ふじわらゆうき

田舎でライターとわな猟師をしています。

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最近の記事

かわいそうと思うくらいなら狩猟しないほうがいいって言うけど、かわいそうと思いながらも狩猟してしまうことのほうが人としてよっぽど自然じゃね? 〜ハンターライターの狩猟暮らし〜

こんにちは、ハンターライターのふじわらゆうきです。  狩猟は、命を奪う行為です。狩猟の話題になったときによくあるのが、「動物を殺すときにかわいそうと思わないのか」というもの。  狩猟1年目のとき、初めて獲れた雌鹿の重さに圧倒されて、一人では車に乗せられず、父親に駆けつけてもらいました。狩猟には縁もゆかりもない父に、こんなお願いをするのは正直気がひけましたが、平日の朝だしそのとき急に頼れるのは父以外にはいなかったんです。四肢を縛られた鹿を見た父は、開口一番に「かわいそうに…」

    • バイトはサイコー 〜ハンターライターの狩猟暮らし〜

      こんにちは、ハンターライターのふじわらゆうきです。 最近、有機農業を営む農場でバイトをはじめました。ぼくは昭和生まれの人間なので、「42歳にもなってバイトだなんて」って思われるのを少なからずビクビクしつつも、本音レベルでは「バイトっていいよなぁ」って思っているので、隠さずに言うことにしています。まあ実際に「最近バイトしてるねん」と同世代の友達に言うと、明らかに「こいつ食えてないんやな」という感じを醸し出し、ふつうを装いつつも隠しきれない苦笑いを噛み殺したような表情になります

      • 「駆除」という呪い 〜ハンターライターの狩猟暮らし〜

        こんにちは、ハンターライターのふじわらゆうきです。名刺には「ライター/わな猟師」と記載していますが、ここでは友達が名付けてくれた「ハンターライター」という肩書きを使っています。田舎へ帰ってきて4年が経ちました。Uターンする前は大阪でフリーランスライターをしていて、今もその仕事はしています。それに加えて田舎では、狩猟をしたり、畑で野菜をつくったり、味噌や梅干しを仕込んだりしています。 今日は、「「駆除」という言葉を使わない猟師でいたいなぁ〜」ってことについて書きます。「駆除」

        • 鹿タン 〜ハンターライターの狩猟暮らし〜

           狩猟1年目。ぼち、ぼち、と鹿が獲れるようになり、なんとか鹿の解体をするようになってはみたものの、どうしても捌けない部分があった。首から上だ。要は顔。Youtubeで解体動画やジビエの調理動画をみると、脳を取り出したり、顔の皮を剥がれた顔骨がコロンと映っていたりする。その頭蓋にはくりんっと目もついている。通常の解体だとお腹から首、喉、くちびるの真ん中までひと筋で刃を入れていくわけだが、くちびるの真ん中を刃物がスライドするイメージが脳裏に浮かぶと体がぞわっとなって「痛っ!」って

          食費をなくす⑨食費はなくならなくてもいい

          2024年3月15日に3回目の狩猟期間が終了し、現在は2024年6月8日。今年で狩猟免許更新なので、昨日は午前中に診断書を書いてもらいました。この町の町医者さんはそういった診断書を書き慣れているのか、僕と妻をいっぺんに診察室に入れて、「アヘンなんか手に入れたら逮捕されるやんなぁ」とか「医者も診断書いるんやでぇ」「てか、何もないね、大丈夫やね?」とか、なんにも悪いこと言うてないのになぜかセクハラ感を感じるトークで妻とだけ談笑して、僕とはひとっことも交わすことなく1人1,000円

          食費をなくす⑨食費はなくならなくてもいい

          食費をなくす⑧そしてナイフを持って立ってた

          食費をなくすにも、金がいる。 これは大きな問題だ。たとえば、くくり罠を使う狩猟に関することで言うと、たとえ「くくり罠を自作する」とはいえ、その材料となる、塩ビパイプやワイヤー、スプリング、Oリングばね、シャックル、ダブルスリーブなどの部品類までは自作することは不可能で、ホームセンターや専門店でお金を払って買うほかにない。 「いやいや、お金使いたないんやろ?ほな知り合いの職人さんとか紹介してもらうとかして、教えてもらいながら塩ビパイプから作ったらええちゃうん?おん?そうなん

          食費をなくす⑧そしてナイフを持って立ってた

          食費をなくす⑦そのかわり酒代は上がっていないか

          もの言わぬ臓器が、もの言おうとしている。 というのも、なんかこう、左右の腰の後ろあたりが引っ張られている感じ。心当たりはひとつしかなく、お酒だと思う。近藤誠さんの本「医者に殺されない47の心得」(アスコム)によると、1日に缶ビールだとロング缶2本までは、酒は百薬の長レベルとのこと。でもぼくは、来る日も来る日もロング缶2本、つまりビール1リットルに加えて、焼酎をグラスで2杯〜3杯と日本酒をグラスで1杯飲んでいる。 ごくたまに酒を飲むことをよす日をもうけると、翌日はすこぶる体

          食費をなくす⑦そのかわり酒代は上がっていないか

          食費をなくす⑥猟期を終えたとたん、今ならイノシシが獲れるんだけどなぁと思う

          次の狩猟期間の11月まであと5ヶ月もあります。でももう罠をメンテナンスしたり、新しい罠をつくりたくて、つくりたくて仕方がないです。次の猟期で3年目ですが、毎年そうです。 僕はイノシシを獲ったことがありません。でも、狩猟期間が終わったとたん湧いてくる「今ならイノシシを獲れる」という途轍もない自信。あれは一体なんなのでしょうか。わからんけど、とにかく今なら、もれなくイノシシが獲れるんです。せっかく獲れるんだから今すぐ罠をメンテナンスしないといけないし、もっといい罠をつくらなきゃ

          食費をなくす⑥猟期を終えたとたん、今ならイノシシが獲れるんだけどなぁと思う

          食費をなくすための狩猟⑤ 〜前狩りをする子どもたち〜

          こんにちは。わな猟師のふじわらゆうきです。田舎でライターをしながら、冬は山に入り狩猟をしています。 うちには中二の男子と小六の女子がいます。彼らはしばしば小遣いを前借りします。やれ「三宮で遊びたい」、やれ「ケープを買いたい」と母親に直談判。ぼくの狩猟になぞらえるなら、母という山で“前狩り”をする、彼らもまたハンターなのかもしれません。ところが前狩りという狩猟は、わな猟よりも難しい。なぜなら相手が母ちゃんだから。いっちゃん強えわけです。もちろん母ちゃんとしても、小遣いしかも前

          食費をなくすための狩猟⑤ 〜前狩りをする子どもたち〜

          食費をなくすための狩猟④

          食費を浮かすことで、自分の場合だと約70万円分の売上を減らすことができる。売上を減らすことで、働く時間を減らすことができる。働く時間を減らすことで、自由な時間ができる。自由な時間には、畑ができる。畑をしたら、野菜ができる。狩猟もできる。狩猟をしたら、肉を得られる。という暮らし方を実現するために狩猟をはじめて3年。まだまだ食を自給できていないのはそうなんですが、前回までタイトルが「食費を浮かすための狩猟」だったんですが、「浮かす」っていうのはどうも中途半端というか、本気度が低い

          食費をなくすための狩猟④

          食費を浮かすための狩猟③

          こんにちは。わな猟師のふじわらゆうきです。田舎でライターをしながら、冬は山に入り狩猟をしています。 食費を浮かすための狩猟、前回前々回が①②だったというていで、今回はいきなり「食費を浮かすための狩猟③」というタイトルにしました。 日本人1人あたりの1年で食べる肉の消費量は42kgにものぼると言われています。1年で42kgも肉を食っていることにまずはちょっと驚きつつ、とりあえず計算しました。したところ、たとえば鶏もも肉100g150円、豚バラ100g250円で半分ずつ、スー

          食費を浮かすための狩猟③

          食費を浮かすための狩猟②

          暮らすことは、支払うこと。そんな感じになっていた都会生活をやめ、兵庫県多可郡多可町へUターンし、家賃を払わなくてよくなりさらに、多可町は山が近いし、鹿や猪もいるんだから、狩猟して肉を確保して、スーパーで肉買わんでええようにしよう。狩猟免許もとれたし、山にも罠をかけた。そして。といったようなことをこの話の前編で書きました。初めてかかった獲物は、大人の雌鹿でした。後編では、初めての捕獲までを書きたいと思います。 さかのぼること2021年11月15日朝7時。ぼくは村のお寺の裏山で

          食費を浮かすための狩猟②

          食費を浮かすための狩猟①

          こんにちは。ライター/わな猟師のふじわらゆうきです。田舎でライターをしながら、冬は山に入り狩猟をしています。今日は何について書きたいかなと考えたところ、狩猟をはじめるまでと初めて鹿を捕獲したところまでを書きたいと思いました。 ぼくの狩猟経歴は、この3月で2年目を終えたところです。ちなみにぼくの住む兵庫県多可郡多可町の猟期は、毎年11月15日〜3月15日。次の猟期で狩猟3年目になります。 狩猟をしていてよく聞かれるのが「そもそもなんで狩猟をはじめたん?」という質問です。これ

          食費を浮かすための狩猟①

          はじめまして

          はじめまして、こんにちは。ライター/わな猟師のふじわらゆうきです。田舎でライターをしながら、冬は山に入り狩猟をしています。今日がはじめての投稿になるので、まずは自己紹介をさせていただきます。 ぼくは現在、兵庫県多可郡多可町という、人口1万9千人ほどの山に囲まれた町に住んでいます。山には鹿や猪がたくさんいて、冬には「くくり罠」という罠を使って狩猟をし、捕獲し、解体し、山のお肉をいただく生活をしています。狩猟とライター業が主なぼくの仕事ですが、畑で野菜をつくったり、大豆をつくっ

          はじめまして