Jun Takahashi

Jun Takahashi

最近の記事

そろり

1980年代、港区高樹町の小さなデザイン事務所で働いていたことがある。 美術大学の先生の個人事務所で、何かが始まりそうな怪しさの同居した、バブル前のザワザワした時代。 70年代終わりは、渋谷にパルコができ、ジャンジャンではユーミンがピアノの弾き語りをしていた。 事務所のある西麻布ではカフェバーブームの火付け役、レッドシューズがオープンしたのっが1981年。 デザイン事務所で働いていたが、絵を書くわけでなく、いわゆる開発提案へのリサーチ、構想、コンセプトを作ったり、提案、申請、

    • 伴走支援って、何?

      前回、地域の困っている、支えの必要な方々を支援する団体へ助成すること、を書いた。 今回は、渡す側の話。 助成金を渡すには、公正、客観的な手順=審査を経てお渡しする。 その前には、どのように困っているのか、どんな方々なのか。何人ぐらいの方が困っているのか? その課題を解決できる人や組織はあるのか? などを調べ、分析して、公募要領を作り、助成に結びつけていく。 助成金をお渡しすれば終了ではなく、より効果的に成果の上がる使いお方をしてもらうため、組織の基盤強化も含め、いろいろなサ

      • 助成金を渡すということ

        地域のコミュニティ財団として、困っている、苦しんでいる、支えの必要な人へ支援する活動へ資金を集める。 地べたを這いつくばって。 奔走して。頭を下げて。全力を尽くして。 嫌な思いをしても、死にものぐるいで。 ある意味、命がけて集めた、見つけた資金を渡す。 そこに、困っている人がいて、支えの必要な人がいて、そういう方々を守り、支えていく活動へ。 ところが、支えの必要な人々への有効な、温かな支援をしていても、 お金が終わったときの準備もし でも 助成金がなくなると、途端に活動をや

        • プログラムオフィサーという仕事

          数年前はあまり一般的でなかったプログラムオフィサーという職種。wikipediaでは、プログラムオフィサー(program officer, PO)とは、研究機関やシンクタンク、財団などにおいて、研究や助成のプログラムの企画立案、運営管理などを行う人のこと。とある。 簡単に言えば、助成財団において、寄付募集プログラム、助成プログラムを立ち上げ、運営し、助成後の事業進捗管理、資金管理、助成先への事業運営サポート、事業完了時の報告等のまとめを行う業務担当を指す。 その業務内容は多

          管理と創造

          10年間、助成事業をしてきた。 事業実施団体と一緒に寄付を集める協働事業はなかなか目標額に到達しないが、苦楽を共にする感がある。 原資がこちらにあって、分野や期間をこちらで想定し公募する助成事業は、原資づくり、探しから公募、審査、助成開始(資金提供)、事業進捗の管理、資金使用管理、伴走支援、終了時の精算、報告書作成指導、受理、監査。 と、多様なプロセスがあり、苦労も多い。そして、そこには、いわゆる性善説と性悪説が常にせめぎあいをしている。 応募要件は厳格、詳細に。 資金をも

          管理と創造

          意を決して

          公益財団法人であったとしても経営はついて回りる。 まして、少しでも多くの資金を地域の公益活動をする団体へお渡ししたい。 多分、少ない給料で頑張っているNPO等の活動団体への支援をする側とすると、自らの賃金体系も低めにならざるを得ない。 そうではいけない、通常の賃金をお渡しし、若い人たちがソーシャルな現場で働き、生きがいを持ち、結婚し、子育てできる職場にしなくては。 そう思いながら10年やってきた。 ここで、意を決して、若い人に来てもらいたい。 ある会計士は言った。 収益を上

          意を決して

          不管黑猫白猫,能捉到老鼠就是好猫

          「黒い猫でも白い猫でも鼠を捕るのが良い猫だ」 中国共産党の指導者鄧小平が発した有名な言葉。 この言葉から今の中国の経済発展があると言っても過言でない。 この言葉の意味と、私達が今している、寄附募集事業、助成事業と重なる。 つまり、お金に色はないのだから、多少グレーな事業をしている企業からでも寄附を貰えればそれでいい。 そのお金で困っている人が助かればそれでいい。 また 助成先の団体が言う。 多少、ガバナンス、コンプライアンスがしっかりできていなくても、困っている人たちを助

          不管黑猫白猫,能捉到老鼠就是好猫

          休眠預金イノベーション分野7つの事業

          これまで、休眠預金活用事業において、2019年度草の根分野の長野県内7事業、2020年度山梨県とのコンソーシアムでの5事業、2020年度新型コロナウイルス対応緊急枠20事業の軌跡を書いてきました。 今日は、2021年度イノベーション分野において、長野県みらい基金、長野県経営者協会、長野県労働者福祉協議会のコンソーシアムで受託し、今、事前評価最中の7事業を紹介します。 これまで、長野県みらい基金が取り組んできた草の根活動支援分野は、 地域のNPO等の活動を支援するものです。 イ

          休眠預金イノベーション分野7つの事業

          評価行脚②

          ちょうど2020年度開始の休眠事業が中間評価となる。 再三書いているように、休眠預金事業は評価を重視していて、評価がある意味国民の財産を使い、生まれた成果を説明する重要なツールとなっている。 中間評価は、3年間の事業の折り返し地点で、事業を振り返り、予定していた活動ができたか。それによって、3年間で生み出したい成果にどこまで近づけたか。うまくいかなかったところはどこか?その原因は? いろいろな視点でそれを測り、分析し、後半の事業へうまく行ったところは太く、と活かしたり、やり方

          評価行脚②

          休眠預金の評価3つ同時進行について

          前回でも書きましたが、休眠預金当活用事業では、社会的インパクト評価が必須となっている。3年間の事業では、開始時に事前j評価、折返しの1年半後に中間評価、終了時に事後評価、そしてまだ到達してませんが必要に応じての追跡評価がある。 今、長野県みらい基金では、2019年度通常枠7事業の事後評価の準備。2020年度甲信地域コンソーシアムでの5事業の中間評価実施、そして2021年イノベーション企画枠の7事業の事前評価に取り組んでいる。 3つの評価が同時進行、長野県内を東へ西へ、北へ南へ

          休眠預金の評価3つ同時進行について

          評価行脚①

          2020年度の休眠預金事業は、山梨県と長野県のコンソーシアムで申請、5つの事業が始まってはや一年。 以前noteにも書きました。 休眠預金では、評価(社会的インパクト評価)を重視しています。やらされ感、上から目線ぽい感じのある“評価”ですが、評価は意識して行うと、事業改善、事業の広報、スタッフや関係者の事業の理解促進に役立つと私は思っています。 休眠預金では、事前評価、中間評価、事後評価と3年間の事業では初年度契約終了時(本当は契約前、事業計画、予算計画確定時がいいが実務的

          信州コンソーシアム イノベーション企画支援事業公募内定事業のご紹介①

          正確には長野県休眠預金等活用コンソーシアムなのですが、通称信州コンソと呼んでいます。その2021年度(実施は2022年6月より2025年3月)のイノベーション企画支援事業の内定団体をご紹介します。 その前に、今回の公募の特徴を少しお話します。 一つはイノベーション企画支援というカテゴリーの休眠預金等活用事業なので、社会や地域の課題解決への根源的なアプローチ、変革を生み出す、社会実験をする、というポイント。 地域社会の構造を変える、新たなエコシステムを生み出すといった、チャレン

          信州コンソーシアム イノベーション企画支援事業公募内定事業のご紹介①

          休眠預金イノベーション事業、内定7団体への期待。

          公益財団法人長野県みらい基金の2021年度休眠預金活用事業はイノベーション企画での公募です。 休眠預金活用事業には、草の根活動支援、ソーシャルビジネス形成支援、イノベーション企画支援、災害支援と4つの分野があり、長野県では草の根活動支援事業を展開していました。 これまでの地域の課題そのものへ取り組む草の根活動へ助成してきましたが、2021年度は、長野県経営者協会、長野県労働者福祉協議会とコンソーシアムを組み、「誰もが活躍できる信州「働き」「学び」「暮らし」づくり事業」として

          休眠預金イノベーション事業、内定7団体への期待。

          17事業の申請から

          2021年度休眠預金活用事業として、長野県では初めてイノベーション企画分野で採択され、2月に公募開始、連休前4月28日に締め切りました。 事業名は 『誰もが活躍できる信州「働き」「学び」「暮らし」づくり事業』 ~ウイズコロナ・アフターコロナ時代の次世代の社会実験に挑戦~ として、公益財団法人長野県みらい基金、一般社団法人長野県経営者協会、一般社団法人長野県労働者福祉協議会で構成された長野県休眠預金等活用コンソーシアムで進められます。 これまでの県内での休眠預金活用では草の根分

          17事業の申請から

          信州コンソーシアムが始動します。

          2021年休眠預金、ノベーション企画事業で信州コンソーシアムが受託しました。 長野県みらい基金として、2019年、2020年は草の根分野で地域の事業を支援してきました。 2019年は、多様な課題を抱えている子ども若者を支える7つの事業へ助成し、今年3年めをむかえます。 2020年は、長野県、山梨県をフィールドとして、5つの若者自らの地域資源を活用した人材育成事業を助成しています。 この2021年の信州コンソーシアム(本名:長野県休眠預金活用コンソーシアム)は、地域課題に対して

          信州コンソーシアムが始動します。

          コロナ禍で顕著化する地域の課題①

          私たち(私が所属する公益法人)は様々な地域の課題に対峙し解決に取り組む方々に資金をお渡しすることを生業としている。 コロナ前は、いわゆる少子高齢化による課題、子どもの貧困など子ども若者に関わる課題、地域文化、伝承の先細り、障害を持つ方などへ制度では支えられないハザマの課題など、多様な課題解決への活動に寄付を集めてきた。 コロナ感染症はある意味災害支援と構造が似ているように思う。 この感染症が爆発的に広がり突然の休校や社会経済活動の停止となる2020年4月、最初の緊急事態宣

          コロナ禍で顕著化する地域の課題①