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けがれた者達の歌 秋暁

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秋の季節に書いた 秋の詩と物語の在り処
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週末

週末

週末で疲れいて
気の利いた言葉も
出て来ない

だから
まだ起きている者は

化けて出る

化けて出る

何でも
要領良く
器用に出来るのなら

僕は
お化けに
ならなかったよ

虎視眈々

虎視眈々

私はね
力をもっと
付けたいと思っているし

知識だって
貪欲に拾っていく
欲深さを持っているのよ

じゃないと
叶わないじゃない?

森の霊道

森の霊道

ねぇ
もう暗いよ

って言っても

誰も
聞いて無いんだ

此の森の中を通る
霊道は

森の中でも
険しい場所に霊道が
通っていて
歩く者達が辛そうなんだ

闇夜の中では
転ぶ者達もいて

石や岩が
ゴロゴロして
歩き難そうでも


止まる事無く
静かに歩き続けて逝くんだ

森の霊道を

狼を被った獣

狼を被った獣

狼の
精神の強さと

厳しい
規律への服従を
纏う雰囲気で

本音を
気取らせない様にして

邪な
獣の視線を

僕は
隠そうとする

奇峭鳥

奇峭鳥

逢魔が時

奇峭鳥が鳴く

山に帰れ
森に帰れと

赤色の夕陽に
喰われる前に

山に帰れ
森に帰れと

奇峭鳥が鳴く

赤色の夕陽が
揺れて視えた刻

鳥達を
飲み込む
大きな口が開くんだ

空を統べる
翼を持つ者達を

夕陽が奪う

奇峭鳥が
甲高く鳴く

消えた
翼を視てた

奇峭鳥が泣く

Halloweenが近い夜に

Halloweenが近い夜に

忘れられ
朽ちた墓地から
這い上がり

まともに歩けず
身を引き摺り歩く

犬は
悪臭に吠える

猫は
奇異さに威嚇する

こんな腐れた体にも

心臓がある

試しに
手で心臓を出すと

心臓は黒くて
蟲が湧いている
滑稽さ

夜鳥が
低い声で問う

其の蟲を
喰って良いか?って

噛付く蟲

噛付く蟲

森に
沢山の落ち葉が
落ちている中に

僕等は
棲み着いて居るんだ

落ち葉を捲ったら
僕等が
いる筈だよ

足が
落ち葉に
埋まった時をねらって

僕等
足元から這い上がり
身体に
齧り付くよ

森から出ない様に
足先から

ザワザワと
細かく齧り付き

人が
此の森の
養分になる様に…

混沌の森 虎鶫

混沌の森 虎鶫

📌混沌の森

鬱蒼とした
森は

淀みと霞みの
混沌とした陰

僅かな仕草でも

森の毒に
纏わり憑かれ

染まってしまう

腐敗して逝く……の?

花咲く樹の上で
苦しくとも
声を枯らして鳴く

虎鶫に
囚われてる

陽が落ちてた…

今は心無い

ただ
澄まし聞く
耳に響く音だけ

聴いてるだけ…

📌虎鶫が鳴く夜

枯れ葉を踏む
乾いた足音

ただ
夜風に流され
森を歩く

陰に似た

もっとみる
水

水に
手を漬けた所で

流れが
分かる訳では無い

流れが
変わる訳でも無い

熱を奪うか

奪われるかだ

お人形

お人形

床の間に
台座を置き
其の上に
大事に飾ってある

髪の長い人形

何時も
宵の刻に

人形の髪を
櫛で梳きながら

今日見た
木々や草花
空の色や
生き物達の話をするの

そうするとね
人形が笑って

楽しんでいる様に
見えるのよ

竹林

竹林

竹林に
風が吹き抜ける

竹の乾いた唸りと
笹の騒めきの中に

僕は
埋もれてしまうんだ

風が
通り過ぎた後は

音を手放した

喪失感の中に
居るみたいな
気分になるんだ

雨降る夜空

雨降る夜空

今宵
夜空の下では
雨が降ってたんだ

街明かりで
雨粒が
キラキラと光るから

雨粒に
手を伸ばしたんだ

雨に触れると
冷たくて

季節は
寒い季節に
変わろうとしてるんだなって

星の無い

夜空を
眺めてたんだ

落ち葉

落ち葉

枝に
鳥が止まって

落ち葉が
クルクルと
落ちて来るよ

其れを見て
鳥達が
囀り歌うんだ

クルクルと舞踊れ

クルリ クルリと舞踊れ

って
だから僕も

クルクルと舞踊れ

クルリ クルリと舞踊れ

って
鳥達と一緒に
歌ったんだ