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壱(ICHI)
2022年3月22日 01:15
目が覚めると、目の前にはどこか見慣れたような気がする運動場、まわりは走っている音がして、それを横目に歩き出す、鉄棒とか、縁石とか、コンクリートの道路とか、踏み出した一歩は、なんだか重怠い。白衣を着た顔のない案内人、その後ろに着いて行く、校舎の端へ進んでいき、次第に日影が多くなる、死角になった瞬間に、壁に飲み込まれる。こちらを見てる、2つの影、互いに溶け合って絡み合って、こちらを見てる、睨んでい
2022年3月21日 20:30
川の向こうに誰かがいたような気がして、水流の糸が複雑な動きをしながら、わたしの足元に絡みついてきた、繋がって繋がって、心地よく、深淵の、潜れば底が見えない場所、夢に落ちる手前にある、膜に身を包まれる柔らかい感覚が、今日の朝に挨拶をする。まだ維持できているね、今も流れ続ける川は、いずれは海につながるんだろうけど、そこに着いたら、次はどこにいくんだろう。緑の服が良く似合うきみ