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「ストレスフリー超大全」(樺沢紫苑著)の読書感想(評価:★★★)

誰もが抱えているストレス。
つい、ストレスがなければ色んな事がうまくいき人生バラ色だろうと考えてしまいます。
そんな中、世の中の90%の悩みを解決できるという「ストレスフリー超大全」を読み、いくつもの発見があったのでご紹介します。

私自身、ストレスを真正面から受け止めてしまう傾向があり、ストレスを取り除くことばかりを考えていました。しかし、本書においては、適度なストレスは脳の働きを活性化し、集中力を研ぎ澄まし、記憶力を高めると書かれていました。
自身の経験を振り返ると、上司への報告、新入社員を前にした発表、得意先へのプレゼンがある際は、とても強いストレス(緊張)を感じます。
なぜならば、きちんとした報告、堂々とした発表、実績を上げるためのプレゼンをする必要があるからです。
これらの目的を達成させるためには、資料を作成するためのデータ収集、伝えたいことの明確化、プレゼン方法などに頭を悩ませますが、今まで得ることができなかった情報に出会えたり、上司や先輩にアドバイスをもらうことで違う視点に立って物事を見ることができるため、自己成長につながっていることに気づかされました。なので、「ストレス=全てが悪いもの」ではなかったのです。

では、どうすればストレスと上手に付き合っていけるのか?
その答えは、ストレスを真正面から受け止めるのではなく、自身の「考え方」「受け止め方」を少し変えることにより、ストレスをしなやかに受け流すということです。
この状態を身に付けることができれば、本書で定義されている「ストレスフリーな人=昼間バリバリ働いて夜にリセットできる人」になることができるのです。
ここからは私自身の悩みが本書を通じてどのように解決していけるかを述べていきたいと思います。

私の3つの悩み
1.職場における人間関係の悩み
2.人の意見に流されやすい悩み
3.仕事における充実感の悩み

1.職場における人間関係の悩み

学生時代から、私は嫌だなと思った人とは距離を置くことで対処していました。つまり原因の除去です。しかし、社会人になると嫌だなと思った人はたくさん存在し、距離を置くことができない人物ばかりでした。それは、上司、同僚、さらには得意先のキーマンなどです。
そのため、学生時代とは異なり嫌な人ともコミュニケーションを取らなければ仕事が前に進まない状況です。こんな状況が続くと周囲のメンバー全員との関係も悪化していき、いっそのこと転職でもして早く逃げ出そうという時期もありました。
しかし、本書では「すべての職場は人間関係がよくない」と書かれています。これを読んだときに、自分だけ恵まれない環境にいる訳ではないのだなと気が楽になりました。
では、どうすれば職場における人間関係を快適にすることができるのか?
それは、自身の評価を決めるキーマン1人+気軽に相談できる人が1人の計2人に人間関係を集中させることができれば、快適になるということです。
そうはいっても苦手意識のある人とすぐに良好な関係を築くことなんてできないと考えてしまいます。その解決策として、自身の認識を少し変化させる方法が記載されていました。
それは、「好き」「嫌い」の2択ではなく、「普通」という評価を加えて3択にすることです。
これは嫌いをなくすワークと呼ばれ、私もやってみたのですが、「好き」「嫌い」の2択ですと「嫌い」が10人中5人もいましたが、「普通」を加えることによって「嫌い」は1人にまで減りました。
この結果、案外悪くない職場かもと思えるようになり、人付き合いも一歩前進することができます。

(引用:本書p66~71、144~149)

2.人の意見に流されやすい悩み

私は、職場の立場の強い人に意見を言われると反論できず流されやすい傾向があります。おそらく、これは私だけではなく多くの方がそうだと思います。
背景には、学校の先生や親から、立場が上の人からの意見をきちんと聞かなければならないという教育を受けてきたことが影響していると思います。
また、社会人を10年以上経験している中で、上司や先輩の意見を聞くことは確かに重要ではありますが、聞き過ぎると相手のやりたいことになってしまい、自分が何をしたいのかを見失います。
出てきた結果が、良かったら自分のお蔭。悪かったら相手のせい。と都合のよい解釈をしてしまい、いつまでも自立することができません。
そこで、本書ではこの解決策として、「自分の意見をしっかり持っておく」とありました。
自分の意見を持つ方法は、「話す」「書く」「行動する」こととあります。
私は同著者の出版本である「アウトプット大全(サンクチュアリ出版)」を読んでおり、既にこれを実行していたのですが、「同調圧力」の影響が自身にとっては大きいことが分かりました。
これを回避するためには、「事前に自分の考えや結論を紙に書いておくこと」とあります。確かにこれを実行すれば、冷静に考えたときの最適解を伝えることができますし、緊張で話せず自分の意見を伝えられないということもありません。
早速、明日からの会議前に活用していきます。

(引用:本書p48~53)

3.仕事における充実感の悩み

現職における労働条件は若干の不満はあるものの、ストレスフルで今すぐにでも現職を離れたいということはありません。
マズローの欲求5段階説で言えば、承認欲求までは満たされていると言えます。
次のステップとしては自己実現欲求を満たす必要があります。
本書では、3つの質問に答え、重なる部分が充実感を得られる仕事・業務・分野であることを見つけることができます。

その3つとは以下の質問となります。
1.自分がやっていて楽しい、価値ある活動は?(価値)
2.自分の強みとは?卓越した能力を発揮できる分野は?(強み)
3.上記2つで、社会に貢献できることは?(貢献)

私の価値は、「自律」「援助」
私の強みは、「目標実現」「タイムマネジメント」「成長」「積極性」
私の貢献は、「自身の知識や経験を活かして、他者を自律させたり援助する縁の下の力持ちのような存在になれること」

上記を踏まえて、より自分が充実感を覚える仕事を明確にしていき、より大きな貢献をしていきます。
余談ではありますが、さらに自己分析を深めたい方は私のおススメとして「世界一やさしいやりたいことの見つけ方(八木仁平著)」があります。
「好きなこと」「得意なこと」「大事なこと」の3軸でひとつずつわかりやすくワークを進めていくことができます。

(引用:本書p162~167)

最後に

私は本書を通じて、あらゆる悩みは自分一人だけではなく、多くの人が感じていることなんだなと悩みの捉え方を小さくすることができました。
また、悩みを相談することは恥ずかしいことではなく、不安やストレスを取り除き、改善につながる大切なステップであることも理解することができました。
私はストレスフリーな人を目指し、プライベートと仕事を充実させていきたいと思います。

また、本書の活用方法について補足させて頂きますと、341ページにおよぶ厚みのある本のため、本が苦手な人にとっては手に取ることを躊躇してしまうかもしれません。
ですが、タイトルにもある通り、大全=全てを網羅している本なので、自分にとって必要な部分だけを読んで解決に繫げていけばよいのです。
辞書を全ページを読む人はいないですよね?
気軽に手に取って頂き、ストレスフルな方や悩んでいる方に読んで頂きたいと思います。


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