これが無いと満足できない…そんな商品の落とし穴
こんにちは。はんぐりです。
私のルーティンとして、大体テレビを小音で付けっぱのまま仕事をしています。"在宅ならではの特権"と言えば聞こえは良いですが、雑音が無いと集中できないタイプの必需品とも言えますね…。
そんな中、杏さんがCMしている『ミツカンかんたん酢〜♪』という音楽をよく耳にします。
キャッチーなリズムで覚えやすく、長期間CMをやっていることもあり記憶に残った商品。そこで母に1つ質問してみました。
『ねえ、このCMのミツカン簡単酢って使ったことある?有名だし、試してみようかなぁ。』
母は、このように答えました。
『簡単だし、これ一本ですごく美味しくなるよ。だから私は買うのを止めたけどね』
簡単で唯一無二の価値、が怖い消費者
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母の答えを聞いた瞬間、一瞬何を言っているのか分からず呆然としました。商品を凄く褒めていたはずなのに、"だから"止めたとはどーゆーことなのか分からなかったのです。
まさに、消費者心理の複雑さを痛感しました。
たしかに美味しいし、手頃価格だし、味付けも簡単にできる。こんな商品欲しかった…!という声も多いからこそ、有名な商品になったのでしょう。
しかし母は『ミツカン簡単酢でしかこの味を再現できない』ことに恐怖を覚えたそうです。
ミツカン簡単酢を使って調理して、その楽さ故に今までの面倒な調理法を忘れてしまった。しかもこの味を自分で再現するのは難しく、このお酢でしか作れない味付けに慣れてしまったとのこと。
しかしスーパーに行ってお酢を探すと、普通のお酢が安く売られていることもありますよね…。他と比較してやや高めの値段を払ってミツカン簡単酢を買うこともあります。しかしこれ無しでは生きていけない・味を再現できない、そんな自分は主婦として恐怖にもなり得る。
これ無しでは生きていけない…という感覚が、今まで主婦として積み上げた味の変化・家庭の味に違和感を与えてしまうのではないか?
そんな気持ちから、この商品を買うことはやめたと言っていました。
簡単で、唯一無二で、手頃価格。たしかに条件だけ見れば完璧な商品ですし、楽で美味しいご飯が食べたい方にはぴったりです。しかしリアルな主婦の立場になって考えると、この調味料がないと味を再現できない…というのは不安要素なのだと気付きました。
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顧客起点で、この商品を使うことでどんなベネフィットがあるのか考えることも重要です。
しかし同時に、どんな状況になると買うのを辞めてしまうのか=離脱するのかと言う視点も大切。
どちらにしろ、見えない主婦の本音を掴むには定性調査でヒヤリングするのが一番だなぁと思いました。異なる人の立場になって、想像力をも持ち続ける人生でありたいですね。
モノを作る人、売る人、広める人。その全ての方に向けて、ユーザーは"条件"だけでは動かないという事実を知っていただけたら嬉しいです。
本日も読んだいただき、ありがとうございました☺︎
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