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ネトゲ寄りメタバース

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ネットゲーム寄りのメタバースに関連する話題です。
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#FF11

ネカマの恐怖

「ネカマ」って言葉も近年は見かける機会が少なくなった気がします。「ネットオカマ」略して「ネカマ」なわけですが、男性同性愛者を「オカマ」という蔑称で呼ぶことの問題が広く浸透したおかげもあるのでしょうか。 ただ、先日22周年を迎えたMMORPG『FINAL FANTASY XI』(以下FF11)は、2002年の運営開始ということで古いネットの言葉が生きており、また、プレイヤー本人とは異なる性別のキャラクターを使うことへの理解がまだ低かったこともあって、ゲーム内のコミュニティや匿

ドット絵ですし(後編)

さて今回もドット絵おすしをにぎにぎしていきましょう。前回はおすしの代表格として『まぐろ』をチョイスしましたが、今回は自分が一番食べたいのをにぎります。 そう、おすしと言えば……『ソールスシ』です!? 「たまごじゃないんかーい」というベタなツッコミがそこかしこから聞こえてくる気がしますが、いやいや。ネットスラングにもなっている「ですしおすし」で有名なアレ、原点は『ソールスシ』ですから。 縁側で茶飲み話?「ですしおすし」は、ぼくもプレイしている(ようでサボっている)MMOR

終の棲家というけれど(中編)

物価上昇が続く昨今、ただ貯金していてもお金の価値は相対的に下がるばかり。「長もちして、できれば売れるものにお金を使おう」と考えていたら、うっかり"おうち"を買っていた、という話の続きです。 なお、いくら安く買える物件といっても固定資産税や、集合住宅なら管理費や修繕積立金などで意外と継続的な出費はあります。また、今まで借家暮らしをしていたことを思えば「中古で少々汚くても、そのまま住めばいいや」と思っていましたが、自分のものになるとけっこう意識が変わり、リフォーム費用も必要にな

終の棲家というけれど(前編)

まわりくど~い話になると恐縮なので、今回はオチを先に言ってしまいますよ。今年の2月にスーパー出遅れ状態で始めたネトゲ『ドラゴンクエストX』(DQX)で住宅購入に失敗しまして。「この失敗を活かして次につなぎたい!」と思っていたら、リアルでおうちを購入していました。 ぜんぜんそのつもりはなかったのに購入してしまったのでいわゆる衝動買いであり、そしてネトゲ脳ここに極まれりです。 ま、おうちといっても中古マンション、いえ中古というのも語弊があるほどの"太古"団地の一室に過ぎないん

宝箱をつくるよ① 三つの葛藤

宝箱のドット絵がほしくなりまして、さっそく描いてみました。経済の話をするとき「貯金」のイメージとして使いたいのと、ゲームっぽい画作りにも使えるかなというわけです。 茶箱が好きゲームに限らずアニメでも、記号として「宝箱は赤!」という同調圧力があるのですが、ぼくは茶色の宝箱が好きです。落ち着きます。 とはいえ、もし実際にゲームを作るとなったら「赤箱」にすると思います。屋内なら木の床、屋外(ダンジョン)だと土や岩の茶色の上に置いても溶け込んでしまうからです。 でも描いた! 好

メタバース経済・社会学 精神による殺人(後編)

後編では、MMORPG『FINAL FANTASY XI』(FF11)で起きた外国人差別を振り返りながら、自分が差別に染まって加害者にならないにはどうしたらよいかを考えます。 ただ、真剣に差別に立ち向かっている人にはたいへん申し訳ないのですが、今回の記事では差別意識を持つこと自体はあえて否定しません。例えば、たて続けに付き合った女性に無残に捨てられた男が「女なんて……」という気持ちになってアンチフェミニズムの道に堕ちていくのを「女性すべてがそうではない」なんてお説教的に責め

メタバース経済・社会学 精神による殺人(前編)

これまで既存のメタバースであるMMORPGを参考にして経済・社会を改善するヒントを探る記事をいくつか書いてきまして、次は「ぼくらが働く環境を改善するには?」という話題を書こうと思っています。ですが、その前に避けて通れない話題がひとつあります。 それが、移民や外国人に対する差別問題です。日本は少子高齢化が激しく進み、よほどのミラクルが起きない限り移民を受け入れて労働人口を増やすしかないと言われています。そこで考えないわけにはいかないのが、日本における外国人差別の問題です。

DQXでドラクエ社会学に挑戦!?(後編)

社会や経済を探ろうと、妙な視点で始めたDQX初心者の旅の後編です。 今回のテーマはDQX初心者として感じた労働者マインドについてになりますが、端的に言うと「DQXへの永久就職を求める圧を感じる」という話になります。ひとが集まるところには、時代や環境に応じてそれぞれの文化が生まれるのはなんともおもしろい、という話を無駄に難しくやっていきます。 神々をこの目で見た!?今回の記事タイトルにした画像は、DQXを始めて、一番驚いたの場面です。1ヵ所に妙に人が集まって、しかもみんなで

DQXでドラクエ社会学に挑戦!?(中編)

ほかのメタバース社会も知っておこうということで、いまさらながら運営11年目のMMORPG『ドラゴンクエストX』(DQX)を始めてみました。まだ1週間くらいです。今回は、半分旅行者、半分移住者の初心者視点でDQX社会の一部を見たレポートをお届けします。 お金の流れは?メタバース経済の話でFF11との比較対象にしたい思惑がありますので、なにより気になるのは「お金の流れ」です。国税局職員になった気持ちで見ていきますよ! そういえば税務署って繁忙期にあわせて人員を確保しているよう

死とベーシックインカム(後編)~メタバース経済とMMTを考える

MMORPGの経済・社会を通じてベーシックインカムの可能性を考える話の最終回です。直接お金を配るのとは違うものの、生活を下支えする意味でベーシックインカム的な要素のうち、今回は残り2つの仕組みを紹介します。が、その前にちょっと寄り道をして、関連要素としての"住宅事情"を踏まえておきたいと思います。 MMORPGの住宅事情に学ぶMMORPGはその元祖である『ウルティマオンライン』(UO)の時点で、空き地に家を建てられるシステムがありました。そのため、「MMORPGでは家を建て

死とベーシックインカム(中編)~メタバース経済とMMTを考える

さて今回は運営開始から20年が過ぎたMMORPG『FINAL FANTASY XI』(FF11)の世界にある"ベーシックインカム的なもの"を見ていきます。 ここで紹介する"ベーシックインカム的"な仕組みは3種類あります。それぞれ個別の仕組みについては「こんなのがベーシックインカム?」と疑問に思うかもしれません。しかし、この3種の仕組みのおかげで、ぼくは今FF11で意識的に金策をすることはほとんどなくなっています。 他のMMORPGやスマホゲームなどにもそれぞれ似たような仕

死とベーシックインカム(前編)~メタバース経済とMMTを考える

「人が集まってこその社会である」という視点を重視して、広義のメタバースのなかでも歴史と実績のあるMMORPGに学んでいくシリーズの続きです。 MMORPGの世界では、ただ人が集まっただけでなく、ときに声をあげ、運営者がそれを無視せずにコミュニティをアップデートしてきました。人々の知恵と本音が渦巻くその場所には、硬直しきった現実社会を建て直す多くのヒントが隠されているのです。これまでもこのシリーズの記事で触れてきたように、"ベーシックインカム的なもの"も導入されています。

ベーシックインカムの前にオフゲ経済推進(後編)

オフゲ(主にオフラインRPG)によくある「最後には使いきれないほどのお金が貯まってしまう経済」を、日本人は求めてしまい、無意識に推進することで経済を循環させられなくなっている――でもそれを否定するのではなく、うまく"調整"できないかを考えてみようという話の2回目です。 今回はオンラインゲームの経済を参考にします。「オフゲ経済の話なのに、ネトゲ経済を参考にする?」と疑問に思うのは当然です。ただ、ネットゲームは部分的にオフゲ経済を内包している場合があるのです。 昨年20周年を

『現実』とは公務員が作ったゲームの名~メタバース経済とMMTを考える

今日も働きたくない人が書く経済の話、第一部・最終回です。 前回、溢れたお金の回収手段について、「(現実の日本社会では)広く"皆から回収"されていますが、さすがにFF11はそんな愚かなことはしなかった」と書きました。今回は、その続きです。 プレイヤーが成長して行動範囲が広がると、移動距離が増え、チョコボ搭乗料金や飛空艇搭乗料金ぶんの貨幣が以前より多めに回収されるようになります。ただし、これらはもともとあまり高額ではありません。 「納得感」を大事すると、サービスが変わらない