日本のマグロ船と漁獲枠
皆さんご存じですか?
例えばアイルランドの本鮪、どこの国の人が獲っているでしょう?
私のnoteを読んで頂いている人はご存じですよね。
そう、日本人(主に)です。
タイセイヨウクロマグロは国ごとに漁獲枠が与えられておりしっかりとした資源管理が行われている。これはかつて乱獲が行われ資源が激減した歴史に基づいている。
ちなみにアイルランドという国はこの漁獲枠を有さない。
つまりアイルランド沖で獲れるマグロをアイルランド人が獲る権利はなく日本人がその権利を持つ(一部韓国と中国も)ということである。
どういうことなのか?
これは長くマグロと向き合ってきた日本人とマグロの歴史によるものである。
戦後の日本の技術成長による超低温冷凍が遠洋漁業を可能にした。この段階でマグロを大々的に食す国は世界でほぼ日本だけであった。韓国や台湾、中国なども後を追うように冷凍船を造り漁に出たが、元々はこれらもほとんどが日本人の胃袋を満たすためのものであった。そう、日本は世界のマグロを独占的に消費していたのである。時は移り、一時期の乱獲の影響により資源の枯渇が目に見えるようになったのが21世紀に入ったころであろうか。そのころから漁獲枠と言うものが設定されるようになった。これらは世界の大洋(太平洋、インド洋、大西洋)の魚種ごとに設定される。日本はマグロ食先進国であり一日の長があり、接触しない大西洋やインド洋でさえかなりの漁獲枠を認められている。しかしマグロを食べて来なかったアイルランドのような国は近海でクロマグロが獲れるにもかかわらず、それを漁獲する権利がない(スポーツフィッシングは認められているが、全てリリースしなければいけないはず)という摩訶不思議な現象が生じている。
何が言いたいかというと、先人達のマグロとの歩みのおかげでこうして日本人が世界中の海でマグロを取ることが出来ている。これらは輸入されるのではなく日本の資源として持ち帰ることが出来るのである。その権利を当たり前のものと思わずに敬意を払いながらマグロを扱うべきである。昨今、買い負けが進んでいるが、日本にはちゃんと与えられた資源がある。輸入された物も良いが日本人はまずは日本の資源を大切にしましょう。といのは消費者の皆様に向けてではなく、日本でマグロを生業にしている全ての業者さん達に伝えたい。
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