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作…ノーマ コーネット マレック 訳…佐川睦『最後だとわかっていたなら』

 また明日。

 また今度。

 そう思っていても、今日が最後になるかもしれない。

 もしかしたら相手が、或いは自分が、この世からいなくなってしまうかもしれない。

 だから今日、「ごめんなさい」「ありがとう」「愛してる」といった気持ちを自分の言葉で大切な人に伝えないといけない。

 どんなに伝えても伝え足りないくらい、人間の人生は短く、命は儚いのだから。

 この本は、そういう大切なことを教えてくれる詩集です。

 詩そのものが美しいのは勿論、『おわりに』に書かれた作者と訳者の悲しくも強い想いにも心を揺さぶられます。

 この本を読むと、当たり前のようでいて決して当たり前ではないものに気づかせてもらえます。

 大切な人と会える何気ない日常の尊さを。

 喪ってから初めて気づく存在の大きさを。

 「あれもしてあげれば良かった」「これもしてあげれば良かった」「どうしてあんなことをしてしまったんだろう」という後悔を。

 「あなたは言わなくても わかってくれていたかもしれないけれど
 最後だとわかっていたら 一言だけでもいい…
 〝あなたを愛してる〟とわたしは 伝えただろう」
(『最後だとわかっていたなら』から引用)

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