【本紹介】本の紹介は、読む人と本とのマリアージュ!?
書評や本の紹介って
大切なのは、読みたい人と本との
完璧なマリアージュになる
手助けをすることですね?
定番な本の紹介は、
本の中身の解説と
作者の背景でしょうか。
例えば、私は先月、なぜか
急に戦国時代に日本に普及した
キリスト教に興味がでたんです。
それでパっと浮かんだのは、
遠藤周作の代表作『沈黙』。
これは小説ですね。
でも、遠藤さんには
歴史書的な本もあります。
『銃と十字架』。小学館。
これは一人の、ローマに行った
日本人司祭の生涯を書いた評伝。
もう少し当時の日本を歴史的に
観察し探求した本はないかな?
ありました!
イタリア美術の研究家・
若桑みどりが書いた
『クアトロ・ラガッツィ』も
評判はとても高い。
集英社文庫、上下巻。
大仏次郎賞にもなった
歴史的、ルポ的な読み物です。
名前の「クアトロ」は4人。
「ラガッツィ」は少年。
バチカンに渡る運命的な4人の
少年による「遣欧使節団」の話です。
これは本格的にキリシタンの
話が書いてあります。
でも、若桑さんは非常に文章が硬質で、
上から目線の推論も多い。
もう少し市民的な目線で
キリシタンを書いた本はないか?
ありました!
写真家でエッセイストの
星野博美さんが書いた
『みんな彗星を見ていた
私的キリシタン探訪記』
文春文庫。
これは「私的」とある。
星野さんの個人的見解と
個人的感覚で書いてあるから
とても読みやすい。
大きくものを言おうとする学者より
鋭い観察で自分の感覚を
大事にしながら書いているのは
エッセイストだからかな。
でも、キリシタンが渡来した時代、
なぜあんなにも大勢の日本人が
キリスト教を素直に受け入れ、
入信したか、どれだけ戦国時代、
庶民は苦しんでいたのかは、
やはり学者の若桑みどりが
一番丹念に調べていました。
なんといっても、
バチカンにある中世の書簡を
ラテン語で読んでいるのです。
それはエッセイストや作家では
できないでしょう…。
でも、ラテン語が読めるからって
説得力の高い本が書けるかは
別の問題なんですね。
上記の本はみな面白かったけれど、
自分が求めていた感覚には
微妙に合わない部分が
あったことも事実です。
当たり前ですね、あくまで
著者と私は他人ですから、
興味の広さ、深さ、細かさ、荒さは
みんな違う訳でして。
もし、目の前に
戦国時代のキリシタンについて
本を探してる人が現れたら、
私はどれを薦めればいいだろう?
こう感じた時、本の紹介って
実はとても難しいんだなと
思ってしまいました。
さっきの3人の本に関して
どんな風に内容を解説しても
著者プロフィールを紹介しても
読者と本との完璧な
マリアージュを成功させられるか?
私は一体、どんなポイントを
お伝えしたら、その記事を読む方は
一番喜ばれるんだろう?
まだまだ、本のことは
わからないことがいっぱいある。
はい、だから、これからも
ずっと傍に居たくなるわけですね。