『実は簡単！！現代社会の攻略法』

2020年8月29日 16:54

どんなビジネスでもうまくいってしまう方法である。
どんな学生でもうまくいってしまう方法である。
加えて、主婦層、クリエイティブな活動をされている方もだ。
それは“現代”というくくりの枠の中に存在しているからに他ならない。
“今”しか使えない攻略法が存在する。

これは、本来であるなら、経営コンサルタントの人やセミナーで収入を得ている人へ卸す情報で、まずは卸し値で買っていただく情報である。
それを公演や外注経営テコ入れで膨らまし利益を得ていただく。勿論、結果が出る為の情報なのでそれを聞いて情報を手に入れた人々は莫大な利益を得る。

そう語ったのは、わたしが兼ねてから和尚さんと呼んでいる人物である。なんでも、昔は証券会社のエリートで、独立しIT企業で成功した経歴があるらしいが、ある時“はさんがなんとか”で悟りを開いた人物だ。
わたしが初めその坊主頭の見かけから和尚さんと呼ぶと否定していたのだが、200回ぐらい呼んだあたりから「うんうん」と認めたのだ。

ほぼ毎日、公園のアルミ缶を集めている人で、公園で遊んでいるわたしや小学生たちに小石を集めてくるように指示する。そしてそれをアルミ缶に入れる。意味はよくわからないが「キロあたりの金額だから」との事だ。一回、釘を入れようとしたら「磁石の探知機でバレる」と怒られた。あまり複雑な事を考えられないわたしにはよくわからない難しい話だ。
毎回報酬としてやらしてもらっている、そのつるつるの坊主頭をペチペチ触らしてもらえればそれでいい。

和尚さんは「おれは悟りを開いてるから」とよく言う。わたしには悟りの意味がよくわからないのだが、わたしもそうであるんだとどうにか認めてもらおうと、よく、股を大きく開いてアピールしている。座って大股開きでアピールしているのだ。小学生たちも真似して、和尚さん一人を、わたしと二十名ぐらいの小学生たちで円を描くように囲み、アピールしているのだ。

偶然、それを見ていた小学生の父兄に、PTAの定例会で“おぞましい光景”と紹介された。
人は自分もやりたいが勇気がなくできない場合、それを批判する傾向にある。

そんな和尚さんから、現代社会の攻略法を聞いたのだ。
服は汚れていて一見貧乏そうだが、“毎日仕事をしていない”、“ポケットに折れたベンツのエンブレムを入れている”以上の事からセレブである事がわかる。
卸値で数百万はする情報を、今回、わたしは期間限定キャンペーンで無料で紹介したいと思う。

以下

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（バナナ味）

社会はあらゆる場所において組織で成り立っている事が多い。組織を運営する者から賃金をいただいて生活をしている者が大多数である。通貨は人から人へ渡るのだ。
自営業、クリエイター、等であっても売り手と消費者の少なくとも二人以上の摩擦から貨幣が生じる。学校の先生と生徒の関係でも学生にとって貨幣と同等の知識は二人以上の所から生じる。本は著者がいてこそ。主婦の生活収入然り。時給自足でも“現代社会人”である事から逃げられない世の中であるからにして国やら生産物であったりなんらかの人の恩恵がどこかに存在しているはずである。

つまりは、偽造通貨犯でもない限り、財という中間媒体は、発生しえないのである。

我々は主観を基盤とするこの実存的世界で、その中間媒体を使って幸を手に入れようと労働を行う。人と人とが繋がりあった場合、各々から見えるそれぞれの世界が開けるのだ。

これは脳内の神経伝達物質と受容体の関係と似ている。
飛ばし手と受け手による産物が認識という発露となりひとつの実存世界を作る。
飛ばし手受け手が人でなくとも成立するが、今論じているのは現代社会において欲求を充足するという事に焦点を当てているという事を忘れてはならない。

ちょっと、待ってよ。
今、これを書いている途中に、チッチが窓の方に止まっている。チッチの方に行ってこうね。

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チッチの方に行ってきた。
チッチ、逃げた。
チッチは別名“鳥”というのだが、わたしは幼き頃、母よりそう呼ぶと習った。まだ齢幾ばくの自分の息子に虚言を投げ掛ける親などいるはずはないから、間違いなくあれの正式名称はチッチである。
チッチと遊んだら楽しいよ。今もテンション上がってソファーでジャンプしてる。

現代社会の攻略法、
それは“話をよく聞く”という事である。
わたしはその攻略法を知らなかった時代には、映画館などでもスクリーンからの声にも耳を傾けず、ずっと後ろの方を見たり、前の広場の所で一人でトランプをしていたりしていた。
しかし、ちゃんと話を聞くようになってから映画が楽しめるようなのなったのである。

自分が師と仰ぐ人の話をちゃんと聞く事が大切なのである。わわたしは、小学校の時に担任の先生の話をちゃんと聞かないでえらい事になった事がある。
教室の黒板の上にあるスピーカーの壁の裏には人が入る所があって、裏から誰かが喋っていると思っていた。
なぜなら時々そこから、放送部員の人や校長先生の声が聞こえるからだ。

そこでわたしは校長先生に直談判しようと休み時間にスピーカーに向かって「校長先生！給食にグリコのキャラメルを出してください！」とずっと話していたら、そのうち授業が始まってしまった。

足を黒板下方のチョーク置き場の所に足を掛けてスピーカーに向かって喋っていたのだが、わたしの後方で先生が授業を始めたのだ。本来なら先生の話を聞かなければならないのに。
足が疲れて腰を落とすと、先生の両肩にわたしの両太ももが乗ってしまい、前後ろ逆肩車の状態で授業が進んでいった。
先生は前が見えてないので、わたしがナビゲートしなければならない。
「右、右！左！左！」
好きな人の前で恥ずかしかった。
先生も、後から恥ずかしかったと言っていた。

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わたしは、サラリーマンというものをした事がない。
だが、バイトをすると社員さんなどと絡む事などはある。
ある日、お偉いさんとかがいるオフィスで、普段は接する事のない部長さんが言っているのを聞いたのだ。

「パソコンが壊れた」と。

お昼休みになるとその部長さんはどこかへ行ってしまった。
ここでパソコンを直したりしたら時給がアップする可能性がある。
人の話を聞いていたから巡ってきたチャンスである。
直す！わたしは決めた。
祖父からだいたいの電化製品は叩けば直ると教わったので、部長のパソコンをガンガン叩いていたら課長がこちらを目を見開いて見ていた。
きっと、手柄を取られると焦っているに違いない。わたしは、昼休みが終わるまでに急いで直そうと、助っ人の小学生を大勢呼んでみんなで部長のパソコンを叩いていた。
結果、ヘコんだ。
じゃがいものようにぼこぼこになっているが、心配はない。部長は肉じゃがが好きだと言っていた。
本来あった姿よりパワーアップすれば、感激して喜んでくれるはずである。

改造なら、得意である。
普段からミニ四駆を改造して小学生たちと公園で見せあっているからだ。
部長のパソコンをランクアップ・パワーアップさせるのだ。

ランクアップ①タイヤ、イン！
わたしは、デスクトップパソコンにタイヤを付け可動するようにした。小学生が持ってきてくれたわたしのクッキー缶にはミニ四駆の改造パーツと工具がたくさん入っているので、これぐらいはお手のものである。

ランクアップ②モーター、イン！
さらに自動で走るようにモーターを付ける。部長のパソコンは、単三電池を動力にして自動で走るのである。

ランクアップ③ジェット、イン！
煙とかが出ていたら、カッコいい。忍者ごっこをする際に使う煙玉という花火をパソコンの冷却空気穴の部分に設置する。チャッカメンで火を付けると煙を出す。

煙を出しながら部長のパソコンが走る。
カッコいい。

お昼休みなのでオフィス内にはほとんど人がいない。たまたまいた課長がずっとこっちを見ている。
「大変だこりゃ」
課長が苦い顔をしている。
それはわかっている。「大変だこりゃ」は、変換すると「てーへんだこりゃ」になるからにして、課長の言いたい事は物凄くわかる。
母はよく、わたしに「お前は世間の底辺だ」と言う。縁の下の力持ちという言葉を聞いた事がある。底辺で皆を支える凄い位置という事なのだろう。両足をガニ股にして大きく開き、握った両拳に両肘を曲げ強くガッツポーズをしたら少しうんこが漏れた。

こういう言葉も聞いた事がある。一人はみんなの為に、みんなは一人の為に。
わたしは、オフィス中にあるパソコンにタイヤとモーターを付け、走るようにした。
西部フロンティア時代、飛躍的な発展の決め手となったのが蒸気機関車の出現である。その機動力と夢への呈示は当時の人々の原動力となった。

わたしは、パソコンを連結させて列車のようにした。
先頭は部長のパソコンで、蒸気機関車のようにそれだけが煙を出す。

小学生たちと一緒に、パソコン列車を廊下へ出す。

廊下から、列車は走る。

煙を出しながら走っている自分のパソコンを見て部長は、顔を赤くして興奮していた。

これからゆく、会社の良き展望が見えているのだ。

志高き者が乗る列車がある。
もちろん、これをここまで読んでくれている、
あなたの席もある。

さあ、みんなで、
あの、平和で素敵な世界まで。

エンディングテーマ

『TRAIN-TRAIN』
歌：THE BLUE HARETS

♪
栄光に向って走るあの列車に乗って行こう