著…森見登美彦『ぐるぐる問答 森見登美彦氏対談集』
小説家:森見登美彦氏と他の小説家、漫画家、監督、脚本・演出家たちとの対談集。
●執筆スタイルの違い
●実在のモデルを必要とするかしないか
●作品に方言を取り入れるか
●登場人物に対する憧れ
などなど、何かを表現する人たちそれぞれの意見が読めて興味深い本です。
なんと、今の森見さんと過去の森見さんが対談するというページもあります。
なんてユニークな発想力!
また、森見さんの小説『きつねのはなし』について、綾辻行人さんが、
と話すと、
と森見さんが返事をして、
と綾辻さんが驚きます。
こんな会話が出来るのも、創作する面白さですよね。
現実と非現実との境目が曖昧で。
もしかしたら…、綾辻さんが見たというそのお屋敷は、実は森見さんの小説から抜け出たものかもしれませんよ…?
綾辻さんが「これは森見さんの小説に出てくるお屋敷だ」と思ったのは、決して誤解などでは無かったのです。
そのお屋敷は小説から抜け出て、実体を持ってしまいました。
綾辻さんと、そのお屋敷の創造主たる森見さんとがそのお屋敷に入って、隠された謎を解かない限り、そのお屋敷はあらゆる訪問者を呑み込んでいきます…。
肝試しに来た地元のヤンキー、押し売り営業にやって来たセールスマン、空き家を住処にしようと侵入してきたホームレス…。
みんな、みんな、お屋敷に食べられてしまいます。
犠牲者たちの魂は、お屋敷の隠し部屋にある桃色の本の中に閉じ込められてしまい…、
…なーんて勝手な妄想も、この本を読んでいると自然に膨らんできます。
すみません、このストーリーはわたしが勝手に捏造しました。
このホラー小説の発売予定はありません!
わたしはまだ『きつねのはなし』を読んだことがないから元ネタも分かりません!
さて、この対談集の中において、色んな作品のタイトルが出てきました。
まだわたしが観ても読んでもいないものが多かったので、今後トライしようと思います。
勿論、『きつねのはなし』にも。
〈こういう方におすすめ〉
創作物を世に出す人たちの生みの苦しみや喜び、そしてある種の業のようなものに興味がある方。
モリミーワールドが好きな方。
〈読書所要時間の目安〉
2時間くらい。