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著…白川静 編・画…金子都美絵『死者の書』

 生まれる。

 生きる。

 産む。

 育てる。

 死ぬ。

 これらにまつわる漢字やその成り立ち等について解説している、大人向けの絵本。


 ⭐️Kindle版

 ⭐️単行本版



 わたしにとっては初めて見る漢字も多く、説明文も難解でした。

 が、美しい挿絵がついているおかげで、イメージを掴みやすくなりました。

 白黒で描かれた、まるで影絵のような挿絵が、白骨や闇を連想させます。

 出生によって新しい肉体に寄託した霊は、死によってまたその肉体を脱し、いずこかへ立ち去ってゆく。
 古代の人々は、実際にそのように考えたのである。
 霊の来たることが生であり、霊の去ることが死であった。

(著…白川静 編・画…金子都美絵『死者の書』P106から引用)

 という記述も印象的。

 そう考えたら、「死」という言葉が持つ悲しさや寂しさが少し和らぎますね。

 いつかはお別れしても、いつかは霊が巡り巡って、再び邂逅するかもしれないから。

 生命は、出会いと別れを繰り返す永劫の螺旋なのかもしれませんね。




 〈こういう方におすすめ〉
 「死」というものについてじっくり考えてみたい方。

 〈読書所要時間の目安〉
 文章量は多くないのですが、内容が難解なので、2時間半〜3時間くらい。

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