②移住への決意
「せっかく旅行に行くんだったらちょっと土地でも見てみない?」
半分諦めていた北の大地への移住の話が再燃したのは3年前のことだった。
土地探しにおいて自分のなかである意味大事にしている感情がある。それは "期待しないこと" である。
あとで些細な "良かったね" を再収集するのもそれに含む愉しみのひとつなのかもしれない。
素晴らしい出逢い(人や、物、全てのこと)というのはどんな些細なことでもプロローグからエピローグまで完璧なものだと信じている。それは結局、最後の最後になるまで解らないこともあるのだが、僕のなかでそれは絶対と言っていい。
心の中で期待せずに成り行きや自らの行動を静観し、あとでその良かったねの伏線を回収する。人生はドラマよりドラマチックだ。
このドラマ以上のドラマといえる出逢いを愉しむ為の僕の中にルールというか、実践してきたことがある。それは自分が、誠実であること、嘘がないこと、愛があること、ユーモアがあること。
これがピタリとハマる時、ドラマのようなドラマが起こる。