著…エドワード・ゴーリー 訳…柴田元幸『青い煮凝り』
無名のオペラ歌手。
彼女に恋焦がれた男性・ジャスパー。
これは二人の悲劇の物語。
出逢ってはいけない二人が出逢ってしまったから…。
※注意
以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。
…と言っても、彼が一方的に片想いをしていただけ。
彼女にとって、彼はファンの一人に過ぎません。
少し、『オペラ座の怪人』を彷彿とさせるストーリーですよね。
しかし、あの怪人とは違って、彼には憧れの歌手を支える音楽の才能はありません。
お金もありません。
知名度もありません。
けれども、不運なことに、殺しの実行力はありました。
彼の暗躍によって、邪魔者が次々に消えていき、彼女はどんどんチャンスを掴んで売れていきました。
逆に、彼はどんどん失いました。
健康も。
仕事も。
住まいも。
正気さえも。
いや、きっと彼は恋した時から既に狂っていたのでしょう。
そして事態は最悪の結末へ…。
ゾッとするストーリーですが、単にこわいだけではなく、哀れですよね。
彼女も、彼も。
彼のように好きな有名人へ恋心を寄せる人は少なくないと思いますが、そもそも実際に知り合えることだって稀。
また、相手が有名人ではなく一般人だとしても、必ずしも両想いになれるわけではありませんよね。
なのに、恋心はコントロール不可能。
好きな人に好きになってもらえなくて辛いのにそれでもやっぱり好きという気持ちを、きっと誰もが経験します。
恋ってなんて難しいのでしょう!
〈こういう方におすすめ〉
ゾッとする絵本をお探しの方。
〈読書所要時間の目安〉
20分くらい。
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