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読書日記

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【読書日記】『ナースの卯月に視えるもの②絆をつなぐ』

【読書日記】『ナースの卯月に視えるもの②絆をつなぐ』

創作大賞同期の秋谷りんこさんの待望のシリーズ、続刊『ナースの卯月に視えるもの②絆をつなぐ』が11月6日に発売されました。まだ発売から1週間も経っていませんが、もう重版が決まったそうです。素晴らしい!!めでたい!!

2巻絆をつなぐ私も早速読了しました。
1巻の内容から卯月たちの時間はどうやら2年位経過しているようですが、卯月の勤める長期療養型病棟の様子や一巻にも出てきた同僚たちの名前が目に入るたび

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【読書日記】『ベル・ジャー』

【読書日記】『ベル・ジャー』

TLで流れてきて、なんとなく気になって購入した本だった。シルヴィア・プラスの『ベル・ジャー』冒頭からは青春小説のはじまりなのかと思ったけれど、読み進めていくうちに自分の10代から20代中頃までの自意識のことを思い出した。

私は子どものころから、自意識が過剰な人間だったと思う。そのことが1番苦しかったのが10代から20代中頃まで。過剰な自意識というものは、自らの命さえ奪ってしまいかねない。そのこと

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【読書日記】『屍喰鬼ゲーム』

【読書日記】『屍喰鬼ゲーム』

最恐小説大賞受賞作3ヶ月連続刊行のラストの1冊は竹書房賞とエイベックス・ピクチャーズ賞のダブル受賞の涼森巳王さんの『屍喰鬼(グール)ゲーム』が7/18に発売しました。

最恐小説大賞とは……。
はい、もう、3回目なのでしつこいよとお思いになられる方もいらっしゃるかもしれませんがエブリスタと竹書房さま、そしてこの回からエイベックスピクチャーズさまも審査に加わった、恐ければなんでもアリのコンテストです

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【読書日記】『かぎろいの島』

【読書日記】『かぎろいの島』

6/20第三回最恐小説大賞の受賞作、緒音百(おおともも)さんの『かぎろいの島』が発売されました。

先日の読書日記、海藤文字さんの『悪い月が昇る』の時も書きましたが、最恐小説大賞は投稿小説サイトエブリスタと竹書房さんのコンテストです。

今年はエイベックスピクチャーズさんも加わったコラボコンテストとして開催されている。とお話をしたと思うのですが、なんと! 私、まさかの二度目の受賞をしました。エイベ

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【読書日記】『猫と罰』

【読書日記】『猫と罰』

昨年嬉しくて狂喜乱舞したできごとのひとつはもちろん自分の創作大賞受賞なのだけれど、もうひとつは宇津木健太郎さんが日本ファンタジーノベル大賞を受賞したこと。

私と宇津木さんはエブリスタ×竹書房最恐小説大賞の受賞者で、私が第1回、宇津木さんが第2回。宇津木さんの受賞作『森が呼ぶ』を読んだ時、面白くて上手い人が来てくれた嬉しいなあと思ったものです。

それからTwitter(X)で交流するようになり、

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【読書日記】『存在の耐えられない愛おしさ』

【読書日記】『存在の耐えられない愛おしさ』

 創作大賞2023メディアワークス賞受賞作「パパと私」が収録された伊藤亜和さんの『存在の耐えられない愛おしさ』が先日発売されました。

早速読了したのでその感想を。

私が「パパと私」をnoteで初めて読んだのは創作大賞2023の授賞式の後。受賞者は結果発表のページを見ることができたのだけれど、私は行きの新幹線で小説部門の作品を全部読むので精一杯だった。

「パパと私」伊藤亜和さん、授賞式のコメン

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【読書日記】『祈願成就』

【読書日記】『祈願成就』

創作大賞2023新潮文庫nex賞受賞作、霜月透子さんの『祈願成就』が5月29日(水)に発売されました。

noteに掲載されている作品はこちらももちろん受賞発表後に読んでいるのですが、改稿された書籍版を読了したので早速感想を。

凄惨な死を遂げた幼なじみの郁美の訃報を聞いた実希子は同じく幼なじみで恋人でもある徹と郁美の葬儀に向かいます。

いつも一緒に遊んでいたはずの幼なじみですが大人になり疎遠に

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【読書日記】『悪い月が昇る』

【読書日記】『悪い月が昇る』

5月23日に待望の第4回最恐小説大賞受賞作、海藤文字さんの『悪い月が昇る』が発売されました。

最恐小説大賞は投稿小説サイト「エブリスタ」と竹書房さんのコンテストです。今年ははエイベックスピクチャーズさんも加わったコラボコンテストとして開催されています。

かくいう私、星月渉もこのコンテストの第1回目の受賞者なのですが、手前味噌になってしまうかもしれませんが、なかなか個性的な作品が集まりやすい場所

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【読書日記】『ナースの卯月に視えるもの』

【読書日記】『ナースの卯月に視えるもの』

創作大賞2023別冊文藝春秋賞受賞作、秋谷りんこさんの
『ナースの卯月に視えるもの』が5月8日(水)に発売されました。

noteに掲載されている作品はもちろん受賞発表時に読んでいるのですが、改稿された書籍版を早速読了したので感想を。

舞台は長期療養型病棟。主人公である看護師の卯月咲笑の職場です。noteの原作の第一話を読んだ瞬間に、ああこの著者の方は医療従事者か、もしくはそのご経験がある方なの

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そうです、私も美容バカです。

そうです、私も美容バカです。

今日は待ちに待った、まんきつさんの『そうです、私が美容バカです。』の発売日。

ananwebの連載一回目から追い続けていた漫画です。
20代前半、美容業界で働いていた私も紛うかたなき、美容バカです。

現在ミドフォーの私と一つ下の妹のラインの上位トピックは今はまっている、あるいは使ってよかったスキンケアの話です。

美容に関して一番参考になるのは同世代か少し年上の方のご意見。そういう意味でも頼り

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【読書日記】『クリームイエローの海と春キャベツのある家』

【読書日記】『クリームイエローの海と春キャベツのある家』

創作大賞2023朝日新聞出版賞受賞作。
せやま南天さんの『クリームイエローの海と春キャベツのある家』が先日4月5日に発売されました。

noteに掲載されている作品はもちろん受賞発表時に読んでいるのですが、改稿された書籍版を読了したので、その感想を。

物語は家事代行サービスの仕事をはじめて3ヶ月の永井津麦が織野家に向かうところからはじまります。

この織野家はどうもそれまで津麦が訪問したご家庭と

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