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たった二箱の無人書店 | いろり文庫の活動から、「本のある空間やコンテンツづくり」について考えてみた。
京都市左京区・京大近くにある、京町家にひっそりと佇む無人書店「いろり文庫」のスタッフこさやです。
詳しい自己紹介はこちらから↓
このnoteでは、祇園の書店員時代から現在までの経験のなかで、「本のある空間やコンテンツづくり」について思ったことをゆるっと書きたいと思います。
現代は、本を読まない人たちに「寄り添う」空間やコンテンツづくりが必要
かつて本は「情報を得る」ためには必要不可欠な媒体でした。
しかし現代は手のひらの上で、簡単便利に情報を得ることができるようになりました。
多種多様なメディアを比較し、より鮮度の良い情報を得ることができます。
また「娯楽」として多くの人に好まれていたのがかつての本の姿でした。
しかし現代、各ユーザーが好むコンテンツは、インターネットの中にあるように思います。
決して情報収集で、また娯楽でネットを使用することが悪いなんて言っているわけではありません。(スタッフの私もYoutube大好き人間です…笑)
私が思うに、たくさんの人に本を読んでほしいのであれば、本自体が時代の流れを読み「読んでほしい人たちに寄り添う」必要があると思うのです。
ではいろり文庫は、本を読んでほしい人たちにどのようにして寄り添うのか?
1)空間づくり
たくさんの人々に寄り添う空間づくりを追求し、考えついたのが「路上の無人書店」でした。
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人件費削減や家賃削減のため……という理由があるのも否定できませんが、やはりたくさんの人に本に親しんでもらうためには、「生活に溶け込む」ことが重要だと思いました。
実際にご来店くださった方々の数人は
「あんま読まんけどなあ…ここで見つけたのも何かのご縁か」と本を購入してくださります。
書店や図書館は風雨にさらされることなく、落ち着いて読書や本選びを楽しむことができます。
しかし壁などで覆われており、どこか「選ばれし者にしか開かれていない」ように見えるのです。
(実際私もそう思っていました)
その点、「すべての人に開かれた空間」として成立するのが路上に設置した書店で、普段本に触れることがない人々に寄り添うことを可能にしました。
2)コンテンツづくり
次に読んでほしい人々に寄り添うコンテンツづくりとして考えついたのが、「ガチャ本」と「いろり文庫オリジナル選書サービス」です。
・「ガチャ本」とは、
ガチャポンのように本の中身を隠して販売する、新しい本選びのかたちです。
新しいジャンルの開拓がしたいひと・気軽に本選びがしたいひと・ちょっとしたギフトに迷っているひとにおすすめのブラインドブックです。
ガチャ本の詳細はこちらから↓
・「いろり文庫 選書サービス」とは、
オンラインショップで販売している選書サービスです。
気になるジャンルを購入していただき、スタッフが選書するというサービスです。
いろり文庫 選書サービスの詳細はこちらから↓
この2点の共通点は
「スタッフがセレクトする」
ことです。
全員に利用していただきたいのはもちろんですが、とくに本をふだん読まない人をターゲットにしています。
書店員時代、よく「なにから読めばいいか分からない」という意見を耳にしました。
たしかに、スーパーでたくさんの材料が並んでいるなかで、何を作ったらいいか分からず、立ち尽くした経験がある方も少なくないと思います。
(たぶん……)
そこである程度「今日のおすすめメニューはこれ!」なんて掲示があれば、気軽に料理にチャレンジできるのではないでしょうか。
スタッフがおすすめの本を選書することは、
本を読みたいけど、何から読み始めたらいいか分からない方々の道しるべ
になるのではないと思い、「ガチャ本」と「いろり文庫 選書サービス」を始めました。
さいごに
「本のある空間やコンテンツづくり」について思ったこと書いてみました。共感していただけたら幸いです。
選書サービス 販売サイトはこちら↓
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