一番星

元セリ人として築地→豊洲市場で10万匹以上の本鮪を選別 毎年、買い付けのためにモロッコやポルトガル、スペインなどを訪れ各地の美味しい魚料理を食べてきた これらの経験を活かし、日本の魚食文化のためにこれからの人生を捧げる https://linktr.ee/ichibanboshi

一番星

元セリ人として築地→豊洲市場で10万匹以上の本鮪を選別 毎年、買い付けのためにモロッコやポルトガル、スペインなどを訪れ各地の美味しい魚料理を食べてきた これらの経験を活かし、日本の魚食文化のためにこれからの人生を捧げる https://linktr.ee/ichibanboshi

マガジン

  • 解凍方法

    解凍をおろそかにする者、素材を語るべからず。私が築地で10年以上毎日まぐろを解凍する中でたどり着いた究極の解凍方法です。別次元の美味しさをお楽しみ頂けます。

  • 北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業

    私がセリ人時代に経験した海外出張での奮闘記をまとめました。1人の人間として成長していく姿を感じて頂ければと思います。

  • 一番星が考える正しい冷凍まぐろの楽しみ方

    一番星ではまぐろの味を決める要素を 素材40% 解凍30% 食べ方30% と位置付けています。 それぞれの重要性についてまとめてあります。

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    一番星鮪おまかせセット

    美味しい鮪がたっぷり詰まった一番星鮪おまかせセット。本鮪、みなみ鮪、めばち鮪、きはだ鮪の中から、時々の美味しい鮪をセレクトし詰め合わます。 一番星鮪は、長年の経験と技術を持つ職人が手掛けるお店です。美味しい鮪を厳選し、盛り付けまで一つ一つ丁寧に行っております。大切な方へのギフトにも最適なおまかせセットです。一番星鮪は、お客様の「おいしい!」を目指し、日々取り組んでいます。ぜひ、一度味わってみてください。 一番星鮪は、美味しい鮪を通じて皆さまに笑顔や幸せをお届けしたいという想いでこのお店を立ち上げました。食べることは大切な時間です。一番星鮪のおまかせセットを食べれば、特別なひとときを過ごすことができます。心も体も満たされる美味しさをご堪能ください。 ※商品は冷凍になります。解凍マニュアルをお付け致しますので、マニュアルに沿って解凍して頂けると大変美味しくお召し上がり頂けます。保存方法を守り、お早めにお召し上がりください。
    10,800円
    ichibanboshi
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    一番星鮪おまかせセット

    美味しい鮪がたっぷり詰まった一番星鮪おまかせセット。本鮪、みなみ鮪、めばち鮪、きはだ鮪の中から、時々の美味しい鮪をセレクトし詰め合わます。 一番星鮪は、長年の経験と技術を持つ職人が手掛けるお店です。美味しい鮪を厳選し、盛り付けまで一つ一つ丁寧に行っております。大切な方へのギフトにも最適なおまかせセットです。一番星鮪は、お客様の「おいしい!」を目指し、日々取り組んでいます。ぜひ、一度味わってみてください。 一番星鮪は、美味しい鮪を通じて皆さまに笑顔や幸せをお届けしたいという想いでこのお店を立ち上げました。食べることは大切な時間です。一番星鮪のおまかせセットを食べれば、特別なひとときを過ごすことができます。心も体も満たされる美味しさをご堪能ください。 ※商品は冷凍になります。解凍マニュアルをお付け致しますので、マニュアルに沿って解凍して頂けると大変美味しくお召し上がり頂けます。保存方法を守り、お早めにお召し上がりください。
    10,800円
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水産業界の問題点と真のサスティナブルな水産社会とは

◎流通における構造的問題かつての日本の町の風景を思い出して欲しい。そこには商店街が賑わい魚屋や八百屋、肉屋を始め様々な小売り店が存在した。またそれらの小売り店に卸す問屋が幅を利かせ、流通過程において問屋は多大な影響力を有していた。「そうは問屋が卸さない。」という言葉があるほど、問屋が気に入らないお店には品物を卸さないという風潮さえあったのである。一方で問屋はプライドを持って品質を選別し責任をもって小売業者などに卸していたのである。これにより品質が保たれいたのである。ところがそ

    • 日本のマグロ船と漁獲枠

      皆さんご存じですか? 例えばアイルランドの本鮪、どこの国の人が獲っているでしょう? 私のnoteを読んで頂いている人はご存じですよね。 そう、日本人(主に)です。 タイセイヨウクロマグロは国ごとに漁獲枠が与えられておりしっかりとした資源管理が行われている。これはかつて乱獲が行われ資源が激減した歴史に基づいている。 ちなみにアイルランドという国はこの漁獲枠を有さない。 つまりアイルランド沖で獲れるマグロをアイルランド人が獲る権利はなく日本人がその権利を持つ(一部韓国と中国も)と

      • 北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業~歴史とロマン~

        ◎ヨーロッパにおけるマグロ漁の発展紀元前2500年ごろ、ティルスという都市(現在のレバノン)がフェニキア人により生まれる。この都市はフェニキア最大の都市になるが、レバノン杉を利用して造船、漁網などが発展する。これらの技術がのちのカルタゴ(北アフリカ)という国家を作り、かの古代ローマ帝国と地中海覇権争いをするまでになる。これらの歴史の中で漁業技術の発展が非常に重要な役割を果たしたようである。カルタゴは次々に地中海の主要都市を制圧。このような中で地中海西部でのタイセイヨウクロマグ

        • 北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その10

          <まとめ>その1から9までに北大西洋本鮪定置網事業を通して体験したある種の冒険記やそれを通して起きた意識の変化、そして我々を取り巻く時代の変化や問題点などを記してきた。書き始めた時点ではまさかその10にまで至ると思ってはいなかったが、ここでもう一度伝えたかった事をまとめておきたい。 ◎生命を奪う事で実感した生命の大切さその4にも書いた通り私は数千匹ものマグロの血抜きを行いそれらの生命を奪ったことになる。私は実感した。生命の尊さ、そしてまた生命を扱う生産者の仕事の尊さを。当た

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        水産業界の問題点と真のサスティナブルな水産社会とは

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        • 解凍方法
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        • 北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業
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        • 一番星が考える正しい冷凍まぐろの楽しみ方
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        記事

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その9

          <2016年シーズン~(ルパラ期)>その7でスペインのマグロ食文化について触れたが、この時期にはスペインを中心とするEU圏内に日本食レストランや寿司屋がかなり増えてきており、刺身商材としての鮪の需要が急激に増え始めたのである。その影響で定置網の網元たちが現地で消費を始めたのであるが、自分たちで刺身として現地で売ってみて初めてその鮮度感の重要さに気づき、率先して取り上げ技術の近代化を進めたのであった。彼らは実に真摯に日本側の技術提案を受け入れた。そのためにはルパラを使用してマグ

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その9

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その8

          <2015年シーズン>2014年に誰もが知っている日本一有名な24時間営業の寿司チェーンK社が日本で初めてポルトガルの定置天然本鮪を買い付けていた(その前まではモロッコとスペインしかなかった。)K社もまた私のセリ場に出荷をしてくれていた。セリで販売していくうちにあることに気が付いた。鮮度が別格に良いのである。ほとんどベタを見かけない。チヂミ率が100%に近いのである。当時セリにかけるのにサンプルとなるスライスの厚さは出荷者に7~8ミリで切るようにお願いしていた。それ未満だと薄

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その8

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その7

          <2011~2014年シーズン>◎取り上げ技術の向上(ピッシーナ期)その6で2010年に古典的な取り上げ技術が一つの集大成を迎えた話を書いた。しかしこのころからモロッコの定置網の網元が設備を改善するようになる。ピッシーナとはスペイン語でプールを意味し、取り上げ網の隣にさらに小さい取り上げ網を設置する。近代化が始まったのである。そこには70匹ほどしか入らないので必然的に1回の取り上げが70匹以下に制限され、魚の鮮度を保持できるのである。これによりチヂミ率はい平均的に70%ほどに

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その7

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その6

          <2010年シーズン>春先からの相場の高騰にも助けられ、獅子奮迅の活躍で出荷者の信用を勝ち取りつつあった。また買い人との信頼関係も構築され、囲いの顧客ができ始めた。さらなる飛躍のためにはその5でも述べたが、究極のセリの取得が必要だと感じていた。手ヤリを読むタイミングやセリ落とすタイミング一つで値段も変わるし、買い人のテンションも変わる。セリは歌と同じ、すなわちライブである。一定のリズムを刻むだけでは臨場感は出ない。セリ人のリズムで手ヤリの出し方も変わる。手ヤリの出し方で手ヤリ

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その6

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その5

          <2009年シーズン>昨年とは打って変わって最悪の状況であった。億単位の損失を出す中での出張となった。前年とはまた違う意味で憂鬱であった。 この年からICCAT(大西洋まぐろ類保存国際委員会)の取り決めによるタイセイヨウクロマグロの漁獲制限が始まった年でもあり、また相場の下げによる影響で買い付け数は前年の半分以下となった。価格も半値以下の1000円@kgで決まっていた。ただそれでもまた損をする恐怖感はぬぐいきれるものではなかった。この価格の下落により、昨シーズンと変わったこ

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その5

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その4

          <2008年シーズン>2007年に仕入れたマグロはよくわからぬまま相場の上昇とともに会社に莫大な利益をもたらした。それとは裏腹に私の気持ちは沈んでいった。そう、2008年シーズンが近づいてきたのである。前回も述べたが、仕事を覚えられぬまま帰国したにも関わらず、諸事情があり昨年同行した上司は今回は同行できず、別の上司が同行することになった。事実上私が責任者ということになった。全くもってやり遂げる自信がなかった。ましてや2か月間の船上生活を思い出すだけで、日に日に憂鬱になっていっ

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その4

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その3

          <2007年シーズン>いよいよララチェの港を出て冷凍加工船に乗る。漁場へは運搬船と呼ばれる、文字通り網場からマグロを運搬するために使う小型の船で移動する。 ↑運搬船 漁場はララチェを中心に南北に6か所ほどあり移動時間は1時間から3時間かかる。毎日通うとなると大変なので我々は基本的に2か月間、加工船で生活することになる。その年の事業は加工船を3隻チャーター約700t(3500匹)の取り上げを行った。 ◎冷凍加工船冷凍加工船とは魚を買い付ける会社が船を所有する会社に料金を支

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その3

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その2

          タンジール(タンジェ)の空港を出ると制服を着た職員風の男たちが群がってくる。頼んでもないのに荷物を勝手に運び、料金を請求してくるシステムである。モロッコではこの手のトラップが数多存在する。同行する商社の方の助言もあり難なくトラップをかわし、車に乗り込む。車を用意してくれたのはスペイン最大のマグロ生産会社Wのモロッコ定置網事業の担当者。そこから車で約1時間。私は初めてララチェ(ララシュ)という小さな漁村に向かった。そこはモロッコのクロマグロ定置網の基地となっており、日本の関係者

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その2

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その1

          <事業概要>あまり知られていないが、モロッコやスペイン、ポルトガル、イタリアのような地中海地域では古代ローマ時代からマグロ漁が盛んである。 ↑スペイン南西部のバルバテという町は古くから本鮪定置網漁が盛んで、漁期になると町をあげてマグロ祭りも行われ、レストランではマグロ料理も振舞われる。 地中海はタイセイヨウクロマグロの産卵場所になっており、毎年4月から6月にかけて大西洋にいるクロマグロが産卵のために一斉に地中海の中に押し寄せる。そこに定置網を仕掛けて一気に取り上げるのであ

          北大西洋本鮪(クロマグロ)定置網事業その1

          高級レストランM

          本鮪の買い付けで度々訪れていたララチェ(ララシュ)というモロッコの小さな漁村から車で北へ1時間ほどぶっ飛ばした所にタンジール(タンジェ)という大きな街がある。モロッコ最北部の空と海の玄関口でもあるその街は、ララチェとはかけ離れて都会的である。というよりもこの10数年の間に街は整備され見違えるほど綺麗になった。 初めて訪れた2007年はまだ、あの不朽の超名作漫画『北斗の拳』でよく悪党に襲われる村さながらであった。1980年代から見た199X年の核の炎に包まれた後のあの世界は、

          高級レストランM

          アイルランドの本鮪

          今日は私がセリ人として携わってきたアイルランドの話をしたい。 が、その前に前回の投稿で触れたカナダ産の生本まぐろの思い出について補足したいことがある。私が新卒で入社した年のある秋の日の社内食堂でのこと。当時の生まぐろのセリ人をしていた大先輩から、おかずを頂戴した。「カナディアンじゃ。食え。」と言われて口の中に入れてみた。 「旨い!」 食感も良い。赤身であったが、少し濃いめの赤身が雑に角切りされていて雑に山盛りに盛られているを鮮明に覚えている。思えばこういう雑な食べ方もま

          アイルランドの本鮪

          生まぐろ>冷凍まぐろ ではないと気づいた瞬間

          冷凍本鮪のセリを初めて5年以上が過ぎたある日のこと。 アイルランドで獲れた冷凍本鮪(当時セリ値で5000円@kg)を自宅で手巻き寿司(個人的には本鮪の最も美味しい食べ方)にして食べた翌日の出来事。 カナダ産の生本まぐろ(セリ値で8000円@kg)を楽しみに持ち帰った。 当時の私は全ての生まぐろの方が全ての冷凍まぐろよりも美味しい。だから生の方が値段も高い。と思い込んでいた。 ウキウキしながら家で手巻き寿司にして口の中に運んだ。。。 。。。あれ? 味がしない。脳内が

          生まぐろ>冷凍まぐろ ではないと気づいた瞬間