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外国人採用の法律・規制の理解③

 今日も日本国内で雇用するアジア人財の「海外での現地面接」を前提とした採用の法律・規制の理解を深めたいと思います。【2,292字】

 今日は現地面接時の対応を続けてみていきたいです。

 海外で現地面接を行い、又は、日本からWebでのオンライン面接を行い、海外から外国人労働者を日本国内で採用する場合、その場で、又は、その日中に、採用決定をしなければならない場合が多いです。

3.現地面接時の対応


   現地面接時の対応は、採用プロセスにおいて極めて重要なステップであり、候補者に対して雇用条件を明確に伝えることで、ミスマッチを防ぎ、双方にとって満足のいく雇用関係を築く基盤を作ることができます。

    特に、日本の文化や労働慣行に馴染みのない海外の候補者にとっては、雇用契約や労働条件に関する不安や疑問が多いことが予想されます。

   これらを解消し、候補者が興奮と期待と不安が交錯するなかで、安心して日本での生活や仕事に取り組めるようにすることが、現地面接の成功の鍵となります。

 まず、面接前に行うべき準備として、雇用契約書や雇用条件書の内容を候補者が理解できる言語に翻訳しておくことが不可欠です。

 特に、法律用語や専門的な表現が含まれる契約書は、誤解を生まないように正確に翻訳する必要があります。

 この翻訳作業は、採用面接の専門の翻訳者を起用することを推奨します。

 また、面接時に候補者が自分の言葉で質問できるようにするために、信頼できる母国語の通訳者を同席させることも重要です。面接時には通訳者の力量が大きく左右します。

 優秀な通訳者を介したコミュニケーションは、候補者に対して配慮しているという印象を与えると同時に、面接書がその場で何に着目して、何に気がつくか?大きく左右されることになります。

 面接者と候補者のお互いの信頼関係の構築にも貢献してくれる頼りになる存在です。

 面接当日には、雇用条件の詳細な説明を行うことが求められます。

 まず、賃金に関しては、基本給、各種手当、残業代の計算方法、ボーナスの支給基準や業績不振など無支給となるケースなどを具体的に説明します。

   さらに、賃金の支払い方法やタイミングについても詳細に説明することで、候補者が予期しないトラブルに巻き込まれないようにします。

 例えば、銀行口座の開設方法や、振込手数料の負担についても触れると良いでしょう。配属からの母国の家族に送金する場合の送金方法についても、具体的に説明をすることが必要です。

 労働時間については、年間カレンダーの説明、法定労働時間、残業の有無、シフト制の採用状況、配属する部署や工程、上司となる方、教員係りとなる方、メンターとなる方などを明確に伝えます。

 特に、時間外労働の取り扱い、割増し賃金の割増率や、深夜・休日勤務に関するルール、出勤時間や通勤の方法、寮や住む場所、日本語の勉強のためのセンターがあるのか?オンラインレッスンを受けた方が良いのか?などは候補者が予め理解しておくべき重要な要素です。

 また、休暇制度についても詳しく説明し、有給休暇の取得条件や長期休暇の取り扱いについても候補者の関心が高い部分なので、しっかりと理解を促します。

 重複する部分もありますが、福利厚生に関しては、健康保険や年金制度、交通費支給、住宅補助、食事補助など、具体的な内容を説明します。

 特に、住宅補助がある場合には、その具体的な額や条件を明示し、住居探しのサポートについても触れると候補者に安心感を与えることができます。

 また、健康保険に関しては、加入手続きやカバーされる医療費の範囲についても説明し、日本の医療制度への不安を軽減します。

 妊娠・出産・育児に関する権利も非常に重要なトピックです。妊娠中の休暇制度、出産時の休暇や産後の育児休業の制度、職場復帰後のサポート体制などを、具体的な事例や手続きと共に説明することで、将来のライフイベントに対する不安を取り除きます。

 候補者が男性である場合も親身になってこの妊娠・出産・育児について、どんな希望をもっているのか?も説明と質問を行うことが大切です。

 この際、候補者が家族を持っている場合には、家族の健康保険加入や日本での生活サポートについても説明を加えると良いでしょう。

 さらに、労働保険での災害保険や雇用保険、社会保険の仕組みや厚生年金の制度説明も解説が必要になる要素です。

 最後に、候補者からの質問を受け付ける時間を設けることが重要です。

 今日見てきた説明について、説明の途中、途中で、区切って、質問を求めることで、候補者が疑問に感じていること、課題となりそうなこと。

 それらの事柄を明確にできるのと、質問や受け答えの中で、人柄や考え方が理解出来ることが多く、採用決定するための大きな判断要素となる場合も多く出てきます。

 候補者が抱えている具体的な不安や疑問を解消し、より安心して日本での生活や仕事を始められるようにします。

 質問に対しては、可能な限り詳細かつ誠実に回答し、必要に応じて追加の資料を提供するなどの対応を行います。

 こうしたプロセスを経ることで、候補者が自分に合った職場環境かどうかを判断する手助けとなり、また、雇用主に対する信頼感も高まります。

 このように、現地面接においては、事前準備から当日の対応、さらにはアフターケアに至るまで、丁寧な対応が求められます。

 候補者が、日本での新しい生活を自信を持ってスタートでき、長期的に満足度の高い雇用関係を築くことができると思います。

 経営の業績向上にとって重要の準備がいかに大切かをここでも強く感じています。

【次回はこの流れからの入社時前後の対応についてみていきたいです】



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