JUN Kanatsu

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なぜ良い戦略が利益に結びつかないのか ポール・レインワンド/チェザレ・メイナルディ|経営ノート

ちょっとスッキリするが、あまり好きではない 戦略と実行の溝 この本は、個人的には「まわりくどい」という読後感であった。結局、独自性のあるケイパビリティ(組織能力)を一貫性をもって日常業務に落とし込みなさい、と言っているだけだと思っている。それ以上のことは頭に入ってこなかったし、そのことをいろいろと言葉を変えて長々と説明しているように感じてしまった。なので、あまり好きではない。 私の読解力のなさと辛抱強く読み進められなかったことが原因だろうが、副題(原題)が結局は一番わか

    • 成功する日本企業には「共通の本質」がある ダイナミック・ケイパビリティの経営学 菊澤研宗|経営ノート

      すごくスッキリ、好き 取引コストと不条理 理論とは言えない議論は置いておいて、今個人的に最も研究したいのが、ダイナミック・ケイパビリティ理論である。このダイナミック・ケイパビリティこそ、不確実性の高い世の中を生き抜く術だと考えている。 ちょっと脱線。本を読んでいると、ごくまれに目の前の霧が晴れたように「そういうことだったのかっ!」となることがある。自分がモヤモヤしていることを、賢い人はとっくに解明しているということに気付かされる体験である。 今回、菊澤教授の本を読んで

      • プロフェッショナル経営参謀 杉田浩章|経営ノート

        フラット 経営参謀に必要なセンス 私は参謀になりたい。学生のころから、そう思っていた。なので、「参謀」と付く本を好みがちだ。この本も「参謀」という言葉に惹かれた。しかも、プロフェッショナルである。大好きな言葉が2つも入っているが、読後感はフラット。好き嫌いではない。 著者は「本書では、問題解決の手法を体系的に提示するわけではないし、参謀として成功するためのノウハウを紹介するわけでもない。」と冒頭に書いている。ただ個人的には、参謀として "こういうことに気を付けたらいいよ

        • DXの思考法 西山圭太/冨山和彦(解説)|経営ノート

          ものすごくモヤモヤするが、好き 脱自前主義 非常に難しいことがわかりやすく書かれている一冊。個人的な感覚では何となく理解でき、好きな議題だが、正直完全に腹落ちしていない。ものすごくモヤモヤしている。わかりやすく丁寧に書かれていることは間違いないので、これは私の理解の問題。完全に腹落ちするのは1年後かもしれないし、3年後かもしれない。 私はDX(デジタル・トランスフォーメーション)という流行り言葉がなくなればよいと思っている。今の時代DXは当たり前のことであって、これは目

        • なぜ良い戦略が利益に結びつかないのか ポール・レインワンド/チェザレ・メイナルディ|経営ノート

        • 成功する日本企業には「共通の本質」がある ダイナミック・ケイパビリティの経営学 菊澤研宗|経営ノート

        • プロフェッショナル経営参謀 杉田浩章|経営ノート

        • DXの思考法 西山圭太/冨山和彦(解説)|経営ノート

          グレート・リセット クラウス・シュワブ/ティエリ・マルレ|経営ノート

          スッキリするが好きでも嫌いでもない 希望のない恐怖はないし、恐怖のない希望もない(スピノザ) 2020年に読んだ本の中で、最も影響を受けた一冊である。初版(英語版)が発行されたのが、2020年7月。翻訳版の第1版1刷が、2020年10月。そして私が読んだのが、2020年12月。 この本を読んで2020年の私の心に残ったことは、次の3つ。 このパンデミック(COVID-19の世界的流行)の影響は2022年まで続く 元には戻らず、「新しい日常(ニューノーマル)」が形作ら

          グレート・リセット クラウス・シュワブ/ティエリ・マルレ|経営ノート

          参謀の思考法 荒川詔四|経営ノート

          ちょっとだけモヤモヤする好き 原理原則。 世の中、「なんでこんなことしちゃったんだろう?」と思う企業の不祥事が多い。データ改ざん、不正会計、偽装、不適切販売などなど。だいたい、ウソと利己からくるものが多い気がする。企業として「ウソをつかない」という原理原則から逸脱している。 その原因ってどこにあるんだろう?と思うが、荒川さんはズバリこう言ってのける。 その通りだ。個人的な経験から、私は「トップのあり方が組織の行動に反映され、企業文化になっていく」と考えている。企業文化

          参謀の思考法 荒川詔四|経営ノート

          WHO YOU ARE ベン・ホロウィッツ|経営ノート

          モヤモヤしていたが、のちにスッキリして好き 企業文化に気をつけろ。なによりも文化が重要だ 転職を繰り返して複数の企業(7社)・組織に所属した経験から言えることは、まさに「企業文化に気をつけろ」である。どんなに有名な企業でも、どんなに給料がいい企業でも、ベンチャー企業でも… 企業文化と、自分が何を大切にしたいか「WHO YOU ARE」が違い過ぎると地獄だ。 企業文化に正解もなければ、完璧もない。「その時、どう行動するか?」の答えが企業文化というだけだ。失敗をした人間に対

          WHO YOU ARE ベン・ホロウィッツ|経営ノート

          トレイルブレイザー マーク・ベニオフ|経営ノート

          スッキリもしないがモヤモヤもしない好き ビジネスは世界を変える最良のプラットフォームである(Business is the greatest platform for change) この書籍で個人的に好きなのは、Part2 Business is the greatest platform for change の最後 #11 The activist CEO : Talking a stand is Not optional だ。一部の成功者(勝ち組)が、社会の格差や

          トレイルブレイザー マーク・ベニオフ|経営ノート

          コア・コンピタンス経営 ゲイリー・ハメル&C・K・プラハード|経営ノート

          モヤモヤ好き 未来を創造する 名著である。2001年に第1刷が発行されているが、まったく古くない。20年後の2021年、いまだに失われ続けている日本企業に向けた預言書のようだ。 未来の産業をつくり出さないリストラクチャリングを超えなきゃダメだよ、と当時のゲイリー・ハメル&C・K・プラハードと一條教授(訳者)は丁寧に警告していた。にもかかわらず、頭を使う必要がなく手軽で確実なリストラクチャリング・ダウンサイジング、リエンジニアリングを繰り返した結果、未来を創造できずに社員

          コア・コンピタンス経営 ゲイリー・ハメル&C・K・プラハード|経営ノート

          リーダーシップ論 ジョン・P・コッター|経営ノート

          モヤモヤ大好き 倫理観(Ethics) この書籍の根底に倫理観がリーダーシップには重大な意味をもつという考え方がある点が「大好き」ポイント。私が仕事をする上で最も大切にしているのがEthics(倫理観)とIntegrity(誠実さ、うそをつかない、正直)の2つ。 私は働く理由を一言で「世のため人のために仕事をする」と言っているが、その根底にはEthicsとIntegrityがある。儲かればいいと言う人もいるが、何をやってもいいのか?といつも考えている。 不正会計、粉飾

          リーダーシップ論 ジョン・P・コッター|経営ノート

          戦略参謀 稲田将人|経営ノート

          スッキリかなり好き 戦略は実践されて、はじめて価値がある 長く働いていると、この言葉が身にしみる。戦略を立てるのはもちろん難しく重要なのだが、本当に困難で戦略に価値が出てくるのが「実践」「実行」できるか否か。 おそらくこの著者は、"旧" 日本企業の暗部を実際に見てきたのであろう。私が働いたことのある "旧" 日本企業と、ストーリーに出てくる企業が体質的にほぼ同じ(リアル)だからそう考えている。 ちなみに私が言う "旧" 日本企業の定義は、一言でいえば「権力と恐怖によっ

          戦略参謀 稲田将人|経営ノート

          WHYから始めよ! サイモン・シネック|経営ノート

          スッキリ好き ゴールデン・サークル。人はあなたがそれをしているWHYを買う この本の結論は、すべてこの一行に集約していると考えている。簡単な一行のようで、非常に奥が深い。 人は明確なことの説明から始めて、不明瞭なことは説明をしないか後回しにする。結果として、大半の組織や人間が明確に説明できる自分のしていること(円の外側:WHAT)→ 明言が難しい自分がしていることの理由(円の内側:WHY)の順で考え、行動し、コミュニケーションをはかる。 しかし、傑出した存在になるには

          WHYから始めよ! サイモン・シネック|経営ノート

          企業参謀 大前研一|経営ノート

          スッキリ好き ものの本質を考える ものの本質を考える時の、問題に取り組む姿勢と方法は「設問のしかたを解決策志向的に行うこと」である。個人的には、正しい質問ができれば正しい答えの80%は出ていると考えている。 いろいろな組織や上司のもとで働いていると、この「設問のしかた」がいかに重要かがわかる。できる人間(つまり成果を出す人間)の設問のしかたはクリアだ。一方、できない人間(成果から遠い無駄な時間を人から平気で搾取する非生産的人間)の設問のしかたはザックリしている。 大前研

          企業参謀 大前研一|経営ノート

          経営者に贈る5つの質問 P.F.ドラッカー|経営ノート

          スッキリ大好き What is our Mission? 「世のため人のため」私が働いている理由は、この一点を実現するためである。そんな私にとって、ドラッカー師匠の次の一言はすごく納得ができる。 その通りである。個人的に、組織は世のため人のために動くとも解釈している。そうした組織にはミッションがあり、目的があり、存在理由がある。ミッションは簡潔なものしなければならない。また、大きくとらえなければならない。しかも、直ちに行動に結びつけられなければならない。何より、明確でな

          経営者に贈る5つの質問 P.F.ドラッカー|経営ノート

          戦略プロフェッショナル 三枝匡|経営ノート

          スッキリ好き 戦略は本当に実行可能か 立てられた事業戦略がいくら正論であっても、それを実行できなければ意味はない。意味がなければまだましで、有害になることもあるので厄介だ。私が好きで使っている言い回しに「正論が常に正しいとは限らない」という言葉がある。おかしな言い回しだが、自戒も込めて好きで使っている。 正論なので正しいことは大前提なのだが、そういう言い方をしたら理解はされないし、人の心を動かして行動に移すことはできないよ。だからその物言いは正しいとは限らないよ、という

          戦略プロフェッショナル 三枝匡|経営ノート

          マイケル・ポーターの競争戦略 ジョアン・マグレッタ|経営ノート

          スッキリ好き 戦略には選択が必要不可欠 まったくその通りで、これは決断するということにつながる。結局、何でもあり、AとBのどちらも行うという決定は決断ではない。決めることから逃げているに他ならない。 トレードオフが存在するところでは、両立はない。一方を選択すれば、他方は必ず排除されるか、損なわれる。これを理解した上で、腹をくくって一方を選択することが決断であり戦略であると考える。さらに言うと、これからはこのトレードオフを超えるトレードオンの考え方が求められるが、それは別

          マイケル・ポーターの競争戦略 ジョアン・マグレッタ|経営ノート