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ガルムを深掘りしてみる

先日釣り上げたトンボ(ビンナガ)の血合い。

血合いは栄養価が高いので、栄養満点なガルムができないか実験してみます。

ガルム(Garum)は、古代ローマで広く使われた発酵魚醤で、現代のナンプラーや日本の魚醤の先駆けとされる調味料です。
以下に、ガルムの詳細について説明します。

ガルムの起源と歴史
起源
ガルムは古代ローマ時代に広く使用されていた調味料で、特に紀元前1世紀から紀元後2世紀にかけて盛んに生産されました。

名前の由来
「ガルム」という名前は、ギリシャ語の「γαρόν(garon)」に由来し、これは発酵魚醤を指します。

生産地域
地中海沿岸地域(現在のイタリア、スペイン、北アフリカなど)で盛んに作られていました。特にスペインのカディス地方やイタリアのポンペイなどが有名でした。

ガルムの製造方法
1. 材料
- 新鮮な小魚(アンチョビやカタクチイワシなど)
- 粗塩
- 水(必要に応じて)

2. 製造工程
1. 魚の準備
- 新鮮な小魚を洗い、頭と内臓を取り除きます。
2. 塩漬け
- 魚を粗塩と一緒に層状に積み重ねます(魚→塩→魚→塩の順)。
3. 発酵
- 塩漬けした魚を蓋付きの容器に入れ、風通しの良い涼しい場所で6ヶ月から1年間発酵させます。発酵が進むと、魚から液体が出てきます。
4. 液体の抽出
- 発酵が完了したら、容器の底に溜まった液体を布やフィルターで漉してガルムを抽出します。

ガルムの用途
調味料として
ガルムは料理に旨味を加えるために使用されました。特に魚料理や肉料理、野菜料理、ソース、スープなどに使われました。

保存食の加工
ガルムは保存食の加工や調理の際にも使われ、塩味と風味を補うために利用されました。

ガルムの現代版
- ガルムは現代では極一部でしか作られていない印象ですが、イタリアでは「コラトゥーラ・ディ・アリーチ」というアンチョビを使った魚醤が類似の製品として知られています。
- また、東南アジアのナンプラーや日本の魚醤もガルムに似た製品です。

ガルムの文化的意義
- ガルムは古代ローマの食文化において重要な役割を果たし、料理の多様性と風味を豊かにするために欠かせない調味料でした。
- ローマの料理本や文献にも度々登場し、その普及度の高さがうかがえます。

ガルムの製造と使用は、古代の知恵と技術が詰まった調味料であり、現代でもその製法を知ることで、古代の食文化を垣間見ることができます。

主要な文献とその内容

1. プルニウスの『博物誌』
- プルニウス(Pliny the Elder)は、ガルムを「魚の内臓や他の廃棄部分から作られる」と記述しています。また、地域や時代によってレシピが異なっていたことも記載されています。

2. アピキウスの『料理書』
- アピキウス(Apicius)の料理書には、ガルムを使用した多くのレシピが含まれています。これには、ガルムを他の液体(ワインや酢)と混ぜて作るオエノガルムやオクシガルムなどのバリエーションも含まれています。

3. セネカの『書簡』
- セネカ(Seneca)は、ガルムについて否定的な見解を示し、「腐敗した魚の内臓から作られる高価な調味料」と述べています。彼の家族がバエティカ(現在のスペイン)出身であることから、地元の特産品に対する批判とも取れます。

4. ガレノスの『医学書』
- ローマ時代の医師ガレノス(Galen)は、ガルムを薬用に使用しており、下痢や消化不良に対する治療法としてガルムを推奨しています。

5. マルティアリスの『エピグラム』
- 詩人マルティアリス(Martial)は、ガルムについて詩の中で触れており、その強い香りと風味について記述しています。


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