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ishiika78短編集

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私の書いた短編小説を集めました。ここではそれを読むことができる。
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#短編小説

子連れ狼 VS エヴァンゲリオン

「我らゼーレの目論見上第三新江戸都市NERV藩は邪魔なれば……藩主碇ゲンドウを斬っていただきたい…………」
 漆黒の空間に浮かび上がる石櫃。その中心に座すのは元公儀介錯人・拝一刀。またの名を子連れ狼。そしてその長子・大五郎。父子ともども冥府魔道に生き六道四生順逆の境に立ち、刺客道を歩むもののふである。
 拝一刀は石櫃を睨むと、ただ一言そう言い放った。
「刺客引受五百両!」

 碇ゲンドウは筆を置く

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バイバイ・バンバン

バイバイ・バンバン

 このろくでもない現実について、なんと表現するべきだろうか。
付喪神というものが存在することは知識として知っていた。だがそれが実在し、よりにもよって多重積務者の頭をいまぶち抜かんとする拳銃に宿るとは思わなかった。
「やめてくれ」懇願する声が聞こえる。「あんたにも親があるだろう」
 ああその通りだ。だが、親もいない拳銃なんかに親のことで諭されたくはなかった。
「頼む、俺はもう人を殺したくないんだ」

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ゴールデントライアングルへようこそ

「見てください。地元住民の生首です」
 ガイドはにこやかに語りかける。
「ああして仕事を拒否した人を、晒し首にするわけですね」
 腐りかけの生首を小鳥が啄んでいる。そのそばで農作業に従事するのは、生首と同じ村の者たちだ。
「彼らは日が昇ってから沈むまで、こうして芥子の栽培を行っています。暴力で脅すことで、安い労働力を得られるわけです。労働基準法? そんなものはありませんよ。なんたってここは」
「黄

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進撃する巨象、あるいは怪獣王ゴジラの奉呈

進撃する巨象、あるいは怪獣王ゴジラの奉呈

 ゴジラがマサチューセッツ州ボストンで咆哮をあげるのと同時刻、タイ王国ナコーンサワン県の巨象の群れが一斉にボストンへ向かって進撃をはじめた。
 自身らも怪獣の一種であると主張する彼らは、キング・オブ・モンスターたるゴジラにその旨を陳情するためボストンへと向かったのだ。
 巨象の群れは進路上の建造物や作物を無慈悲に破壊しながら向かったが、ギドラを発端とした世界的な怪獣の混乱の後始末に手一杯でそれが鎮

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座頭市VSエヴァンゲリオン

座頭市VSエヴァンゲリオン

「あ、あっしがエヴァンゲリオンに……?!」
 座頭の市は、何も写さぬ目を驚愕に見開いた。
「その通り」
 第三新江戸都市の貸元、ネルフの親方分であるゲンドウは、その油断ならぬ年輪の刻まれた皺をさらに歪ませた。
「市っちゃんにはこのままエヴァに乗ってもらうってわけよ」
「へ、へえ」
 虚空を見つめる座頭市は、ゲンドウの言ったことをまだ飲み込めていないようだ。
「ですがあたしはこの通り目暗でして、エヴ

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トランプvsバイデン

トランプvsバイデン

 今日で大統領執務室の椅子に座るのも最後だ。
 歴代大統領のケツの汗を染み込ませたそれは、もたれかかると応えるようにキイと鳴いた。
 不思議と、今日で大統領の座を辞することに、なんの感慨もわかなかった。それどころか、この4年間、アメリカで最も偉大な男であり続けた日々は、非常に空虚なものだった。
 何故なのかはもうわかっている。
 あの半年だ。あの半年が私を狂わせた。
 あの男とのアメリカの頂点を決

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肉の昂り…狙われた美魔女

肉の昂り…狙われた美魔女

 広末洋子(41)は専業主婦である。
 今年に入ってから大学生の息子が一人暮らしをはじめ、旦那は多忙な毎日を過ごし、孤独な時間を持て余している。
 そんな洋子にはヒミツがあった……。

 洋子は買い物メモを頭の中で反芻しながら家の鍵をかける。いつも多忙な旦那に少しでも精の付くものを食べて欲しい。そんな想いから、ささやかにも今夜は好物のモツ鍋をご馳走してあげようと考えていた。
 そんな洋子の背後から

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羅生門X

羅生門X

 下人の行方は、誰も知らない。
 そう、あの女を除いて。

 ここは羅生門。
 広い門の下には、この裸体の老婆のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗の剥げた、大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている。
 そしてもう一つ。老婆の前に女の死体が案山子のように立てられている。
 老婆の手には先の煤けた一本の木片。燃え尽きた松明をゆらりと掲げ、猿のような呻き声をあげながら女の死体に打ち付ける。
 ある者の目からは

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久遠の即身仏

久遠の即身仏

 亜光速宇宙船『ハガネ』のカメラが”それ”を捉えたとき、ビルは思わず椅子から跳ね上がった。
「マジかよ。マジで見つけやがった!」
 それはハガネより2時の方向。亜光速をはるかに越えるスピードで飛んでいる。
 半年前。超光速航行の実験中宇宙船が爆発する事故が起きた。ほとんどのクルーは爆発前に脱出したが、船長の村上芳美は最期の瞬間まで超光速空間の安定を一人で務めた。
 この世紀に残る大事故は村上芳美の

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ウエストサイド寿司職人

ウエストサイド寿司職人

 その提灯は俺の目の前にぼうっと現れたように思えた。
 ──マット寿司。
 まるで何かの啓示か。にしてはいささか和風すぎる。
 それにカリフォルニアで和食といったらNOBUで高級レストランだ。こんなフッドの一角に寿司屋などあるはずもない。
 ネオンに照らされた看板を見ると『寿司一貫 1ドル』と書かれている。
 馬鹿な。安すぎる。
 和食だぞ? コンプトンの吉野家もここまで安くねえ。
 きっと、アメ

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