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【私の仕事】指導とハラスメントの境界線【カスハラ/パワハラ】

会社だけでなく、プライベートにおいても各種ハラスメントが話題になることが多くなりました。

私のような人事労務関連の業務を行っていると、「これはハラスメントに当てはまるかどうか」という質問を受けることも多くなりましたので、

今回は「どこからがハラスメントか/ハラスメントの境界線」について書こうと思います。


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まず、指導とハラスメントの境界線については(原則としては)結構簡単な分類であり・分かり易く、


① 当事者の片方からの一方的なものでないこと。

② 相手のためになっていること。


に当てはまっていれば、その指導などはハラスメントと認定されることはほぼ無いです。

そして、もう少し分かり易く補足しますと、


③ 行為者の気持ちや考え方は関係ない。

④ その行為に対しての相手の捉え方が重要。


ということです。


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上記の原則については、人事労務関連業務に関わっている人だけでなく、管理監督者やニュースに詳しい方ならばある程度理解していると思います。

ですので、ここからは、私が実際に遭遇したカスタマーハラスメントを例示して解説したいと思います。

それは、数年前の夏休みの時期のファミレスでの出来事でした。

私は顧問先に向かう前の休憩で立ち寄っていたのですが、隣のテーブルで、ちょっとしたもめ事が起こっていました。

聞こえてくる声などから推測すると、以下のようなものでした。

1⃣着物を着たセレブが、
2⃣店員の口調や
3⃣料理の置き方など、

について、該当店員と店長について話しており、時折、「私はあなたのためを思って言っているのよ」「将来的に必要なことでしょう?」というセリフを交えながら、諭すように話していました。

そして内容自体は確かに納得するものでした。

追加情報として、その時の店内は混雑しており、その店員は泣いていました。


では問題です。

今回の件は、カスタマーハラスメントに当てはまるでしょうか?



シンキングタイムスタートです。



分かりづらい場合は、上記した①~④もヒントになりますので確認ください。



そろそろ大丈夫答えてもよろしいでしょうか。



皆さんのジャッジは?



「答え」

今回の件は、カスタマーハラスメントに当てはまります。
悪質ではありませんが、カスハラの一例です。


ーーー

この件は中々難しいかもしれません。

では、上記①~④を利用しながら解説したいと思います。

① 当事者の片方からの一方的なものでないこと

指導というのは、「指導者」が「対象者」の何かしらの能力を上昇させるために行なうことです。

皆さんも学生時代の授業などを思い出して頂けるとお分かりでしょうが、先生からの一方的な言葉での教育が、身になることはほとんどありません。

必ず、双方向での教育を行いましょう。

そうすることが、教育の効果を上げハラスメントの回避にも繋がります。

② 相手のためになっていること

今回の例が、カスハラ認定される可能性が高い理由がこれです。

セレブの話していた内容は正論です。

しかし、それを大勢のお客さんの前で言われている・隣には店長・店内は混雑(早く料理を作ってくれよと考えている方が多い)という状況で言われている学生。

この状況での指摘は、本当に学生のためになっているのでしょうか?

つまり、下記の

③ 行為者の気持ちや考え方は関係無い
④ その行為に対して相手がどう捉えているかが重要

について考えてみましょう。

セレブとしては、その店員の将来を考えているかもしれませんが、そのような状況で指摘を受けている学生店員は、

まるで公開処刑を受けているような感じでした。

今回の件でのポイントは、

学生店員への指導方法は、その方法しかなかったのか?

ということです。

もし、本当に学生店員のことを考えているのでしたら、

帰る際に、店長にひっそりと指摘する。

といった形をとることも出来ます。

店内が空いている後日に指摘する。

と言う形もあるでしょう。

他に方法があるにも関わらず、学生店員にトラウマを植え付けてしまうような行動を取ってしまったのですから、今回の件は、カスタマーハラスメントに該当する、という認定です。

各種ハラスメントを説明する際によく使う例えですが、


イケメン(好きな人)がやる壁ドンか、
他の人がやる壁ドンか、


で全く結果は変わります。

皆さんが、「これはハラスメントに該当するだろうか?」と考えた際に、上記①~④や今回の記事を参照にして頂くと嬉しいです。


ーーー

ハラスメントについては、大人が当事者になることが多いのですが、ハラスメントに類似したことでは、子どもも経験・体験することがあります。

それが、自分の好きなマンガ・アニメに関する批評についてです。

もしよければ次回・後編「ファンとアンチの境界線」についてもご覧ください。



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今回の画像は【セイスケくん】さんからお借りしました。ありがとうございます。

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