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雑感

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楽譜

クラシックでは弾くべき音符はすべて楽譜に書いてあります。本番では楽譜を見ながら演奏します。『書いてある音符をどのように弾くか』が肝です。

ジャズスタンダードをセッションする場合、楽譜がないことが多いです。覚えてるメロディ、覚えてるコード進行、果てはイントロ、エンディングまで覚えてなくてはいけません。自由な音楽、とはいえクラシック奏者からすると意外と『暗黙の了解』が多いです。『どのように弾くか』も

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甲斐よしひろさんビルボードツアー。

甲斐よしひろさんビルボードツアー。

今年も無事終わりました。2015年から始まり2年目2016年から参加しておりますこのシリーズ、今年で10年目でした。ギター、フィドル、ウッドベースでアメリカントラッド、フォーク、ブルーグラス的な…という初期の感じから進化して、どんどん色んなカラーのものに挑戦しております。

今年のMCで「凄いことやってるのに、見合った反応が無い!」というお言葉がありましたが、そのあたりについて少々解説を。

件の

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【ベーシストだから気になる】誰が担当するのか問題

普段気にしてる人には「今更何を基本的なことを…」と言われるかも。気にならない人には「何が問題かわからん」と言われるかも。

ロック、ジャズ、ポップス、ミュージカル…挙げてみると殆どの音楽はベースラインを何か一つの楽器で担当します。エレキベースだったり、ウッドベースだったり、チューバだったり…同時には演奏しません。ギターの低音弦でユニゾンしたり、ピアノの左手で一緒に弾くことはありますが、「そういうア

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プロとして───

ザ・ファブル面白いですよね。

実はというかなんというか、私の妻もコントラバスを弾いてまして、主にクラシック畑、オーケストラで弾くことがほとんどなんですが、時々古楽なんかもやってます。

クラシックといっても色々あって、中でも現代音楽と古楽は全員が得意なわけではない分野です。私はクラシック界では割と現代曲をやる方でしたが(昔の話です)古楽はまるで縁がなく、もっぱら妻から伝え聞いて知っている程度です

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吹奏楽でポップスをやるときのエレキベース

もういいかな?先日雑誌に文章を掲載していただいたんですが、忖度なし無修正板をここに残しておきます。権利的に問題があれば削除致しますので、ご連絡ください。

吹奏楽のエレキベースのカッコいいところは、大編成のアンサンブルを、ドラムと 2人で支え、グルーヴさせられるところです。クラシック曲の場合、ドラマー(打楽器担当)とベーシスト(コントラバス担当)は舞台の両端に離れて居ます。その場所でポップスを弾く

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リズムの捉え方についての提言。

甲斐バンドの1977年リリース、『夕なぎ』のイントロのベースリフである。実際は最後の2音以外はオクターブ上かな? 初めて聞いた時に「オーディションかな?」と思ったぐらい、ベーシストとしての基礎能力が丸裸にされるフレーズだと思った。原典は最初から他の楽器も一緒に入ってくるが、私が演奏した回はドラムレスのアコースティック編成だったので、ベース単独で始まる。この4小節を聞けばもうそれだけで、ベーシストの

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呼び方多すぎ問題。

これは「エレキベース」です。

これは「コントラバス」です。

日本のジャズ・ポップス界では「ウッドベース」と呼ばれますが、楽器自体は同じです。イメージ的には、弓弾きが多い時は「コントラバス」。指弾きが多い時は「ウッドベース」と認識してます。

コントラバスをクラシック(オーケストラ)で使う時は、弦高を高めにして、サスティーンは短めの弦を貼ります。

ジャズで使う時はその逆で、弦高低めでサスティー

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ウッドベースの音

我々コントラバス奏者が普段聴いている音は生音だ。クラシックの世界では、コンサートホールのステージの上で弾き、大きなホールの空間に響いた音が、いわゆる「コントラバスの音」になる。家や学校の狭い練習室で聴く音は実は完成形ではなくて、オケやアンサンブルの中に混じって初めて自分の音となる。

デカイ会場では音は響きを纏う為、まろやかでふくよかに、エッジの部分が少なくなる。包み込むような低音だったり、ある程

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異業種放浪記。

以前クラシックだのポップスだのの記事を書いたが、今回はポップスの中でもこういう異業種があるんだよというお話。
ライブハウス、ミュージカル、スタジオミュージシャン、ツアーサポート。私がやってる業種はこの辺りだが、以下はあっちこっち行く私に向けられたネガティブな怨念の数々である。

今でこそ上記の四つ全てに跨って活動しているミュージシャンは少なくないけど、私がやり始めた10年ほど前は、まだまだ各所専業

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・クラシックとそれ以外、専門外の人が演奏する場合 ・指揮者と私

超長文。私よりも専門的にクラシックをやってる人は星の数ほどいれど、私よりも専門的にポップス、ジャズ、をやってる人は星の数ほどいれど、私ほどどっちの気持ちもわかる人は少ないのでは?と思い前々から思ってた事をつらつら書いてみます。少々乱暴ですが、例外を示しながら断定を避けているとまどろっこしいので、敢えての断定で参ります。

「クラシックもそれ以外も出来ます」という人は稀です。大きな要因の一つは、拍の

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コントラバスの五弦問題。

今をときめくアレンジャーの皆様、特に若い方々に申し上げたいことがあります。コントラバスの最低音はEです。Eより下が欲しい場合は事前にご連絡下さい。五弦のコントラバスというのがありますので、最低音はHになります。「じゃあ最初から五弦持って来いよ」と思われるかもしれませんが、五弦はデフォルトではなくオプショナルなものなのです。一番の理由は、我々が持ってる中で、全力でおすすめできる楽器は四弦だからです。

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なんのひと問題

「木村君てなんの人なの?」
久し振りに聞かれたなぁと。クラシック、ジャズ、スタジオミュージシャン、ミュージカル、ポップス、とか、色々やらせて貰えて幸せです。

こういう時、実情とは裏腹に『この人にはこう言っといた方が印象がいいのかな?』とか不埒な考えも頭をよぎるのですが、今回質問された方は実情を聞きたそうだったので、「以前はジャズのライブハウスばっかりやってましたが最近はスタジオで弦セクションやっ

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