マガジンのカバー画像

書籍レビュー

87
書籍レビューをまとめたマガジンです。
運営しているクリエイター

#アメリカ

書籍レビュー『アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲』町山智浩(2009)アメリカで活躍するアスリートは2400人程度

書籍レビュー『アメリカは今日もステロイドを打つ USAスポーツ狂騒曲』町山智浩(2009)アメリカで活躍するアスリートは2400人程度


在米日本人の
コラムニストが書いた著者の町山智浩氏は、
映画評論家、コラムニストの
在米韓国系日本人です。
(父が在日韓国人1世だった)

そのキャリアは'80年代に
マンガやアニメを扱った出版物を
制作していた
スタジオ・ハードにはじまり、

宝島社の編集者を経て、
洋泉社への出向、
『映画秘宝』の創刊に至ります。

『映画秘宝』に町山氏が
連載していたコラムが、
『〈映画の見方〉がわかる本』

もっとみる
書籍レビュー『ハツカネズミと人間』ジョン・スタインベック(1937)カリフォルニアの雄大な自然、徐々に高まる不穏な空気

書籍レビュー『ハツカネズミと人間』ジョン・スタインベック(1937)カリフォルニアの雄大な自然、徐々に高まる不穏な空気


アメリカ文学の巨人、スタインベック本作を手掛けたスタインベックは、
「アメリカ文学の巨人」
と言われた作家で、
生涯で27冊の著作を発表しました。

それらの多くは
西洋文学の古典とされており、
とりわけ重要な作品は、

ピューリッツァー賞を受賞した
『怒りの葡萄』('39)です。

当時の経済恐慌を反映し、
カリフォルニアにやってきた
移民の農民たちと資本家の
摩擦が描かれています。

'52

もっとみる
書籍レビュー『スタンド・バイ・ミー』スティーヴン・キング(1982)きっとあなたにもあるはず、輝かしい思い出

書籍レビュー『スタンド・バイ・ミー』スティーヴン・キング(1982)きっとあなたにもあるはず、輝かしい思い出

きっとあなたにもあるはず、
輝かしい思い出オーストリアの詩人・
リルケ(1875~1926)が
こんな言葉を残しています。

この言葉を読んだ時、
私は本作のことを
思い出しました。

以前から映画版は
大好きだったんですが、
原作ははじめて読みました。

スティーヴン・キング原作の
映画は他にもいろいろ観ていて、

デビュー作の『キャリー』、
『シャイニング』、
『ショーシャンクの空に』

いず

もっとみる
書籍レビュー『アポロってほんとうに月に行ったの?』エム・ハーガ(2002)もしも、アレが全部ウソだったとしたら……

書籍レビュー『アポロってほんとうに月に行ったの?』エム・ハーガ(2002)もしも、アレが全部ウソだったとしたら……

「アポロ計画」とはポルノグラフィティが
'99年に発表した
メジャーデビューシングルより
引用させてもらいました。

この歌詞のモチーフとなっている
「アポロ計画」は、

'62~'72年にアメリカ航空宇宙局
(NASA)が実施した
人類初となる月への
有人宇宙飛行計画です。

アポロ1号では、
予行演習中の火災事故で
3名の飛行士が死亡する
痛ましい事故もありましたが、

'68年のアポロ7号で

もっとみる
書籍レビュー『解錠師』スティーヴ・ハミルトン(2009)運命を狂わせる類まれなる才能

書籍レビュー『解錠師』スティーヴ・ハミルトン(2009)運命を狂わせる類まれなる才能

かわいらしい表紙に惹かれて本書の表紙を見た時に、
ビビッとくるものを感じました。

これまでに
表紙やタイトルに惹きつけられて
思わず手に取った本が

ものすごく自分に合う本だった
というのは、何度かありましたが、

これもまたそんな一冊でした。

『解錠師』とは、
なんとも渋いタイトルですが、
表紙のかわいらしさが
それを中和している印象ですね。

原題は『The Lock Artist』、

もっとみる