ダイエットの必須食材!さつまいもと筋トレの相性とは?【料理×栄養学×ボディメイク⑥】
「ローファットダイエットのメイン糖質源として毎日白米食べてるけど、そろそろ飽きてきたなー。
減量末期になるにつれて、食べられる量も減ってくるし…
腹持ちがよくて優秀な糖質源になる食材、ないかなあ~。」
カロリー管理をするダイエットの場合、食事のバリエーションが少なく、毎日同じ食材を選びがちだ。
そんなときこそさつまいもを取り入れてみよう。
さつまいもには非常にクリーンな炭水化物源で、白米にはない栄養素がたっぷり含まれている。
さらに、ダイエット中でも美味しく食べられるさつまいもの調理法やレシピもたくさんある。
この記事では、【さつまいもをダイエット食材としておすすめする理由】を詳しく解説していく。
●ボディメイクにおけるさつまいもの評価
ボディメイク目線で見るとさつまいもの栄養素はどうなのだろうか。
筆者が主観で評価してみた。
栄養素★★★★☆
調理法★★★★☆
コスパ★★★☆☆
増量期★★★☆☆
減量期★★★★★
ボディメイクする上で、特に減量期には必ず通る食材になる。
以下、各要素について詳しく見ていく。
●さつまいもの栄養素
カロリーSlismでさつまいもの栄養素を見てみよう。
①炭水化物
非常にクリーンな炭水化物源。
白米100gに炭水化物が約40gなので、さつまいものほうが少ない。
後述するが、食物繊維が多く、GI値が低いことがさつまいも最大のメリットといえる。
②脂質
ほぼなし。
③タンパク質
ほぼなし。
鶏胸肉や白身魚などと一緒に食べて補おう。
④ビタミン・ミネラル
ご覧の通り、超優秀。
ビタミンB6はアミノ酸を代謝する効果が、ビタミンCとEは抗酸化作用があり、トレーニーにとって必須の栄養素だ。
特にビタミンCは、白米・鶏肉・卵のいずれにも含まれておらず、トレーニーに不足しがち。
それがこんなに入っているのは嬉しいところ。
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●さつまいものメリット①GI値が低い
さつまいもがダイエットに適している理由として挙げられるのが、「GI値」が低いことだ。
・GI値とは
GI値(グリセミック・インデックス)とは、糖質の吸収速度を表す指標だ。
だいぶメジャーになった言葉ではあるが、念のため解説しておく。
GI値は、0から100までの数値で表され、食品自体の特性や糖質の種類、調理法などによって変わる。
GI値が高い食品は血糖値を急激に上昇させ、GI値が低い食品は血糖値をゆっくりと上昇させる。
・GI値が高い食品
GI値が高い食品は消化吸収が早く、血糖値を上昇させやすい。
血糖値が急上昇すると、グリコーゲンになった糖質が体内に一気に運ばれるため、筋肉がそれを受け止めきれない可能性がある。
筋肉が受け止めきれなかったグリコーゲンは、体脂肪として蓄えられてしまう。
結果として、糖尿病や肥満などのリスクが高くなる傾向がある。
GI値が高い食品を並べてみると、精製された穀物や甘みの強いものが中心であることがわかる。
・GI値が低い食品
逆にGI値が低い食品は、血糖値の上昇を緩やかにするため、ダイエットや健康管理に適した食品とされている。
GI値が低い食品は、糖質がゆっくりと分解・吸収されるため、体脂肪化を抑えることができたり、食後の満腹感を持続させることができる。
GI値が低い食品には、食物繊維や水分、レジスタントスターチなどが多く含まれている。
GI値が高い食品は精製されたもの、GI値が低い食品は「食材」に近いものと捉えていただけるといいと思う。
さつまいもはGI値が低い食品の代表格だ。
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●さつまいものメリット②レジスタントスターチの存在
次にさつまいもが筋トレに適している理由として挙げられるのが、「レジスタントスターチ」だ。
レジスタントスターチとは、消化酵素によって分解されず、大腸で発酵されるタイプの食物繊維のこと。
食物繊維は栄養の吸収をゆっくりにする効果があり、食べたものを脂肪にせず効率よくエネルギーや筋肉にすることができるので、ボディメイクにおいて重要な栄養素といえる。
さつまいもには、このレジスタントスターチが豊富に含まれており、腸内環境を整える効果がある。
腸内環境は全ての栄養素の吸収効率に影響するほか、性格にも影響を与えることがわかっている。
腸活は人生の土台なのだ。
<腸活関連記事>
更にレジスタントスターチの特徴として、冷ますと増えるのだ。
これはさつまいもに限らず、デンプンを含む糖質(白米、パスタ等)全般にいえることで、室温や冷蔵庫で温度を下げることでレジスタントスターチの量が1.5~2倍に増えると言われている。
ホクホクの焼き芋も美味しいが、一旦冷ますことで、さつまいものメリットを強烈に体感することができる。
●さつまいものメリット③抗酸化作用
さつまいもには、ビタミンCやビタミンE、β-カロテンなどの抗酸化物質も豊富に含まれており、免炎作用がある。
そのため、筋肉の炎症や疲労を軽減する効果も期待できる。
トレーニングをすると、基本的には身体が酸性に傾く。
酸化は老化の原因になるが、これを抑えてくれるのが抗酸化作用だ。
さつまいもは皮を剥いて食べるのが一般的だが、皮にこそ栄養素が含まれている。
皮には特に食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれており、ダイエットだけでなく、老化を抑えたり病気の予防効果も期待できる。
●さつまいもを使った簡単レシピ
GI値は、食材だけでなく調理法によっても差がでる。
さつまいもに関しては、焼くよりも蒸したほうがいい。
焼くと水分が飛ぶので、重さあたりのカロリーが増えるからだ。
これを逆に利用し、増量中は重量あたりのカロリーが高い干し芋を活用するのもいいだろう。
また、蒸した場合はデンプンが糖に分解されにくく、消化吸収が緩やかになるため、GI値が低くなるとされている。
一方で、焼いた場合には糖化反応が進むため、GI値が高くなる傾向がある。
肝心の蒸し方だが、少量の水と一緒に炊飯器にブチ込んで炊くだけだ。
あら簡単。
YouTubeで「さつまいも 炊飯器」と検索すればいくらでもやり方が出てくるので、参考にしてみてほしい。
これが甘くてトロトロで革命的に美味しい。
毎年秋になるとセブンイレブンで安納芋ようかんを箱買いしているほど芋が好きなのだが、自炊で簡単にここまでのクオリティを出せるなら今年は買わなくていいかなと思っている。
基本的には白米の代替として普通に食べるのがいいが、他にもいくつかおすすめの食べ方がある。
・さつまいもオムレツ
蒸したさつまいもを細かく刻んで、卵や野菜と混ぜてオムレツにする
・さつまいもスイーツ
蒸したさつまいもを細かく刻んで、プロテイン、ヨーグルト、シナモン、ハチミツ、ブルーベリー等と混ぜる
・さつまいもの蒸し野菜
ブロッコリーやほうれん草、チンゲンサイと一緒に蒸す
●さつまいもの注意点
いくらクリーンな炭水化物源といえど、当然ながら食べ過ぎてオーバーカロリーになると太ってしまう。
美味しくてつい食べすぎてしまわないように注意しよう。
また、白米に比べると少し値段が高い。
一日の炭水化物を全てさつまいもで賄おうとすると、それだけで1000円くらいかかってしまうこともあるだろう。
「これだけ食べていればいい!」という完璧な食材はこの世に存在しない。
(存在していたら、全トレーニーがそれを食べているはずだ)
あくまで容量用法を守って、一つのバリエーションとして活用してほしい。
●まとめ
・さつまいもはクリーンな炭水化物源
・GI値が低く、レジスタントスターチの効果で太りづらい
・抗酸化作用もある
・炊飯器にブチ込むだけでOK
●おわりに
このnoteは、筋トレを始めたばかりで、しっかり身体のことについて勉強したい人をターゲットに、健康的な生き方に関する情報を論理的に発信しています。
過去にもいろいろな記事を投稿しているので、もし気になったら読んでみてください。
また、記事にしてほしいトピックのリクエストもコメント欄から募集中です。
筋トレについてそこそこ詳しい方や、実際にトレーナーとして活動されている方にとっても、「こんな考え方、こんな表現があったんだ!」という発見になってくれれば幸いです。