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京都祇園の漢字ミュージアム 親子で遊びながら学ぶ

【約1,200字、写真15枚】

 漢字ミュージアムというのは読んで字の如く、漢字の博物館である。
 「漢字なんて、テキトーにスマホいじったら出てくるやん」
というご意見もあろうが、ちょっと待ってもらいたい。漢字ミュージアムを甘く見てもらっては困る。料金の話で恐縮だが、大人の入場料が800円もするのだ。チラシのキャッチコピーにはこうある「まるで漢字のテーマパーク!」「親子で夢中になれる!」注目してもらいたいのは次だ、
意外と楽しいミュージアム」¹
 楽しいミュージアムではない。意外と楽しいミュージアムだ。この記事は、春休み、暇をもてあます小5の娘を連れて行ったレポートである。最後まで読んでいただければ意外に楽しいと、私は思う。

■information
漢検 漢字博物館・図書館
「京都で 見て 触れて 遊んで 漢字の魅力 大発見」
住所:京都府京都市東山区祇園町南側551番地(京都市元弥栄中学校跡地)
アクセス:市バス『祇園』下車すぐ 電車「京阪本線」徒歩5分、「阪急京都線」徒歩8分、「地下鉄東西線」徒歩10分
電話番号:075-757-8686
開館時間:9:30~17:00(最終入館は16:30)
休館日:月曜日(休館日が祝日の場合、翌平日に振り替え)
入館料:小学生・中学生300円、高校生・大学生500円、大人800円
※小中高生と同伴の大人は300円引(小中高生1名につき大人2名まで)
バリアフリー:エレベータあり、車いす貸し出しあり、来館者用の多機能トイレあり(オストメイト対応)※授乳室あり、おむつ交換台あり
所要時間:約90分
*再入館自由!! 館内にはカフェ、土産物店あり

入口

占ってしんぜよう

踊る甲骨文字テーブル

 漢字って、そもそもなんだっけなーと雑な思考をしながら入館すると、光る装置が現れる。
 テーブル手前の文字に手をかざすと、文字がゆらめき、使われていた部分へ移動した。

甲骨文字占い

 「つかみ」ということだろうか、光る装置の次は「今日の占い」だ。小5になる占い大好き娘は前のめりである。受付でもらったシートをこすり、占いの結果を音読してくれる。

入館時にもらえる体験シート

 そもそも漢字の始まりは、占いだったのか。「おー、なるほどね、だから、占いの展示からなのね」とやっと気づく父親であった。
 これは面白い。

自分の名前の漢字

 自分の名前の漢字に、他の文字があるらしい。
 「えーと、どういうこと?」

「もとの字」スタンプ

 私の名前でやってみる
  いりえ げん  は、
  以利衣 計无  となるらしい。

 「うーむ」
 腕を組んで文字列を睨んでみる。ぜひ、ひらがなと漢字の形を見比べていただきたい。
 日本語はもともと音しかなかった。そこに絵のような漢字を当てはめていった。
 つまり、カタカナもひらがなも、もとは漢字。ぼんやりと名前が見えてくるではないか。
 「キターー」

 漢字を「はぶく」ことからカタカナが生まれ、漢字を「くずす」ことからひらがなが生まれた²んだから、時間を戻したわけだ。
 日本で独自に進化して、使いこなしていった歴史を実感する。

1階は漢字の成り立ちや発展にまつわる資料もある¹

 そもそも漢字は、紀元前、物の形を絵にしたところまで遡る。はじめは絵を組み合わせ、絵文字を使っていた。それが変化して象形文字へ。
 漢字は象形文字のひとつで、甲骨文字と呼ばれる。たしかに少し離して見ると、絵のようだ³。

2階へ

階段をのぼって二階へ
漢字5万字タワー!!

 漢検の施設だけあって、読ませるだけでなく、触れて、楽しく学ぶ工夫がある。20種類以上の体験ができる¹。

くらしの道具の漢字たち

 普段使っている道具がクイズになっている。
 引き出しを開けると、答えがでてくるわけだ。

漢字クイズに挑戦

これはなんでしょう?


「ねじ」でした

 引き出しを開けては戻し、開けては戻しまくる。
 「なぜかわからんが、面白いじゃないのー」



〈おまけ〉

 ミュージアムは京都の祇園、八坂神社前ということもあって、小5の娘は近くに気になる店を見つけた。

みっふいーおやつ堂[祇園店]
みっふぃーあんぱん (¥313)

 「頭使ったから、これ食べたい」
 …1個300円もするあんぱん。漢字ミュージアムの入口に飾られていた漢字を思い出した。

今年の漢字「税」2023年
ソース;
¹:リーフレット「漢字ミュージアム」漢検 漢字博物館・図書館
²:体験シート「漢字ミュージアム」漢検 漢字博物館・図書館
³:児山啓一(監修)『ドラえもん探求ワールドーこのマーク、なんだかわかる?ー』小学館、2023


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入江玄 アートライター
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