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「速い馬が欲しい」という人に車を売るということ
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「もっと速い馬がほしい!」
新しいプロダクトを導入するとき、多くの顧客は既存の製品の延長線上で改良を求めます。しかし、本質的なニーズを満たすためには、顧客が想像もしなかったような革新的なアプローチが必要になることがあります。
これは、自動車王ヘンリー・フォードの有名な言葉「もっと速い馬が欲しい」に象徴されています。
「何が欲しいかと尋ねれば、人は皆『もっと速い馬』がほしいと答えるだろう」
“If I had asked people what they wanted, they would have said faster horses.”
顧客は「今あるものの改善を求める」ので、顧客の声を聞いているだけでは全く新しい技術である「車」というものは生まれないんだ。という話らしいです。「顧客が求めるものは何か本質を追求し、「早く移動できる手段」として価値を提供することが重要だ」という点は、弊社インゲージのvalueとして希求する精神に近いものを感じます。
さて、プロダクトとして納得できる反面、顧客対応担当のkamikiとしてはこうも思うわけです。
「速い馬が欲しい人は、車を買ったあとどうなるのか」
速い馬が欲しいと思っていたユーザが、車というプロダクトに興味を持って購入したとします。
早速車を使ってみよう!と鞍を準備し始めちゃったとしたら大変です。当然すぎて忘れがちな部分だとも思うので強調しますが、プロダクトが異なれば、運用が異なります。馬に乗るためには鞍が必要ですし、車には車専用のガソリンが必要です。
速い馬を求めていたユーザーが、車という全く新しいプロダクトに触れることにより、最初は戸惑うかもしれません。これは私たちが提供するRe:lationのようなツールでも同様です。今までのツールに慣れた顧客にとって、全く新しいツールを導入する際には、適切なサポートが不可欠です。
私たちカスタマーサポートチームでは、常に顧客に寄り添い、問題解決に取り組む姿勢を大切にしています。新しい技術やツールを導入することで、顧客がどれだけ業務を効率化できるか、そのプロセスに深く関わることができるのが一番やりがいのある部分です。
今回は、インゲージが車を提供していると仮定して、車を買ったユーザからの問い合わせ想定を用意してみました。その上でインゲージのカスタマーサポートとして、適切な回答を考えてみます。
「車に鞍をつけられない」という人に回答する
今まで利用していたプロダクト(馬)と運用が異なるという部分についてご説明する必要があるお問い合わせです。
あなたが車のカスタマーサポートだとすると、どのような返答をしますか。
私が大事だと考えているポイントは以下の3つです。
・ユーザの立場と状況を理解する
・ユーザの質問に対して回答する
・状況に沿った提案を行う
ユーザの立場と状況を理解する
まず、このユーザの属性を把握する必要があります。属性や立場によって回答する内容も異なるからです。
例えば、導入を検討している段階のユーザであった場合は馬の運用を引き続き行おうとしている可能性があります。その場合はまず「車」というものを理解いただく必要があります。しかし、すでに契約して長いユーザからの問い合わせの場合、実はこの部分に長期間悩んでいた、という可能性も生じます。
正しいユーザの立場を把握していないと、顧客に寄り添った回答からずれてしまいます。なのでこの部分はとても大事な作業です。
ユーザの質問に対して回答をする
問い合わせなのだから当然なのでは、と考える方もいるかもしれません。
しかし、一般的なコミュニケーションの場合、実は無意識に回答を省略していることがあります。
「昨日のドラマみた?」
「主演がいいよね」
こんな会話の場合「ドラマを見たのか、見ていないのか」という質問には答えていないんですね。「主演を知っているのだからこの人はドラマを見ている」ということを問いかけを行った人間に考えさせている状態です。
しかしお問い合わせに対する回答として、認識に齟齬が生じる表現は避けたいと考えます。
なので、まず質問にはしっかり回答をする必要があります。
状況に沿った提案を行う
「できません」と伝えるのは簡単ですが、私たちの目指すべきところは「ではどうすればお客様のニーズを満たせるか」という点にあります。お客様が馬に鞍をつけたいと希望している場合、それに代わる解決策を提供することがカスタマーサポートの使命です。いずれにせよ私たちの提案についてどのようにするのか、最終決定はお客様にあります。
上記を踏まえた上で考えますと、私がこのユーザへ最初に行う回答はこんな感じでしょうか。
「お問い合わせありがとうございます。
馬から車への切り替えをご検討中でしょうか。<状況の確認>
恐れ入りますが、車の座席には鞍を設定することができません。<回答>
別商品となりますが、車の座席に設置できるシートのご用意がございます。<提案>
シートであれば座席に設置が可能となりますが、いかがでしょうか」
ユーザの立場を決めつけずきちんと理解した上で提案ができるように、最初の回答は修正ができる余地を残すように意識しています。
でもこれが正解なのかは、ユーザにしかわかりません。顧客対応チームでは、チームメンバー同士互いにサポートし合いながら、ユーザにとっての正解を探し続けています。
運用をサポートするということ
Re:lationはメールサーバやユーザのセキュリティ機能、そのほかのチャネルなど様々なサービスと関わるサービスになります。そのため、お問い合わせは、一問一答で回答できる内容にならない場合がほとんどです。
お問い合わせ対応の難しさとも言えますが、だからこそやりがいのある部分にもなります。
その分、顧客から感謝の言葉をいただける瞬間は何よりも嬉しいものです。
今や車は現代社会になくてはならない存在です。しかし、今日のように「あって当然」に至るまでには、多くの人々が頭を悩ませていたことでしょう。そして悩んだ分だけ、車が当然となったこの状況が喜ばしかったに違いありません。
「Make IT Easy」
インゲージはITを通じて人々の暮らしに喜びをもたらすことを目指します。
ITをもっとカンタンに。これがインゲージの目指す姿です。Re:lationがなくてはならないツールになるために社員一丸となって邁進してまいります。
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