プロローグ「家族になれたよ」〜六角家との出会い〜
あれはまだ家族の仲が良い頃の話だった。公務員として働く父と専業主婦の母、思春期に突入する前の3つ上の兄と小学生の僕。世間一般の核家族。なんの変哲もないありきたりな4人家族でもそこには幸せが溢れていた。
そんな家長家は毎週金曜日、父の仕事が終わると近所のラーメン屋によく食べに行った。父はウィークデイのストレスを、母は家事に追われる日々から束の間の解放。子供だった僕たち兄弟、外食は一大イベント。笑顔満開、金曜日のパーティーだった。
そのラーメン屋の名前が【六角家】
当時