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社会学者は留学しない?!
『小室直樹の世界』という本を読んだ(部分的に)。
小室直樹(1932-2010)は社会学者・政治学者である。
アメリカ留学を含む旺盛な知的研鑽を経て、後進のために無償で「小室ゼミ」を開いていた。
同書の内容は、彼を慕う元ゼミ生らによるシンポジウムの記録が中心だ。
小室は京大理学部卒業後、阪大・ミシガン大・MIT・ハーヴァード・東大の各大学院で一流の教授たちから経済学や心理学、社会学や政治学を学んだ。
とくにハーヴァードでタルコット・パーソンズに教わったことが、社会学者としての初期の研究に大いに役立ったようだ。
しかし、同書に登場する元ゼミ生の社会学者たちの大半は、その経歴を見る限り留学経験がない。
恩師の学問への貪欲さを称賛する弟子たちだが、自分も外国へ行って一流の学者に教わろう!とは思わなかったのだろうか。
とりわけ社会学は、社会のことを研究するのだから、日本以外の社会も知っておいたほうが良さそうに思える。
小室ゼミと留学の相関関係を、誰か社会学的に解明してほしい。
ちなみに私も留学したことはない。