外大の古典文学
私は東京外国語大学で、文学の講義をいくつか受けた。
振り返ってみると最も印象的だったのは、岩崎務先生の古代ギリシア・ローマ文学だ。
一般的に古典文学は仰々しく語られたりするが、先生の温和な語り口のおかげで初学者の私も身構えずに学ぶことができた。
私は当時も今も、古代ギリシア語とラテン語はさっぱり分からないのだが、それでも有益な時間だったと思う。
とりわけ、ローマの詩人カトゥッルスの「我憎みかつ愛す」などを知れてよかった。
また、講義をきっかけとしてギリシア悲劇の代表作『オイディプス王』を読み、現代人でも古代の作品を楽しめることがよく解った。