自由探しの旅
『イージー・ライダー』(1969)はウッドストックと同じ年の映画だが、随分とペシミスティックな作風である。
むしろ、ウッドストック的なものやヒッピー文化への冷ややかなメッセージを感じる。
時代の空気に便乗し、自由を求めて旅に出たものの、どこにも自由などなかったのだ。
その2年後の『恐怖のメロディ』(イーストウッド監督・主演)に、音楽祭のシーンがある。
この音楽祭は、主人公を狙うストーカーの呪縛と対照的なものとして描かれている。
しかし、束の間の自由を保証してくれるイベントでも、呪縛からの完全な解放までは叶わないようだ。
自由と呪縛の難しい関係は、フーコーが『性の歴史Ⅰ 知への意志』(1976)でいろいろ書いている。
第一章では、同時代の性解放運動にも言及されていた。
無理やり自由を謳歌しようとすると上手くいかないので、期待しすぎず少しずつやりましょう!