2024年大河ドラマ「光る君へ」紫式部、藤原道長、奥州藤原氏を予習
NHKが2024年に放送予定の大河ドラマのタイトルが『光る君へ』であると発表しました。主演は吉高由里子が務め、紫式部/まひろを演じます。脚本は大石静氏が手掛け、平安時代に「源氏物語」を著した紫式部の一生を描きます。物語は貴族文化が花開いた平安時代を舞台に、最高権力者となる藤原道長との関わりや、執筆への情熱などを盛り込んだ華やかなものとなる予定です。
概要
大河ドラマ「光る君へ」は、平安時代を舞台に、紫式部の一生を描く物語です。紫式部は、後世「世界最古の女性文学」と呼ばれる『源氏物語』を生んだ人物であり、主人公・光源氏と、そのモデルのひとりといわれ本作でも重要な登場人物となる藤原道長との関わりや、執筆への情熱などを盛り込んだ華やかなものとなる予定です。脚本は大石静氏が手掛け、主演は吉高由里子が務めます。放送は2024年1月7日から予定されています。
ヒロインの紫式部
紫式部は、平安時代中期の歌人・作家・女房であり、『源氏物語』を始めとする多くの文学作品を残しました。彼女は、和歌や漢詩に優れた人々に囲まれて成長し、文学的な才能を開花させました。『源氏物語』は、彼女が1001年ごろから9年ほどの歳月をかけて完成させた54帖にわたる大作で、和歌795首が詠み込まれ、平安中期の貴族社会が描かれています。また、『紫式部日記』や『紫式部集』などの日本文学を代表する作品も多く残しており、彼女の文学的な才能は、後世に多大な影響を与えました。
さて、本作についてや、紫式部。また、藤原の道長については、よく知られているところであり、道長に関しては以前、ここでも書いたので、今回は「奥州藤原氏」について触れていきますね。
奥州藤原氏とは・・・・
奥州藤原氏は、平安時代中期から後期にかけて、東北地方を支配した豪族です。藤原清衡、基衡、秀衡、泰衡の4代にわたって、陸奥国(現在の青森県、岩手県、宮城県、福島県、秋田県北東部)の平泉を拠点に、出羽を含む奥羽地方一帯に勢力を張りました。
奥州藤原氏は、朝廷と良好な関係を維持し、無駄な戦をしない方針をとりました。彼らは、東北で採れる砂金や馬、蝦夷の産物を朝廷に貢ぐことでうまく朝廷と政治交渉を図りました。
奥州藤原氏は、平安時代の貴族文化が花開いた時代を舞台に、最高権力者となる藤原道長との関わりや、執筆への情熱などを盛り込んだ華やかな物語として描かれる予定の大河ドラマ『光る君へ』にも登場します.
歴史に残る平安時代の偉人たち
岩手県西磐井郡平泉町に建つ中尊寺金色堂。
創建当初の姿を伝える荘厳な意匠が凝らされた御堂は今も多くの人を惹きつけます。
そんな金色堂には平安時代に活躍したある偉人の遺体が安置されています。
奥州藤原氏の初代・藤原清衡、二代目・藤原基衡、三代目・藤原秀衡、そして四代目・藤原泰衡です(このうち泰衡の遺体に関しては頭部のみ)。
1950年と1994年、それぞれの遺体が調査されます。この記事では、その遺体調査の結果、奥州藤原氏に関して何がわかったのかご紹介します。
奥州藤原氏四代の遺体の状況
遺体はミイラ化しており、組織などが残っているものもあったといわれています。
遺体の損傷は初代・清衡が一番ひどく、基衡や秀衡、泰衡の遺体は比較的、良好だったそうです。
そのミイラ化した遺体を調査すると、以下のことが明らかになりました。
なお、泰衡の頭部については当初、首桶に「忠衡」と書かれていたことから、頭部は藤原忠衡のものだと思われていました。
しかし、顔面部分に傷があり、釘で打たれた形跡もあることから、首桶に入っていた頭部は処刑された人物のものである可能性が高いと推測されました。
その結果、この頭部は源頼朝によって死後にさらし首にされた泰衡のものであると考えられ、今に至ります。
なお、遺体の写真は以下のブログに掲載されています。
奥州藤原氏は現代京都人に近かった?
その後、1994年の調査で遺体の再検証がおこなわれました。
この調査の結果、奥州藤原氏は近世アイヌ人や鎌倉時代人より、現代京都人に近い骨格をしていることが確認されました。
また、初代・清衡と三代目・秀衡は蝦夷系の血筋が濃かったのに対して、二代目・基衡は貴族的な血筋が濃かったことも指摘されたそうです。
遺体がミイラになった原因
1950年の調査では、遺体のミイラ化は自然になったものだと考えられました。
一方、学者のなかには、ミイラは人工的につくられたもの、という説を唱える人もいました。
しかし、1994年の調査では、やはりミイラ化は自然に発生したもの、という結論が出されました。
これには、遺体が安置されていたところは偶然、ミイラ化しやすい環境だったことが関係しているようです。
平安時代に栄華を誇った奥州藤原氏。その当主たちの遺体は今も中尊寺に納められています。
鎌倉時代以降の藤原氏は?
藤原氏は平安時代に最も有力な氏族の一つでしたが、鎌倉時代に入ると、藤原氏の子孫たちは摂政・関白の職を独占するため、跡継ぎが途絶えるたびに分家して摂政・関白になれる家を増やしていきました。五摂家と呼ばれる摂政・関白になれる家が固定された後も、藤原氏の子孫たちは数多くの支流を含む一族全体が朝廷では圧倒的な地位を維持し続けました。
平安時代の貴族社会について
平安時代の貴族社会は、貴族たちが主となって政治などを行っていました。貴族たちは、宮廷社会を生き抜くために遊びが必須でした。午後の時間は自由時間という人が多く、それぞれ好きな遊びをしていました。
蹴鞠、小弓、競馬、闘鶏、打毬、石投、独楽、弾棋、双六、囲碁、投壺、竹馬、雛遊び、毬打、意銭、銭打ち、貝合わせ、偏継、洲浜作りなどがありました。
貴族たちは、寝殿造りと呼ばれるとても広い屋敷に住んでいました。この寝殿造りの建築様式は、中国古来の宮殿建築をベースに、日本文化を取り入れた建築様式だと言われており、10世紀頃にはほぼ完成したと言われています。
一般的な形式としては、大きな敷地内の中央に主人の住む「寝殿」が置かれている、東西北の三方に家族の住む「対の屋」が置かれている、寝殿と対の屋の間は「渡殿」や「透渡殿」という渡り廊下で結ばれている、寝殿の南側には池や庭園が置かれている、東西の対の屋の南には「釣殿」や「泉殿」が置かれているなどの配置でした。
また、男性貴族の服装は、大きく分けると4種類ありました。「束帯」「衣冠」「直衣」「狩衣」です。女性貴族の服装は、12単と呼ばれる着物を着ていました。平安時代の貴族は、一日二回の食事をとりました。一汁三菜にデザート付きだったそうです。
貴族以外の庶民の暮らしは?
一方、平安時代の庶民たちは、貴族たちとは対照的な生活を送っていました。庶民たちは、農民や手工業者、商人など、様々な職業に就いていました。
彼らは、貴族たちとは異なり、寝殿造りのような豪華な住居に住むことはできませんでした。庶民たちは、簡素な家に住み、農業や手工業、商売などで生計を立てていました。
また、庶民たちは、貴族たちとは異なり、一日三食をとることができませんでした。彼らは、一日に一食か二食をとることが一般的でした。庶民たちは、貴族たちとは異なり、遊びの時間があまりありませんでした。彼らは、生活のために働き、家族と過ごす時間を大切にしていました。
藤原道長のかの有名な歌を・・・
藤原道長のような最高権力者には「不輸不入の権」というものがあり、彼は荘園の年収が数100億円あったといもいわれていますが、税金などは一切支払わずに、悪く言えば貧困農民から激しい搾取をしていたとも思われます。
藤原道長の有名な歌は、
「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」という和歌です。
この歌は、藤原道長が権力を握った後に詠まれたもので、自分のためにこの世があるという意味が込められています。これを現代語訳すると、
「この世は私のためにある世界だと思う。この満月のように欠けたところは何一つなく、すべて自分の意のままに満足すべきものである」
となります。
日本の平安時代の全体像も捉えながら、紫式部と藤原一族の栄華について、考えてみるのも一興の価値はあるかと思います。
光る君へのキャストを教えて下さい。声優の三石琴乃さんが出演されると聞きましたが
NHK大河ドラマ「光る君へ」のキャストについてお答えします。三石琴乃さんは、藤原道長の母・時姫役で出演されます。他にも、紫式部役に吉高由里子さん、藤原道長役に柄本佑さん、藤原為時役に岸谷五朗さん、藤原惟規役に高杉真宙さん、中宮・藤原彰子役に見上愛さん、源倫子役に黒木華さんが出演されます。
セーラームーンの月野うさぎ、エヴァンゲリオンの葛城ミサト、ドラえもんののび太のママなど、幅広く活躍されている声優の三石琴乃さんの重要な役に注目が当たっています。「シン・仮面ライダー」の一文字隼人役を演じた柄本佑さんの藤原道長の母親ということで、オタクウケしそうな配役です。
また、吉高由里子さんをはじめとする、中堅女優、若手と幅広い俳優さんたちの活躍と、大石静さんのシナリオに乞うご期待といったところですね。
来年の大河ドラマに思いを寄せて。。。。
わたしが初めて夢中になった大河ドラマは、高橋英樹さん演じた織田信長と平幹二郎さんの斎藤道三が主役の、司馬遼太郎さん原作「国盗り物語」でした。
司馬さんがNHKを訪れた際に、ちょうど昭和天皇がいらして「わたしはあなたの作品のファンで戦国時代が大好きなんです。ですから、今日は撮影の見学に来ました」
と言われて、司馬さんは、大変恐縮したそうです。昭和天皇は本当に歴史が好きなお方でした。ご自身の祖先や天皇家と武家とのかかわりをどう思われていたことでしょうか。戦国時代といえば正親町天皇です。
皆さんは日本は世界最古の国ということはご存じでしょうか。
日本の歴史は天皇と貴族、武士の歴史でもあります。
そして、それを下から支えていた名もない私たちの祖先の歴史でもあります。こうしてわたしたちがここに存在しているのも、過去の先祖から受け継いだ命の歴史。それだけでも素晴らしいことだと感じます。
いつまで日本がこの少子化を乗り越えて存続できるのかは、はなはだ不透明ですが、平和で豊かに国家でありますよう、そう願いつつ「光る君へ」を鑑賞できることを幸せとしたいと願うばかりです。
元寇と太平洋戦争の大きな危機を乗り越えた日本。わたしたちには過去もあり未来もある。日本人の一人として、歴史を身近なものとして感じていきたいですね。
紫式部役の吉高由里子さんの変わらぬ妖艶さ。一条天皇役の塩野瑛久さんらイケメン俳優も大挙して出演。また、清少納言も登場して、めくるめく絢爛にして豪華な平安絵巻と「源氏物語」についても深く描かれていくことでしょう。楽しみです。
最後まで、お読み下さり、ありがとうございました。よかったらスキ、フォローよろしくお願いします😉
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?