絵心の教室

人をつなぐ、自分を発見する、絵心の教室。LINE公式アカウント→https://lin.ee/lHSTmX ・ 技術を教えるのはおとなの美術室→ https://otonanobijutsu.com/illustration/creative-dessin-basic

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絵の練習をするときの心の持ち方

絵を描くときに心をコントロールするのはとても重要です。 基本的な心がけとしては、まず結果を求めないことです。 いい絵を描きたい、誰かに褒められたい、はやく完成させよう、など、 結果を求めると焦りにつながります。 焦ると手が硬くなって思うような線が描けなくなったり、 落ち着いて観察することができなくなってしまいます。 特に練習をするときは、そのときの結果は全く気にすることはありません。 上達するための作業に集中すれば、結果は後からついてくるからです。 逆に、良い結果だ

    • ドローイングレッスン 自分のリズムで描こう

      長い時間描くのが得意な人もいれば、 短い時間で描いた方がいい人もいます。 時間をかけて描きこめば良いものになるとは限りません。 モチーフや自分に合っている手数や時間の長さがあります。 マラソンが得意な人もいれば100m走が得意な人がいるように、 しつこく描き込んだデッサンがいい人もいれば、 さらっと描いたクロッキーががいい人もいるのです。 みんなで同じ大きさの紙で、同じものを、同じ時間の長さで描くのではなく、自分の力が一番発揮できる条件を選んで描きましょう。 今回の画

      • 立体的に描くコツは自分とモノの位置関係

        立体的に描けない理由は距離と角度が認識できていないからです。 距離と角度というのは、自分と対象との位置関係です。 絵や写真の模写、スマホやタブレットを見て描く練習をしていると、位置関係がないので距離も角度も絵を描く時に意識することがないのでどれだけたくさん描いても成長することはありません。 わかりやすいように図で説明していきます。 身近な物を動かして自分と物の距離感を一緒に感じてみましょう。 図1 りんごは目線より下にあります。 この時にリンゴはどのように見えるのかとい

        • 立体的に絵を描けない人が増えたのはスマートフォンが原因

          人が絵を描く能力が低下しているのはテレビやスマートフォンの画面ばかり見るようになったから奥行きを認知する能力が低下しているのです。 写真や映像には奥行きも形もないから空間や立体を認識する力が身につきません。 野球や格闘技のゲームをしても、実際に飛んでくるボールやパンチに対処できるようにならないのは、画面の中を見ているだけでは距離感が身につかないからです。絵を描くときも距離感が大切です。 認知できないものは描くことができません。 だから奥行きのある立体的な絵を描くことができ

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        • 絵心の部屋
          12本
        • 描く技術
          4本
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          5本

        記事

          子どもと一緒に

          作品の生まれる過程に関わることができるのは、美術を教えることの最大の魅力だと思う。教えるときに特に大切にしていることは、作品をよくみることと、作っている人の気持ちを理解しようとすることだ。作品を見ただけではわからないことが話しを聞いて分かることがあるし、話しを聞いてもわからなかったことが作品を見て分かることもある。 作っている本人も自覚できていない形にならない想いや言葉にならない想いを、 一緒に考え探ることで作品を進める手助けができればと思う。 完成度の高さを求めるよりも、

          子どもと一緒に

          子どもに美術を教えるとき

          子どもに絵を教える時に大事にしているのは、彼らがもともと持っている可能性を広げる手助けをすることだ。 具体的にやっていることは ①興味を持ちそうな素材や画材をたくさん用意すること。 ②その素材の可能性を示して見せること。 ③上手くいかないときは少しだけ助けてあげること。 絵を描きましょう、工作をしましょう、じゃなくて絵を描いたっていいし、工作をしたっていい。何をするのかは彼らが決める。描こう、とか作ろう、と言わなければならない状況は興味を引くものが用意できていないという

          子どもに美術を教えるとき

          自信を持って線を描けば相手に伝わる絵が描ける

          これは60代の男性が初めて描いたクロッキーだ。 彼は自分を信じて確信を持って線を描いていた。 すごい集中力だった。 手の厚み、指の太さが表現されている。 それぞれの指の形、長いシワ、短いシワの表情を丁寧に描き分けている。 アタリは付けない。消しゴムも使わない。 この線で決めようと思って描くのだ。 間違えても良いから自信を持って線を描くのが大切だ。 よく観察をして自分が正しいと信じた線を引く。 間違えていたら直せばいい。 でも初めから間違えていると思いながら描いてはいけ

          自信を持って線を描けば相手に伝わる絵が描ける

          観察力が自然に身につくクロッキーの描き方

          描き方のポイントは線の長さと描く速度練習は必ず実物を使って描くように。 写真じゃダメですよ。 ◎長い線で描きます。 必要のないところで線を切らないで描いてください。 本当にはじめての人は一筆描きでいいです。 そうやって描いていると、ここはどうしても線を切って描かないとおかしい、 線を切りたいと思うところが出てきます。 そのときは線を切って描いてOKです。 長い線で描く理由は線をコントロールする力をつけるのが目的です。 自分が描きたい線を狙った通りに描くトレーニングです

          観察力が自然に身につくクロッキーの描き方

          絵の具の色はディスプレイの色よりも美しい

          久しぶりに絵の具をチューブから出したら感動した。 毎日描いていた頃は当たり前で気がつかなかったけれど 絵の具の色は美しい色をしている。 そこに気がついたのは8ヶ月ほどiPadで絵を描いていたからだ。 画面の中の色は本当に均一に塗りつぶすことができるし、 理想とする色に調整するのも簡単だけど生の色には全く敵わないんだ。 物より情報の時代だけど、ぼくは疑いを持っている。 インターネットで手に入る情報と、自分と同じ空間に物があり、 匂いがあり、手で触れることができることは全く違

          絵の具の色はディスプレイの色よりも美しい

          デジタルで描くときは頭で描く、アナログで描くときは心で描く

          思考を描くiPadで描いていると気は、描きたいイメージに合わせてブラシを選択したり、色を選択して描く。痕を残さずに簡単に消すことができるしコピーすることもできるから、色々な表現を合わせる実験もできる。 これだけ表現のコントロールが効くと、思い通りの絵を描こうとしてしまう。 頭で考えた絵を考えた通りに描こうとしてしまうのだ。 想像を描く絵の具でも鉛筆でも画材を扱うのは難しい。簡単にはコントロールできない。 同じ色を作ったりはみ出さないように均一に塗るだけでも一苦労だし、間違

          デジタルで描くときは頭で描く、アナログで描くときは心で描く

          初心者はまず輪郭に集中して描こう

          目から入る情報には色々な種類がある。 その情報を分類すると観察はわかりやすくなる。 基本的な要素を挙げると 輪郭、色彩、明暗、距離、角度、形、質感、動き、などがある。 自分がこの中のどの要素を見て描いているのか認識できていれば 絵を描く時にあまり苦労することはないはずだ。 これが全くわからないようだと描くのは大変だ。 調味料の種類がわからずに料理をしているようなもの。 砂糖と塩の区別もつかなかったら美味しくつくれるはずがない。 わからない人はまず輪廓だけに着目して描い

          初心者はまず輪郭に集中して描こう

          「観察」は「感覚」だから対面でないと伝わらない

          観察の方法は対面でしか伝わらない。 観察は見ることだ。 見ることは感覚だから言葉で伝えるのは難しい。 味とか匂いと同じでその場で体験を共有しないと本当のことは伝わらない。 文章も動画も伝えることができるのは「情報」だ。 動画で見ると簡単に見えるから分かった気になるけれど、 実際に現場で体験することは全く違うのだ。 本当の面白さ、奥深さは体験しなければ伝わらない。 動画ばかり見ている毎日が充実しないのは当たり前だ。 絵を描くときは観察が重要だというわりに 観察について書か

          「観察」は「感覚」だから対面でないと伝わらない

          絵を描くのは難しいから面白い。だからぼくは難しいことを教えている。

          絵を描くのは難しい。 20年以上描いているが今でもそう思う。 だから描くのは楽しいし、これからも続けたいと思う。 簡単にできたらすぐに飽きてしまう。 誰でもできることじゃ自尊心が満たされない。 インターネット上には簡単に描けるようになるらしいテクニックや、 動画で学べる、なんて甘い言葉が溢れているけれど、 すぐに身につく、簡単にできる、動画で十分習得できる知識や技術でできることなんて、たかがしれているし、難しいことを隠して誤魔化しているだけだ。 そんなものは子供騙しにすぎな

          絵を描くのは難しいから面白い。だからぼくは難しいことを教えている。

          自分が生きていることを確かめるための絵画

          私が絵を描くときに大切にしていることは、 自分が本当に描きたいものを描くことです。 世の中で流行しているものや、 誰かに喜んでもらう、評価してもらうために描くことはありません。 なぜなら自分自身が本当に関心があるものを描くことほど 面白いことはないからです。 描く過程は山あり谷ありで刺激的なものだし、 自分自身が本当に心から納得いくものが仕上がったときには 他には替え難い感動があります。 他人の評価や時代の流行りのようなうつろいやすいものよりも、 自分が生きている手応えを

          自分が生きていることを確かめるための絵画

          解ったら描けるわけじゃない 描けるようになったら解るのだ

          彫刻家のロダンは自然から学べと言った。 絵の勉強は観察をすることにあるのだが、 知識を得ることと思っている人が多いように思う。 新しい知識を得ることで描けるようになる、と思っている。 描けない理由のほとんどは、知識が足りないからではなく、 客観的な観察ができなくて間違いが見つけられないことと、 遠近感の表現ができないことです。 どちらも地道な実技の実戦で身につくもので、 筋トレと同じで身体を動かすことなのです 絵を添削したときに、自分の絵のどこがおかしいと思うかを尋ね

          解ったら描けるわけじゃない 描けるようになったら解るのだ

          早く描けるようになりたいならば、デッサンよりクロッキー

          早く描けるようになりたい人はデッサンよりクロッキーをするといい。 長くて10分、3〜5分程度がちょうどいい。 時間をかけるほど正確に描けるようになる と思っている人は多いがそれは間違いだ。 デッサンは時間をかけて何度も修正を重ねて描くので、 直すことを前提に描く癖がつく。 最後にきっちり仕上げれば良いと思うから雑な線が増えて 線の精度が上がらないことがある。 クロッキーは直す時間がないから、無駄な線を減らして丁寧に描くし、 表現するために必要最低限の線を探すようになるから

          早く描けるようになりたいならば、デッサンよりクロッキー