マガジンのカバー画像

分身たち

22
書いた言葉は、自分から生まれた自分だと思っているので。詩がいます。
運営しているクリエイター

#毎日更新がんばる

【詩】鬼ごっこ

【詩】鬼ごっこ

目が覚めると、目の前にはどこか見慣れたような気がする運動場、まわりは走っている音がして、それを横目に歩き出す、鉄棒とか、縁石とか、コンクリートの道路とか、踏み出した一歩は、なんだか重怠い。
白衣を着た顔のない案内人、その後ろに着いて行く、校舎の端へ進んでいき、次第に日影が多くなる、死角になった瞬間に、壁に飲み込まれる。
こちらを見てる、2つの影、互いに溶け合って絡み合って、こちらを見てる、睨んでい

もっとみる
【詩】遠足日和

【詩】遠足日和

川の向こうに誰かがいたような気がして、
水流の糸が複雑な動きをしながら、
わたしの足元に絡みついてきた、
繋がって繋がって、心地よく、
深淵の、潜れば底が見えない場所、
夢に落ちる手前にある、
膜に身を包まれる柔らかい感覚が、
今日の朝に挨拶をする。

まだ維持できているね、
今も流れ続ける川は、
いずれは海につながるんだろうけど、
そこに着いたら、次はどこにいくんだろう。
緑の服が良く似合うきみ

もっとみる