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【承認欲求】人に必要とされることが大切、というのは本当か?

明けましておめでとうございます。

最近ハマっている本があります。
作家の川上未映子がテレビで
紹介していた
『子どものための哲学対話』
永井均。講談社文庫。

これがなかなか、
一気には読み進められません。
大事なことが、次々と
出てくるから。

なかでも、今のところ、
すごくカッコいいな、と
感激した箇所を引用します。


「ぼく:人間は自分のことをほんとうに
わかってくれる人がいなくては
生きていけないものなんだよ」
と、少年は言います。

すると、話相手の猫のペネトレから
こう言われます。
「ペネトレ:そんなことはないさ。
そんな人はいなくたって生きて
いけるさ。
それが人間が本来持っていた
強さじゃないかな。

ひとから理解されたり、
認められたり、必要とされたり
することが、いちばん大切なこと
だっていうのは、
いまの人間たちが共通に
信じこまされている、
まちがった信仰なんだ。」

私はこれ(文庫p68~69)を
読んだ時、うわ、スゲえな、
そうだったんだあ、と
圧倒されると同時に、
スマホやグーグルの、
デジタル機器のコマーシャルに
必ず染み込んでいる、
「絆」とか「繋がる」ことを
やたら賛美する気持ち悪さに
ついて、やっとその正体が
わかったような気になりました。

そうなんです。
ITやデジタル分野のコマーシャルは
やたら、孤独じゃないよ、
ということを謳いあげます。

でも、なんだか、
あざとさも感じるし、
ウソくささも感じてきました。

でも、その正体は
わからないままでした。
それがこの本で、
解明された気がしました。

人から認められたり、
必要とされたりするため、
逆に人はどんなに
生きづらく生きてきたかは、
自己肯定感とかが、
こんなに注目を浴びてきたかで
よくわかりますが、
それは、たかだか、
歴史的には数世紀の、
自意識過剰な心理によって
作りだされた不幸であり、
それは、
共通に信じこんできた、
間違った信仰だったのかあ?
と。

私はユーチューブなどで
何度も見ることになる
グーグルやアップルや
フェイスブックや
ソフトバンクの
コマーシャルが
どうもお尻がムズムズして、
酷い時には、吐き気がします。
みんながみんな、友人ごっこをし
エセ幸せにうっとりしてる。。。

一言でいえば、キモいんです。

でも、今の私たちは、
人に理解され、認められ、
必要とされることが何より
大切なこと、と信じている、
というか、
そういうことにしておこう、
とカッコ仮りで良しとしています。

この本の著者、永井均さんは
哲学専門の大学教授ですが、
この人の本をもっと読みたく
なりましたが、
なにせ、こうした文章が
何度も出てくるから、
一気読みとはいかない。

それにしても、
自己肯定感がないとか何とか
悩んでいる人には、
この本をオススメしたい。

人に理解され、必要とされるばかりが
人生じゃあないのでは???

そう、一度くらい、疑ってみる。
そんな価値観から自由になることは、
とても大切かもしれません。

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