inn the forest

森の中に住むと決めた日。 それからのこと、これからのこと。

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森の中に住むと決めた日。 それからのこと、これからのこと。

最近の記事

⑩移住への決意

僕たちは自分たちの住む町に帰ってきた。それからしばらくの間はあの心地よい土地のことが頭から離れなかった。 二週間後には次のフライトの予約をしていた。 本当にその場所でいいのか、厳しい冬に自分たちは耐えることができるのか。 そんな色々な想いもあったが、本当のところは今すぐにでもあの場所の空気感や、清々しさを自分の五感で生で感じたかった。 移住への決意とは自分たちの心の感覚と土地の感覚が合わさってなんとも心地よい感覚が生まれたときに自分の心の中に湧き上がってきて、どうしよ

    • ⑨移住への決意

      しばらくしてから友人たちとの待ち合わせ場所に僕たちは向かった。 僕はさっきまでの素晴らしい場所との出逢はいったん頭の中でリセットして、これから友人の紹介してくれる場所の想像をはじめていた。 しかしそれは良い意味で覆った。 友人が紹介したい場所というのが僕たちがハッとして息を呑んだまさにその場所だった。 「導かれたんだね。きっと。」 僕たちが言い出したくても言えなかった言葉を友人は優しく言ってくれた。 二日前までの僕たちの気持ちの落ち込みは晴れやかなものになっていた

      • ⑧移住への決意  

        僕たちは息を呑んだ。 見えている景色に心が静かに湧き立っていた。 ここの場所が素晴らしいのは言葉にしなくても解った。 そこは僕たちの描いていたこれから始まる生活への憧れの原風景のような場所だった。 しばらくして、凄い場所だねと妻が言った。 僕は無言でいた。 頭の中では〝こんな素晴らしい場所は誰かの場所で僕たちが住むことは無理かもしれない〟と思っていた。 僕たちは友人との待ち合わせ場所に早く着いてしまった。 その時は、直感を大切している妻があっちの方向へ行きたい

        • ⑦移住への決意

          移住への決意をひっくり返されてから二日後に僕たちは、ある緑がとても深い山間の村で車の中で一夜を過ごした。 僕たちの旅は基本的にテントを持ってきていて、テント泊や車中泊をしている。行き先を決めずに行きたいところへ感覚的にドライブできるからだ。もちろんコーヒーミルやお気に入りのマグカップも一緒に。ほんとは焚き火ができたら言うことなしだ。 そして、昔からいつも土地を探していたので憧れの根無し草のようなそんな旅が、旅館やホテルに泊まる旅よりもなんか好きだ。 朝早く目が覚めると外

        ⑩移住への決意

          ⑥移住への決意

          妻が感じていた少しの違和感は、所有者の方が土地を手放したくなくなってしまったことだった。 北の大地への僕たちの移住計画は振り出しに戻った。いや、そもそも移住のことすら何も初めからなかったようにも感じた。 ........ 。 妻は友人のカフェで突っ伏したまま、この1年を想い返しているようだった。僕はまだ、あまり自分たちの事情が飲み込めていなくて、ぼんやりとしていた。 心配してくれたカフェの友人は地元の方々にまた別の土地をいろいろと問い合わせてくれた。 やはり田

          ⑥移住への決意

          ⑤移住への決意

          僕は妻と土地について話し合って、僕らが気づいた自分たちの"良かったね"を再収集した。 ・様々な樹種が育つ約60年間の手付かずの森があること ・自分の森で一生分の薪が手に入ること ・湧き水があること ・森中に入って行けるしっかりとした小径があること ・古い家があること(修理すれば住める) ・妻の好きな朴木(ホウノキ)が家の側にあること ・小径にクマの糞があったこと etc... その他、インフラ関係はすぐに整備できることなど移住が急に現実的に見えてきた。 僕は

          ⑤移住への決意

          ④移住への決意

          全部で6町歩ある土地というか山を僕たちは紹介して頂いた。 6町歩とは約18000坪というとてつもなく広大な土地で、ましてやそのほとんどが山となるとドローンでも飛ばさない限りその全てを簡単に把握するのは難しい広さである。 車はほとんど走らない道路の脇にあるその土地には20数年前まで、所有されている方のお父さんが1人で暮らしていた古びた家があり、その家の裏手はすぐに山になっていて、湧き水があり家のすぐ側には、木の幹は細いながらにも枝葉をしっかりとつけた背の高い千両梨の木がある

          ④移住への決意

          ③移住への決意

          友人のカフェでテーブルに突っ伏している妻を横目に自分もぼんやりと窓から夕方の山の稜線を眺めていた。 『どうだったの?』 「この1年が無駄になってしまったのかなぁ」 僕たちはこの1年間、ここに通って四季を通じて厳しい北の大地を精一杯感じようとしていた。 去年の10月に移住の決意を胸に訪れた最後の季節に僕たちの決意は行き場所を無くしてしまった。 自分たちの場所探しのエピローグはそんなに簡単なものでは無かったのだ。 話しを戻すと、3年前に土地探しを兼ねての旅行へ行ったと

          ③移住への決意

          ②移住への決意

          「せっかく旅行に行くんだったらちょっと土地でも見てみない?」 半分諦めていた北の大地への移住の話が再燃したのは3年前のことだった。 土地探しにおいて自分のなかである意味大事にしている感情がある。それは "期待しないこと" である。 あとで些細な "良かったね" を再収集するのもそれに含む愉しみのひとつなのかもしれない。 素晴らしい出逢い(人や、物、全てのこと)というのはどんな些細なことでもプロローグからエピローグまで完璧なものだと信じている。それは結局、最後の最後にな

          ②移住への決意

          ①移住への決意 

          環境と身体の不一致は何となくずーっと20代からあった。 20代はなんとなくきて、30代は突っ走ってきた。 そして40代は自分らしく生きていこうと思える余裕というか、遊びというか、がでてきた。 決意という大それたものは自分の中にはこれっぽちも無いのだが、自然発生的に、ある意味無意識的に移住をするのだなぁ。と自分の中にあったのは確かであるし、意識していた。 日本中、気になるところには何処へでもいった。もちろん感覚的に自然が豊かで気持ちの良い風を感じる事ができて。変な表現の仕

          ①移住への決意 

          あらためて

          コロナになって妻が家にいる。自然と共に2人でこれからまた新しい土地で人生を見つめて暮らそうと思った矢先である。 見つめれている。変な言葉づかいではあるがそうなのである。 妻を見ていると元気になる。ちょこちょこ動いてはわーわー言っている。今までとは少し違ってきている2人の生活。これからに向けて良い準備期間だ。 これからはもっと2人とも素直になってわーわー言って暮らしていく。そんな暮らしを夢みて実行していこう。 #北の国から

          あらためて

          My Future

          6月の最終日、自分の未来について短く書いてみる。 昨年末頃から2020年の6月に自分にとって何かとてつもない変化が起こると思っていたし、実行しようとしていた。 "会社を辞めて妻と2人、新しい暮らしをしよう" それは僕にとって人生を懸けて手に入れたい本当の豊かさを探求する人生の旅のようなものかもしれない。 新しい暮らしとは自然の中に身を置いて自分たちの場所を1から創り出してひたすら自分と妻と向き合うことなのだ。 自分がこれからの暮らしで何を語ることができるのか樂しみで