終の棲家というけれど(中編)
物価上昇が続く昨今、ただ貯金していてもお金の価値は相対的に下がるばかり。「長もちして、できれば売れるものにお金を使おう」と考えていたら、うっかり"おうち"を買っていた、という話の続きです。
なお、いくら安く買える物件といっても固定資産税や、集合住宅なら管理費や修繕積立金などで意外と継続的な出費はあります。また、今まで借家暮らしをしていたことを思えば「中古で少々汚くても、そのまま住めばいいや」と思っていましたが、自分のものになるとけっこう意識が変わり、リフォーム費用も必要になりました。
ぼくの場合は掃除大好き野郎なので、気になるところのほとんどを自力で清掃し、素人ではどうしようもないところだけをプロに依頼することにしたのですが、それでもまあまあかかりました。いくら「お金をただ貯めていても仕方ない」といっても、こんなにつかっちゃダメじゃん! という気もしています。
というわけで。まさかいないとは思いますが、この記事に影響されて必要もないのに安物物件に飛びつくのはやめてください。ご利用は計画的に、ですよ! まったく説得力ありませんけどね!
マイホーム購入失敗の経験を活かす
さて、時を遡ること数ヵ月前。
今のDQXは手軽にマイホームを持てるらしいと知ったぼくは、いてもたってもいられなくなりました。以前から遊んできたFF11(FINAL FANTASY XI)には住宅購入のシステムがなく、全プレイヤー共通のレンタルハウスが冒険の拠点となります。オンラインゲームでもレンタル、リアルでもずっと借家暮らしということで、DQXを始めたときから「そのうちマイホームを持ちたいな~」と思っていたのです。
ただでさえDQXは、ほかに拠点を持っていなければ酒場でログアウトするというダメ人生をロールプレイするはめになりやすいシステムなので、なおさらです。
というわけで、そのままネット上の情報を見て「自然が多くて静かそうなところがいいな」という理由で土地は"湿原地区"に決め、「木のかたちをした家がよさそう」と"ツリーハウス"を家に選びました。そしてDQXにログインすると、必要な手続きを行なってマイホームをゲットしたわけですが……。
ジメジメしてあまりにも陰気! あとツリーハウスに巨大なリンゴつけたやつ誰だよ!!
という感じでした。
DQXの普通の家はもう金額的にとても安く、入手しやすくなっているし、買い直しもできるのでゲームの進行や財産的には問題ないんですけどね。
ただ、DQXにはありがたいことに「住宅展示場」というシステムがあって、購入前にいろいろな住宅を見て回れます。でも「探すのめんどくさい……」と、せっかくの機会を"ふい"にしたわけです。
ゲームでもリアルでもマイホームに憧れていたくせに、いざとなったらこの体たらくですから、反省しないわけにはいきません。でも、DQXのマイホームを買い直すのは、なんだか負けた気がする……。
と、うだうだと考えてしまって眠れずにいたある深夜。起き出して不意にリアル物件を検索してみたところ、前編で触れたようにけっこう手頃でイイのがあるのを見つけてしまったのです。
そして、なんかこう「その気」になってしまったのです。ただし「反省を活かして、ちゃんと下見しよう」とだけは心に決めて。
「下見熱」が高まっているぼくは、住むかどうかはともかくとして、多少でも興味がある物件には見学の申し込みをしてみることにしました。
そして、見て回ったなかには「事故物件」もあったのです。
(つづく)