#おすすめミュージカル
[舞台感想] ラブ・ネバー・ダイ:美はその対価ゆえに美なのか
どのバージョンであるにしろ、この、ベルエポックの時代の、クリスティーヌという天賦の歌姫と辛いハンデを背負った才能の塊のファントムと、それに巻き込まれる人々がうごめく世界観が大好きなんだなと、改めて気付かされたという話です。2回観た感想でがっつりネタバレします。
概要
オペラ座の騒動から10年後の米国。マダム・ジリーとその娘のメグ・ジリーはファントムを匿ってニューヨークの海岸のサーカスのよう
[観劇感想] ミュージカルSIX (来日版):みんな違ってみんな良すぎるQueens
楽曲の一部とYouTubeの断片的な情報しかなかったにもかかわらず、リピーターのような気分で観に行ったところ、思ったよりめっちゃわかりやすくて面白い作品やん、となった話です。
ネタバレします。
概要
ヘンリー8世の6人の(元)妃たち(キャサリン・オブ・アラゴン、アン・ブーリン、ジェーン・シーモア、アナ・オブ・クレーブス、キャサリン・ハワード、キャサリン・パー)が、グループを結成して各ソ
[感想] Next to Normal:みんな辛いし時間もかかるというリアリティ
シアタークリエの公演のリセールチケットを入手できたもの。退団されてからはるかにパワーアップされた望海風斗さんのパフォーマンスとスマートな脚本が、本当に本当に素晴らしくて涙が止まらなかったという話です。
ネタばれします。おすすめです。
概要
精神疾患を抱える主人公ダイアナとその家族を中心としたそれぞれの苦悩と治療のプロセスを描いた、キャスト6人で約3時間みっちり詰めこまれたストーリー。幻
[ブロードウェイ感想] The Great Gatsby
概要
フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」の約半年でブロードウェイにやってきた2024年新作ミュージカル。1920年代を舞台にした、一人称で紡がれるニューヨークという華やかな都会のシビアさ・アメリカンドリームの現実を描いた名作古典。2度の映画化、多分舞台も今回が初めてではないはず、というかボストンでRachel Chavkinによるガチ系ミュージカルが現在公開中という、米国はなおさら教
[ブロードウェイ感想] Lempicka
概要
Tamara de Lempickaという1920年代と1970年代の2度ブームを呼んだ実在のポーランド人画家(女性)の波瀾万丈な半生を描いた2024年新作ミュージカル。Directorが5年目を迎えたHadestownと同じRachel Chavkin。主演2人がトニー賞にノミネートされているにも拘わらず、3か月余りで閉幕してしまったもはや幻の作品。Lempickaは一応キュビズムにカ
[ブロードウェイ感想] Book of Mormon
概要
モルモン宣教師バディがウガンダでの活動を命じられ、文化や社会問題にショックを受けながら住民と交流を深めていくコメディミュージカル。モルモン教を特別ターゲットにするというより、一般的に宗教の経典ストーリーやその宣教活動のくだらなさを風刺しつつ、ウガンダの諸々の社会問題(武装組織、HIV/AIDS等)もがっつりネタに入ってくる。トニー賞受賞。
好きなところ
王道ミュージカル風でパロディが引
[ブロードウェイ感想] CHICAGO
概要
舞台はそのままシカゴ。実話が元ネタという、殺人を犯した女性2人がメディアと弁護士のビジネスの食い物にされながらスポットライトを求めて生き抜いていく、という辛めのコメディタッチでテンポの良いストーリー。シンプルだけれども凝った構造の舞台、黒のミニマムな衣装、終始シニカルな音楽とダンス、人間の身体だけでこれだけの表現ができるのかという感動を覚えました。なんとなく音楽とストーリーの動かし方にH
[ミュージカル感想] ファントム比べ
2019年雪組、望海風斗・真彩希帆ペア、中村一徳演出のファントム(以降「宝塚版」)と、配信のおかげで海外からも観ることができた城田優演出&2役の2023年ファントム(以降「城田版」※加藤和樹ファントム、城田優シャンドン伯爵)について、1993年のアメリカ版音源も仕入れて、良いところ・好きなところ、感じたテーマの違いをノーソースで勝手に考察しています。とにかくファントム好きだわ、という話です。
[ブロードウェイ感想] Hadestown
概要
日本にそのうち上陸しそうでまだ上陸していないイチ押し作品。ギリシャ神話のハデス王とペルセフォネ、エウリュディケとオルフェウスの2組のカップルのラブストーリーが軸になったやや比喩的なミュージカル。地下の世界/冥界が化石燃料と貨幣経済がモチーフの工場となっている。よく回転するインダストリアルなテイストの小さめセットが舞台で、ミュージシャンも物語に参加はしないがその場に居合わせる。冒頭からヘル
[ブロードウェイ感想] Beetlejuice
概要
つい最近日本でも公演されていた、ティムバートンの同名映画がベースのミュージカル。ツアー公演をボストンで観ました。ビートルジュースという孤独なトラブルメーカー、今一つ決断力がない幽霊夫妻、自分の世界でいっぱいの父親とその新しいパートナー、といった残念な大人たちを半面教師にしながら、また、彼らと協力しながら、主人公の女の子が母親を亡くした欠落感を克服し、成長していく物語。ビートルジュースが色