはせずに、思うところがあっても我慢してきたが、とうとう限界がきたのでここに書くことにする。今わたしたちが当然のように立っている森は、元々荒涼とした大地だったのだ。ハリガネのような木や地を這うように生えた土気色の草が点在しているだけの場所だったのだ
2024年1月28日 17:53
詩です。ボードレールを読んで待ってるあなたわたしも片手で読めるように練習した川崎駅の時計台は七時半を指している針の隙間が45度西の空が穿たれて、解き放たれた太陽光線上げられないヴェールが、血が滲んでいくようにオレンジに染まる青空と橙雲で一足先にインディゴになった部屋でたぶん読み飛ばしてしまった物語があった天国のような浮遊庭園から流れ落ちてくる滝虹、虹、環状虹の向こうに見える
2024年1月24日 17:01
詩です「辛」いことに「一」つ加わると「幸」せになるという話を笑ったことがありますなんでも笑いにした方がカッコイイという怪異がよっつの、ワックスで固めた頭を支配していました心臓は疑問を感じて、立ち止まろうとしていましたが、行動を決めているのは頭でした 寝て起きる、寝て起きる、寝て起きる海と街とこいびと達にオレンジ色のタオルケットをかけて寝て、洗いざらしの真っ白でふわふわな雲海の
2024年1月23日 16:57
詩です。あたし、あげは蝶空気の中で氷の破片がイルミネーションみたいに整列していた冬ではなくなってようやくできるようになった遠足で、蜘蛛の巣に掛かった胴体は黒いけど脚は焦げすぎた焦げ茶みたいなんだな排泄物みたいな彼の身体から出されるのは透明な糸x²-3x+2=(x-1)(x-2)みたいな純潔を利用したハンティング透明なものをキレイと言うのはやめませんか?キレイと思っても、それに
2024年1月20日 15:57
詩です。詩集を読んでいるとき、本を開いたまま、人間は文字を与えなかった音でも発音できるな、などと思い、天井の木目を見ていると宇宙から黒色透明の蜜が垂れてくることがある起き抜けのヒグマのようにのっそのっそ動いているが、進路は確実に私に向かっている私は≪女神のよだれ≫とメモに書く 月のクレーターのフチに バーバパパのお風呂用まくらを置いて、 脚を投げ出し横になっていると 地平
2024年1月13日 17:18
詩です。ただの詩です。太陽も月も星もはずかしがりで、すぐにぼくの背中に隠れちゃうんだよね、と海が言ったちゃんとおにいちゃんをやっている顔には水平線のかがやきのような、この世界のやぶれから射し込むこの世界に重なっている異世界の光があった歩けないところを道のように見せるところは、あの頃から変わってないね満開の桜を見て、ちゃんと同じことを繰り返してると安心してしまったとき、強風
2024年1月3日 16:45
詩です。12月29日から30日にかけての一年が限界まで沈殿して底冷えする夜、キンキンに冷えたタオルケットを身体に巻きつける歯のがちがちみたいに等間隔に鑿を打つ音は頭から離れることはなくなったペガサスみたいに想像上の音なのだけれど、たしかに頭蓋骨を削っているような、小さな呻き声で、その痛みと、ぼくは、義務でも野次馬でも運命でもなくただの生活として手を繋いでいた本棚と本棚に入りき