④移住への決意
全部で6町歩ある土地というか山を僕たちは紹介して頂いた。
6町歩とは約18000坪というとてつもなく広大な土地で、ましてやそのほとんどが山となるとドローンでも飛ばさない限りその全てを簡単に把握するのは難しい広さである。
車はほとんど走らない道路の脇にあるその土地には20数年前まで、所有されている方のお父さんが1人で暮らしていた古びた家があり、その家の裏手はすぐに山になっていて、湧き水があり家のすぐ側には、木の幹は細いながらにも枝葉をしっかりとつけた背の高い千両梨の木がある。
土地の端からは山に入れる軽トラックが通れるくらいの小径があって多種多様な樹種も観察できた。春には白樺の樹液でコーヒーを入れて飲むと最高に美味しいことも教えてもらった。
夜になると、自分がどの世界に居るのか解らないくらい真っ暗闇に包まれた。それは同時に自然動物の時間になった。
所有されている方はとても自然を愛されている方で僕たちの自然の中で暮らしたいという思いをすぐに理解してくれた。
そこの山に群生している樹々の話や、自然動物の話、ヤマメ釣りの話や、1人での登山キャンプの時の山での過ごし方までこちらが興味深々なことをたくさん話してくれた。
僕たちの場所はここなんだ。この土地のことをもっと知りたいと思った。